カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

ユーチューブの字幕

ユーチューブ、動画をインターネット上で共有する仕組みです。皆さんも見ておられるでしょう。載せておられる方もおられるでしょう。

コロナもあって、動画で講演をすることが多くなりました。録画されることも、あまり好きではないですが、そんなことも言っておられず。
ところが、利点もあります。録画で自分のしゃべりを見ることで、どこが悪いかを確認できます。早口であったり、文章が通じにくかったり。皆さんも、やってみてください。昔は、テープレコーダーで自分の声を聞くことが嫌いでした。「え~、こんな声なんや・・」と。

もう一つは、字幕機能です。画面下の記号を押すと、しゃべっている言葉が、字幕に出ます。機械が自動でやってくれるようです。ところが、早口だったり、発音が不明瞭だと、変な単語や文章になって掲示されます。たぶん、多くの聴衆の耳と頭にも、このように伝わっているのでしょうね。例えば、日本記者クラブでの会見「官僚と政治」(2021年5月27日)

大学で教えていたとき、試験の答案採点のたびに「私の講義は、こんなにも学生に理解されていなかったのか」とがっかりしました。講演会の後で速記録が送られてくることがあります。「活字として残すので、手を入れよ」との趣旨です。この時も、がっかりし、嫌になるときがあります。「私の話は、こんなに間違って理解されているのだ」とです。これらも、話している私の方に問題があるのですよね。

聞き取りやすい話のコツは、次の通りです。
ゆっくりと話すこと。主語と述語をはっきりすること。一つの文章を短くすること。一つの文章と次の文章の間に、息継ぎを入れること。重要な内容は、くり返し話すか、白板に書くこと。
心がけてはいるのですが、なかなかできません。テレビのアナウンサーは、訓練を受けておられるのでしょうが、違いますねえ。

寝不足な日本

9月22日の日経新聞に「寝不足日本が失う15兆円 睡眠時間はOECD最下位」が載っていました。
・・・年間15兆円。米シンクタンクがはじき出した日本の睡眠不足が引き起こす経済損失額だ。オフィスで「寝不足」を美徳のように語る光景は今も珍しくない。だが、労働力人口が減りゆく中、一人ひとりの生産性の向上が求められる時代だ。長時間労働に支えられてきたビジネスモデルを転換できない企業は非効率経営の烙印を押されることになる・・・

OECDの調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、30か国で最下位です。全体平均の8時間24分と、1時間もの差があります。厚労省調査でも、6時間未満の人が4割います。アメリカのシンクタンクが推計した日本の経済損失は年間15兆円。国内総生産の3%にもなります。
仕事の成果を結果で測るのではなく、どれだけ会社に尽くしたかで測ってきた日本型経営と雇用慣行。
かつて、栄養ドリンクの宣伝が「24時間戦えますか~」と、あおっていました。今から考えると、おかしなことをしていました。しかし、今なおそのような傾向があります。笑えません。

遠隔会議では良いアイデアが出ない

9月22日の日経新聞経済教室は、カール・フレイ オックスフォード大学フェローの「コロナ危機と技術革新 グローバルな人材交流、必須」でした。

コロナの世界的流行によって、技術革新が低下することが指摘されています。
まず、世界的な人材交流が制限され、技術革新が不活発になっていること。
二つ目に、リモートワークが、技術革新を鈍らせることです。

ビデオ会議システムなどで、世界各地の専門家が意見交換できるので、技術革新に好ましいと点もあります。
しかし、新しいアイデアは、しばしば思いがけない出会いややり取りから生まれます。ところが、対面が制限されている状況では、そのような出会いが起きにくいのです。
研究では、「破壊的な概念を提案する可能性」は、リアルチーム(集合作業)の方が、リモートチーム(遠隔作業)の2倍以上高いのだそうです。

相手に聞いてもらう話し方

9月16日の日経新聞「私のリーダー論」は、石坂産業・石坂典子社長の「「恥をかく」ことで人は育つ」でした。前回9月9日の続きです。

父から事業を引き継ぎますが、最初の10年は代表権のない社長です。やり方を変えるためには、代表権のある会長の父に、すべて了解を取る必要があります。ところが父は、長い話を聞くのは苦手、仕事を中断されるのも嫌いです。まあ、これはどこの組織の上司にも共通することですが。

石坂さんは、毎朝短時間、話を聞く時間をつくってもらいます。話を聞いてもらうためには、提案の優先順位を考え、厳選して簡潔に話し、了解を取り付ける訓練をします。
このあたりは、拙著『明るい公務員講座』第3章が参考になります。私も、上司に説明を聞いてもらう訓練と、部下の話を聞く訓練をしてきましたから。

ほかにも、参考になる経験が書かれています。原文をお読みください。

在宅勤務の負の影響2

在宅勤務の負の影響」、今回は組織に与える負の影響です。
「在宅勤務でも以前と同様に成果が上がっている、経費削減になっている」と思っていませんか。それは、短期的に正しくても、長期的には間違っています。在宅勤務では、職員育成にも問題が出て、組織としての力が低下します。

前回述べたように、新入社員や異動してきた社員の不安があります。そしてその人たちは、職場での十分な訓練を受けることができません。与えられた、そして自宅でできる仕事をしているだけでは、職場の技能は向上しません。非正規社員が仕事の技能を身につけることができなかったように、彼らも職場での仕事の訓練を受けていないのです。

在宅勤務で仕事ができ、職場の能力が向上するなら、拙著「明るい公務員講座」3部作を含め、本屋に並んでいる職業人向けの啓発や技能向上の書籍の多くは不要になります。そうでしょうか。

職員の評価も、どうするのでしょう。オンラインでの成果物を評価するだけでは、社員の能力を評価できません。学校の試験のように、紙で評価できるものではありません。
すると、以前から知っている気心の知れた部下を高く評価する傾向になるでしょう。新人には、可も不可もつけることが難しく、5段階の3ばかりをつける恐れがあります。

一部の在宅勤務に向いている仕事を除き、多くの職場で、在宅勤務はコロナ対策の緊急措置と考えるべきです