景気刺激のために、超低金利政策がとられています。金を借りる側にとっては、ありがたいことです。住宅ローンとか。他方で、困る人も出てきます。基本財産を運用して事業を行っている財団です。例えば、篤志家が寄付をした基金で、その利子で学生に奨学金を支援しているような財団です。金利が下がると、受け取る利子が減り、事業を縮小せざるを得ません。その分野の方に、「どのようにしているのですか」と聞いてみました。答は、次のようなものでした。
1 財産取り崩し型=積んである基本財産を取り崩しながら、事業を運営する。これはいつかは取り崩し終わって、財団が解散する可能性があります。
2 株式移行型=財産を債権から株式へと買い替える。金利は低くとも、株式の配当は高いものがあります。ある財団は、3%で運用したとか。一方、損をする可能性、さらには元本がなくなる可能性もあります。そして、中小の財団では、運用の能力に欠けます。
3 不動産移行型=これは、株式の代わりに、財産を不動産へと買い替えます。これも不動産市況によります。
4 出捐企業補填型=親企業から、追加の資金を出してもらいます。一方このご時世、親企業もそんなに裕福ではありません。
5 ファンドレイジング型=プロジェクト単位で、外部からの寄付を募ります。この場合、ファンドレイザーという新たな専門職が必要です。
ここまでは、何らかの形で低金利に対応している型です。最後に
6 縮小型=事業費、事務局経費を削減して、耐えようというものです。財団の役員や事務局に考える力がないと、こうなります。中小の財団はこれが多いのではないか、という見立てです。
月別アーカイブ: 2016年4月
復興庁の移転
復興庁では、連休中に事務所の移転を予定しています。赤坂の民間ビルから、霞ヶ関の4号館に移ります。職員が、運ぶ荷物の整理を始めました。
私も、始めなければなりません。棚を見ると、いろいろな資料がたまっています。仕事に直接関係ある資料は、直近のものを除いて、職員に返してあるので、そんなに多くありません。問題は、仕事に関連する資料や記録です。発災以来5年間、この仕事を続けているので、古い資料もあります。なかなか踏ん切りがつかなかったのですが、この際思い切って整理します。といいつつ、そんな時間は取れず、進みませんわ。
民間の力を借りる
今日4月21日の読売新聞解説欄に、震災を体験した行政担当者の声が載っていました。神戸市の桜井誠一さんが、「避難所運営、住民の手で」を述べておられます。私も、桜井さんから、たくさんのことを教えてもらいました。
ここで強調しておられるのは、避難所の運営を住民に担ってもらうことです。そして、企業などの民間の力を借りることです。
・・・行政は民間の力を借りることに消極的だが、すべてはできない。専門家のノウハウを生かしてもらうべきだ・・・
また、受援力が重要なことも、指摘しておられます。このページでもしばしば書いていますが、自治体も消防も応援は得意ですが、受援は慣れていません。
残念ながら、公務員の多くは、これまでの仕事の仕方が染みついていて、「民間の力を借りる」ということが理解できません。やってみたら、「なるほど」と思ってもらえるのですが。
240万番
今日、カウンターが240万番を超えました。230万番が去年の9月ですから、7か月以上かかりました。
過去の勝ちを忘れられない
今日4月21日の読売新聞1面コラム「編集手帳」から。
・・・将棋の永世棋聖、米長邦雄さんが経団連で講演したことがある。当時若手の羽生善治名人が将棋界のタイトル7つを独り占めした頃である。演題は「なぜ、羽生君に勝てないか」
米長さんは語った。「われわれベテラン棋士は得意の戦型が忘れられない。その戦型で勝った記憶が忘れられない。その戦型はもう通用しなくなっているのに」。名だたる企業の経営者が、むずかしい顔をしてじっと聴き入っていたのを覚えている・・・