岡本全勝 のすべての投稿

自己認識

12日の朝日新聞別冊beに、日本の男性は惚れやすい、という話が載っていました。世界22カ国の調査で、一目惚れの経験がある男性は、中国が1番で73%、メキシコが72%、日本とイタリアが第3位で68%です。最下位のアメリカは27%、次いでイギリスは34%です。
日本の男性が惚れやすいのは、「不釣り合いな相手を、恋の相手と錯覚する自己認識の甘いタイプが多いから」だそうです。ふむふむ。一方、日本女性の一目惚れ経験者は平均より低く、48%とのこと。やはり、日本の女性は、しっかりしていますわ。

2006.02.12

行政減量会議での議論が、進んでいます。9日の日経新聞が、要領よく整理していました。重点削減分野(業務)を選ぶ作業で、すでに決めた8分野(農林統計など)に加え、7業務(官庁営繕など)を追加し、さらに4業務(国税・特許など)を検討対象としました。
これまでの定員削減が、全省庁一律に、人を減らすことに重点が置かれていたのに対し、今回の方法は重点業務を絞って行うことが特徴です。「全省庁一律」に対し「重点分野」、「人減らし」に対し「業務減らし」です。業務を減らさない限り、人は減らすことができないのです。
官僚が行う査定(予算・業務・人員)には、限界があります。財務省主計局も総務省行政管理局も、各省の反対を押し切って厳しい削減を押しつけるだけの権限と権威は持っていません。
各省の官僚は、予算・人員・権限を増やすことが目標の一つ(評価の基準)でした。減らすなんてことは、もってのほか。「わが省のこの業務は不要だから廃止しよう」と思っていても、そんなことは言えません。各省の官房が飲めるのは、「うちだけが削減されたのではない、横並びだから」という案です。
官僚に任せず大臣が査定をしても、同様です。各省大臣は対等であり、閣議で拒否権を持っています。内閣制にあっては、総理のリーダーシップがない限り、大胆な削減は難しいのです。
また、与党の政治主導も働きにくいです。各省・各業務分野に族議員がいるので、個別分野削減には抵抗します。党内での合意形成は難しいです。
いつも言うように、官僚主導・族議員政治ができたのは、右肩上がりだったからです。一律削減・シーリング方式は、その象徴です。よって、今回は、民間有識者による会議を使っています。問題は、これが実行の段階になったときです。当然、対象となった省庁、族議員は強く抵抗するでしょう。権限はそのままで補助金だけをなくすという三位一体改革ですら、ああだったのですから。有識者会議には、削減を実行するだけの権限と権威はありません。もちろん民主主義社会で、審議会がそこまで力を持つのは問題です。ここでも、「改革派」対「官僚・族議員・業界」の戦い、総理のリーダーシップ、各閣僚のセンスが見えるでしょう。
さて、日経新聞も指摘していましたが、業務を廃止縮小しても民間委託・独立行政法人化をしては、人件費が委託費に変わるだけで効果は少ないです。完全に廃止することが無理な業務も多いでしょう。直営から切り出したときに効率になるかどうかは、競争があるかどうかによります(拙著「新地方自治入門p245)。

2006.02.10

10日の朝日新聞「私の視点」は、井戸敏三兵庫県知事の「地方分権、道州制より府県に任せよ」でした。「その際、大切なことは一つの事業を国と地方が重層的に分担する成長時代のシステムを改め、一つの事業は一つの主体が権限と財源と責任を持って担う「分配自立型」に転換していくことだ」「ところが、現在の道州制論議は中央省庁を巻き込んだものになっていない。昨年の三位一体改革の決着から明らかなように、既得の権限に対する中央の執着は強い。現状のままで道州制を導入しても、国から地方への事業や財源の移譲が進む保証はなく、集権構造を温存したまま、府県合併が進むことになりかねない」。

