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義援金と寄付金

4月11日の読売新聞が、義援金や寄付金の特集をしていました。それによると、日赤共同募金会などに寄せられた義援金は、これまでに3,649億円。今も、日赤には、週に1億円が集まるそうです。これらの募金団体を通さず、直接自治体に贈られた義援金は、3県で789億円です。これらは、被災者に、現金で届けられます。
このほか日赤には、世界各国から597億円の寄付金が寄せられ、これは被災地の復興事業に充てられています。例えば、仮設住宅に寄付された電気製品(テレビ、洗濯機など)は、このお金が財源です。日赤を通さない、直接の寄付もあります。3県の自治体で、706億円です。もちろん、物資の支援もありました。
ここに載っていない寄付金や義援金もあります。正確な数字は把握できません。
ありがとうございます。今も、受け付けています。

先進諸国若者の失業

日経新聞4月14日「初歩からの世界経済」、3月23日と24日の「働けない若者の危機」から。
OECD調べでは、2013年2月の各国の失業率と若者(24歳以下)の失業率は、次の通りです。スペイン26%(若者56%)、イタリア12%(38%)、フランス11%(26%)、ドイツ5.4%(7.7%)、アメリカ7.7%(16%)。日本は4.3%(6.6%)です。スペインでは全年齢で4人に1人、若者は2人に1人が失業者です。フランスでも、若者は4人に1人が失業です。
他方で、スペインでは2012年の1月から9月までの間に、5万5千人が外国に職を求めて出ています。ドイツに移り住んだ外国人は、2012年1月から6月までの間に50万人います。
職もなく教育も受けていないニートの割合が、ドイツ9.5%、フランス12%、アメリカ14.8%です。
これでは若者は希望が持てず、社会は不安定になります。

生活を向上させるが格差をも生む資本主義を、どう補うか

フォーリン・アフェアーズ・リポート』(2013年4月号)ジェリー・ミューラー教授の「資本主義の危機と社会保障―どこに均衡を見いだすか」から。
・・アメリカを含む先進資本主義国家における最近の政治論争は、経済格差の拡大、そして格差是正のために政府はどの程度経済に介入すべきなのかという、2つのテーマを軸に展開している・・
この数世紀にわたる資本主義の拡散は、人類社会に大きな進展をもたらし、かつては考えられなかったレベルへと人々の生活を引き上げ、人類のポテンシャルを非常に高いレベルで開花させてきた。だが、資本主義の本質的なダイナミズムは、恩恵をもたらすだけでなく、不安も生み出す。このため、資本主義の進展は常に人々の抵抗を伴ってきた。資本主義社会の政治と制度の歴史は、この不安を和らげるクッションを作り出す歴史だったと言ってもよい・・
資本主義は人的なポテンシャルを開花させる機会を大きく広げた。が誰もが、こうした機会や進歩を十分に生かせたわけではない。歴史的にみても、女性、マイノリティ、貧困層にとって、資本主義が提供する機会の平等から恩恵を引き出すのを阻むフォーマル、インフォーマルな障害が存在した。
だが、時とともに、先進資本主義社会では、こうした障害が次第に少なくなるか、取り除かれ、現状における格差は、機会の不平等よりも、むしろ、機会を生かす能力、人的資本の違いに派生していると考えるべきだ。そして、この能力の格差は、生まれもつ人的ポテンシャルの違い、そして人的ポテンシャルを開花させるのを育む家族やコミュニティの違いに根ざしている・・
資本主義が今後も多くの人々に支持され、好ましいと見なされるには、例えば、次のことが必要になる。社会・経済的なはしごのトップ近いにいる人だけでなく、下や中間あたりにいる人々、そして勝者だけでなく敗者を含めて不安を和らげ、市場の失敗の衝撃を弱め、機会の平等を維持できるよなセーフティーネットを維持し、再活性化する必要がある・・
本文は、次のような内容からなっています。詳しくは、原文をお読みください。英語の原文は、こちら
格差と不安、市場の誕生と欲望の拡大、家庭と資本主義の相互作用、創造的破壊と福祉国家の誕生、脱工業化社会の衝撃、格差を助長する社会変化、近代金融のインパクト、家庭と人的資本と機会の平等、民族・宗教・人種によるパフォーマンスの違い、なぜ教育が万能薬にはなり得ないか、解決策はあるのか。

福島県視察

今日は、復興推進委員会委員のお供をして、福島県に視察に行ってきました。郡山市の子供室内遊戯施設、帰村して復興を進めている川内村、先日、警戒区域が見なおされ一部地域が立ち入り自由になった富岡町です。
ペップキッズ郡山は、スーパーマーケットだった建物を改装して作った、子どもの遊び場です。郡山市をはじめとする福島県中通り地方は、原発事故の影響で、子どもが屋外で遊ぶことができませんでした。現在はその制限は解除しているのですが、まだ心配な方も多く、屋内で遊ぶところが必要なのです。
小さな子どもたちにとって、この時期に体を動かして遊ぶことが、体や動作、そして忍耐力や人間関係を作るとって重要です。家の中にいるだけでは、テレビゲームをして、おやつを食べて太ってしまいます。私たちが子どもの時、普通に遊んでいたことが、重要だったのです。その普通のことが、この子たちはできません。
ただし、このことは、程度の差はあれ、今の全国の子どもたちに言えることです。学校の校庭を開放しているだけでは、小さな子どもは遊びに行きません。体育館を作っただけでもダメです。子どもと親が、「行こう」という気になるような場所でなければならないのです。菊池信太郎先生のインタビュー
ここは、施設を作り遊具を置いているだけでなく、指導員がいます。今日も、大勢の親子、あるいはお爺ちゃんと孫らしい人たちで、大賑わいでした。
3月に復興推進員のメンバーが入れ替わったので、新メンバーでは初めての現地視察でした。私も、3月は視察がなかったので、久しぶりの現地でした。
三春町の近くを通ったのですが、もちろん滝桜は見ることができませんでした。しかし、車窓から、あちらこちらに桜、しかも枝垂れ桜を見ることができました。