「頭が良い」と聞くと、偏差値の高い大学に行った人を思い浮かべるでしょうか。しかし、「学がある」と「頭が良い」とは異なります。
私が子どもの頃、近所のおばさんが「あの人は学はないけど、頭は良いなあ」とか、その逆のことを言っておられました。私は、よくわかりませんでした。私は、「学があること=頭が良いこと」と思っていました。社会人になってから、おばさんたちが言っていたことの意味がわかるようになりました。
一概には言えませんが、頭の良い人がうまくいかない場合が多いようです。自分の能力に自信を持っておられる。しかし、その言動に上司や部下、周囲の人が納得するかどうかです。
自然科学の世界じゃないので、評価基準というのは客観的には決まっていません。評価する人たちに理解してもらい、その人たちが関心のあることについて的確に答える必要があります。相手があることですから、相手が何を望んでいるかを理解しなければならなりません。
「それでも地球は回っている」は自然科学の世界では正しいですが、日常生活では通用しません。相手と観客がいて、その人たちが納得するかです。
うまくいかない場合もあります。その場合でも、皆が納得することが大事です。同じ失敗でも、「あの人なら、やはり失敗したか」と「あの人でもうまくいかない、難しい案件か」とでは、評価が異なります。
私たちの仕事では、「できたか、できないか」の評価ではなく、「着地点が良かったじゃないか」と言ってもらえるかどうかです。「その2」に続く。