三位一体改革67

(政治主導)
11月30日の日経新聞は、「改革仕上げ、首相二様」「政府系金融、1機関意地貫く。三位一体、調整丸投げで迷走」を書いていました。
「小泉純一郎首相が改革総仕上げの柱に掲げた政府系金融機関の再編と国と地方の税財政改革(三位一体改革)が29日、相次いで合意にこぎ着けた。政府系金融は『できれば1機関』との首相の強い意向を反映した決着に。半面、三位一体は『地方の意見尊重』と大枠を示すのみで自ら調整に乗り出さなかったため、最終段階で迷走した」
「調整を担ったのは安倍晋三官房長官で、関係7省に具体的な削減額を割り振るなどしてとりまとめを主導した・・・安倍氏は生活保護費、施設整備費をともに削減対象とする『痛み分け解決』を模索したが・・・」。
30日の毎日新聞は、「小泉改革の決算」「三位一体、ワンフレーズで押し切る」を詳しく書いていました。「この間、小泉首相は『地方の声を尊重』のワンフレーズで押し通した。『生活保護費を入れることも考えたが、総理の指示もあり除外した』。安倍氏は29日夜、記者団に淡々と語った」(12月18日)
22日の読売新聞では、青山彰久記者が「仕切り直し、分権改革」を解説しておられました。
「分権改革は、もう一度、仕切り直しが必要になった。当面、次の舞台は、経済財政諮問会議が来年6月に策定する『経済財政運営と構造改革に関する基本方針』(骨太の方針2006)になる。焦点は、これらの議論を通じて、どんなビジョンを描くかだ」
「戦後の行政システムは疲弊した。たしかに、ほとんどの公共サービスが全国均一に供給される。どこの自治体も、地方税の税率はほぼ同じ・・。その代わり、地方の仕事に国が細かな指示を出してコントロールし、国が決めた画一的な仕事を地方ができるように補助金を使い、複雑な地方交付税制度で財源の保障と財政調整を行った。結果的に、国と地方は一体化した。地方の自由は二の次になり、責任はあいまいになった」
「しかし、これからが本当の対立を迎えるだろう。本格的な分権化を目指せば、究極的に二つのタイプに分かれるからだ。一つは、国と地方の役割をはっきり分ける米国型・・・。もう一つは国と地方が協調する北欧型。ただし、教育や福祉などは地方の責任で、地方には十分な税源を与え、具体的な基準づくりや執行は地方が独自に行う。もちろん、地方へ十分な税源を与えることが不可欠だが、どちらのモデルに軸足を置くかが分かれ道だ・・」(12月23日)
【18年度の地方財政】
平成18年度地方財政収支見通しの概要」が発表されました。18日に決まった「地方財政対策」に、国の予算が決まったことによる要素などを付け加えたものです。考え方や大まかなことは、地財対策で決まっています。このあと、国の予算とともに精査して、国は予算を、総務省は「地方財政計画」「地方交付税法改正案」を作って国会に提出します。今の段階では、歳入欄に国庫支出金の金額が、歳出欄に国庫補助事業の金額などが入っていません。「18年度地方財政対策」の資料は、なぜかHPで見ることができない状態にあります。すみません、至急復旧してもらいます。(12月25日)
早速、復旧してくれました。もっとも、17年度分はまだつながりません。(12月26日)
27日の毎日新聞「記者の目」では、清水隆明記者が「三位一体改革、裁量広がらず地方完敗」「住民もリスク負うべし」を書いていました。
「今月1日に決着した三位一体の改革は、全国知事会など地方6団体が猛反対した生活保護費の国庫負担金引き下げが小泉純一郎首相の裁断で退けられ、地方側が勝利したような印象がある。しかし、私に言わせれば、今回の結果は地方側の完敗だ。3兆円の税源移譲は実現したものの、肝心の権限は国がしっかり握ったままで、地方分権がほとんど進まない内容だからだ」
「敗因は、首相の指導力を頼った地方側の戦略にもあった。07年度からの第2期改革を本道に引き戻すには、地方側が分権の意義を分かりやすく世論に訴える主体的努力が必要だ」
「国民も自覚が必要だ。地方分権の本質は、単なる自治体の権限や財源の強化ではない。中央の官僚や政治家に我々の未来を委ねる『お任せ民主主義』からの脱却だ。住民も政策決定に自ら参加し、そのリスクを負わなければならない。主役は自治体でも、省庁でも、まして小泉首相でもない。私たち一人一人なのだ」
前段は厳しい見方ですが、こういう評価もありますよね。後段も、もっともな指摘です。ただし、住民多くの理解を得るためには、自治体がまず「主役」になって、先導する必要があるでしょう。「国民みんなの理解を得て」という台詞はきれいですが、これはまた、物事を先送りするときの常套句でもあります。(12月27日)
