カテゴリーアーカイブ:行政

司法制度改革10年

2011年6月8日   岡本全勝

7日の朝日新聞が、司法制度改革10年を特集していました。司法制度改革審議会が意見書を出して、10年になります。実際の改革は、その後、25本もの法律改正によって実施されました。
裁判員制度、法テラス、ADR、知財高裁、法科大学院、司法試験改革などです。司法を身近にすること、法曹の量を増やすこと、国民の司法参加が、目的でした。司法制度改革は戦後改革以来初のことで、これらは日本社会の大きな改革でした。
私は、行政改革の分類の中で、これらを、「事前調整から事後監視へ」や「公開と参加」などに位置づけました。このような改革は、ある日突然変わる、あるいは写真になるような改革ではないので、なかなか国民の実感には現れません。裁判員に選ばれると、実感するのでしょうが。

ところで先日、北村亘大阪大学教授から、この表について、地方分権改革は、「官の役割変更・経済活性化」に位置づけるより、「ガバナンス改革」に位置づける方がよいのではないか、との指摘を頂きました。
確かにそうですね。実はこの大分類は、後から考えたものです。何度も試行錯誤しました。その際に、国から地方への地方分権改革は、中央政府のスリム化であるとの位置づけからスタートしたので、それに引きずられた結果になっています。北村先生、御指摘ありがとうございました。

科学者と政策決定の関係

2011年5月31日   岡本全勝

読売新聞は、5月31日から政治面で、「政策決定と科学」を始めました。そこに、イギリスの「政府への科学的助言に関する原則」(2010年3月)が紹介されています。
そのポイントは、政府にあっては、科学的助言者の学問の自由を尊重し、評価する。政策決定が助言に反する場合は、決定理由を公式に説明する。科学的助言者にあっては、科学は政府が政策決定で考慮すべき根拠の一部にすぎないと認識する。助言は、国家安全保障や犯罪助長などの理由がある場合を除き、公開する。そして、双方とも相互信頼を損なう行為をしないことです。
イギリスでこのルールが作られたのは、1990年代BSE(牛海綿状脳症)に関する科学的助言が過小評価されたとして、政府と科学者双方への不信が増したことがきっかけでした。アメリカやドイツにも、同じようなルールがあるそうです。
科学者は助言内容を自由に公表できる、しかし政策決定の際に考慮する一部でしかないことを双方が認識することです。日本でも、今回の原発事故対策や、今後の津波対策に際し、有用でしょう。

学校の保健室の役割変化

2011年5月30日   岡本全勝

古くなって恐縮です。5月5日の読売新聞「くらし・教育欄」に、高橋香代岡山大学教授のインタビューが載っていました。養護教諭の役割変化についてです。
・・以前は病気やけがの処置が仕事の中心だったが、悩みや不安を抱えている子どもに対応する割合が大きくなってきた。アレルギーや感染症、いじめや発達障害などの子どもの健康問題が多様化し、家庭の問題を抱えた子供は増えている。理由もなくふらっと保健室に来る子の数も増えており、養護教諭の役割は重要だ・・

強い現場と弱い本部

2011年5月19日   岡本全勝

5月16日の朝日新聞「大震災と経済」に、藤本隆宏東大教授のインタビューが載っていました。藤本先生は、日本のモノづくり現場の研究で有名です。先生は、日本の特徴を「強い現場、弱い本部(本社)」と表現しておられます。すなわち、品質が良いものを安く効率よく作るというように、目標がはっきりしている場合は、本社が目標を定め現場は目標に向かって頑張ります。しかし、目標が不明確になると、目標を定められず、弱い本部になってしまいました。
これは、行政機構にも当てはまります。欧米に追いつくという目標がはっきりしていた時は、官僚機構は効率的でした。その目標を達成し、次の目標がはっきりしなくなった時に、官僚制が効率的でなくなりました。決められたことをする職員と、次に何をするのかを考える立場の人との役割分担です。後者が、本部機能です。

記事では、「復興対策をどう評価しますか」との問いに、次のように答えておられます。
・・出張で海外に行ったが、識者の間でも、被災現場、原発事故現場に踏みとどまる人々の粘りと沈着さは高く評価される一方、官民とも対策本部の判断や発表の混乱は低い評価だった。日本の現場の強さと本部の弱さを、全世界が認識してしまったようだ・・
「復旧、復興に向けてどう改善すべきですか」という問いには、
・・高い組織力を維持している日本中の現場の力を一層活用することと、心もとなかった本部の失地回復が必要だ・・
「本部はどうすれば」という問いには、
・・本部は部門の壁の撤去が急務だ。具体的には、重要な復興テーマごとに、関連省庁・自治体から実務担当者を集めたプロジェクトチームを編成し、政府中枢に省庁横断のマトリックス組織を早急に作るべきだ。トヨタ自動車の製品開発組織、日産が復興期に使った部門横断チーム、英国内閣府のプロジェクト制など、成功例は多い・・省庁幹部間の連絡会だけではだめ・・
詳しくは、原文をお読みください。

内閣官房に置かれた組織

2011年5月10日   岡本全勝

昨日、内閣官房に置かれた各種会議を紹介しました。今日は、内閣官房に置かれている組織(事務局)の数々を紹介しましょう。これだけの組織を知っている人は、国家公務員でも少ないでしょう。各種会議は主に合議制ですが、ここにある組織は、それら会議の事務局が多いです。
また、内閣府に置かれる組織もたくさんあります。こちらもいろんなものがあります。私たちの被災者生活支援チームも、内閣府に置かれた組織なのでこの図に出てくるべきものですが、臨時なのでか、載っていませんね。