2006年
平成18年度分が決まったので、「地方財政改革の経緯」「三位一体改革の経緯(簡略版)」を加筆し、「三位一体改革(補助金改革・税源移譲)金額内訳」を全面的に書き換えました。また、「三位一体改革の目標と実績」には交付税改革の実績を付け加え、使いやすくしました。「三位一体改革・交付税改革」も転記しました。どうぞ、ご利用ください。
遅くなって申し訳ありません。公式発表では、補助金改革は平成16~18年度の3か年ですが、税源移譲額では15年度改革分を取り込んでいること、16年度決定分には17年度と18年度の実行分が含まれていることから、数字の整理は結構ややこしいのです。(2006年1月2日)
(国民の理解)
1月1日の北日本新聞など地方紙に、日本世論調査会の世論調査結果が載っていました。三位一体改革については、「高く評価する」が6%、「ある程度評価する」が55%でした。一方、「あまり評価しない」は28%、「全く評価しない」は4%でした。
評価の理由は、「財政赤字が減らせる」が29%、「自治体の自助努力を促す」が23%、「地域の特性にあった事業が行えるようになる」が18%です。逆に、評価しない理由は、「税収が少ない地域の切り捨てにつながる」が34%、「自治体に任せるとかえって無駄遣いが増える」が21%、「全国一律に行政サービスの水準を保つ必要がある」が17%です。
6割の人が評価しているということは、ありがたいですが、理由の第一が財政再建であることは、残念です。もっとも、今回の三位一体改革では目に見えるかたちでの分権は進んでいないので、もっともな反応だともいえます。(1月6日)
8日の東京新聞は、「大胆予測、06日本の政治」で地方分権と取り上げていました。「交付税、都会vs過疎地も」という見出しです。(1月10日)
13日には、地方六団体の研究会も開かれました。(1月14日)
12日に、竹中総務大臣の指示による地方分権の将来像について議論する懇談会の初会合が開かれました。10年後の国と地方のあるべき姿を議論することとなっています。(1月13日)
知事会などによる「新地方分権構想検討委員会」の第1回議事録を見つけました。(1月27日)
6日の朝日新聞「時流自論」は、浅野史郎元知事の「本物の改革へ道半ば」でした。
「この決着は、地方の期待を裏切るものであった。国から地方への補助金配分権限によって、地方としての施策遂行の裁量が狭められているのだから、補助金つきの施策を廃止して、廃止した補助金の総額に見合う金額を国から地方に税源として移譲することが求められていた。4兆円の補助金を廃止して、3兆円を国から地方へ税源移譲するという数値目標は、小泉首相の指示で明確にされた」
「3兆円の数値目標は達成された。しかし、政府はそれに見合う金額の補助金付き施策を廃止するのではなく、義務教育、児童手当、児童扶養手当の国庫負担率を3分の1に引き下げるという奇策をもって、決着としたのである・・。これでは地方の財政上の裁量拡大にはつながらない」
「三位一体改革は、財源をめぐっての国と地方の綱引き合戦ではない。自治体として、納税者から集めた税金を、住民の最大幸福のためにどう使うか。有権者でもある住民を巻き込んだ形で、税財源の使い方を自主的に決めていくというシステム確立につながる構造改革である」
「国の側から見れば、霞が関の役人が『補助金配分業』に埋没せず、国際化への的確な対応にこそ時間と労力を傾注するシステムへの転換である。牛海綿状脳症、鳥インフルエンザ対策、がん撲滅作戦など、国でしかできないことに、人材と精力を集中すべきである」(2月7日)

2006.02.04

3日の日経新聞夕刊「ニュースの理由」は、中西晴史編集委員の「道州制導入、月末に答申。省庁の権限縮小、曲折も」でした。
「単に都道府県より広域の自治体をつくるのが狙いではない。道州に国の権限、財源を移すことが最大の眼目だ。国道、一級河川の管理や整備など国は複数の権にまたがるのを理由に権限を死守してきたが、道州になると、そんな理屈は通用なくなる」
「『国の地方出先機関に勤務する22万人の国家公務員をどうするか』だけではなく、霞ヶ関の本省の仕事も補助金配分業も含めて大幅に縮小される。国土交通省など多くの仕事が道州に移管されると、省自体の存在意義が問われる」
「国の縦割り画一行政から脱し、道州がブロック単位で東京を経由することなく地域経済活性化など様々な独自政策を競う。国は外交、防衛、マクロ経済政策などの仕事に純化する。国の官僚主導の統治構造を180度転換する引き金になるだけに、縮小を迫られる各省庁の抵抗は必至だ」