カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

気になる言葉・集約化

今朝(8日)の朝日新聞1面に、「7公立病院、復旧困難。岩手・宮城、集約化も議論」という見出しがありました。「集約化」って、おかしくありませんかねえ。記事の本文にも出てきます。
「集約」とは、国語辞典では「寄せ集めて、一つにまとめること。」とあります。この記事の場合は、7つの病院を統廃合するのでしょう。国語辞典では、「化」は「形や性質が別のものになる。かわる」とあります。しかし「集約」には、すでに動きの要素が入っています。それに「化」をつけると、どのような意味になるのでしょうか。
新聞の見出しは、できるだけ短くするために文字を削ります。それでも「化」を付けたのだから、何か意味があるのでしょうが。よく似た言葉に、統合があります。これも統合化とすると変でしょう。

社会の変化と公務員の役割変化

拙稿「安心国家での地方公務員の役割」が、月刊『地方公務員月報』2011年4月号(総務省自治行政局公務員課)に載りました。内容は、次のようなものです。
1 現代国家の変貌-福祉国家から安心国家へ
(1)福祉から安心へ-対象の変化
(2)提供から保障へ-手段の転換
2 地方公務員に求められるものの変化
(1)地域の課題解決-課題も対策も考える
(2)官民の垣根の低下-民間との競争
3 三つの反省
(1)「できません」
(2)視野が狭い
(3)文章が分かりにくい
4 自治大学校での研修

最近書いた「社会のリスクの変化と行政の役割」や「行政改革の現在位置」北海道大学公共政策大学院年報『公共政策学』で論じた社会の変化を取り入れて、公務員の役割の変化を書きました。
自治大学校にいる時に、書いて出しておいたものです。この月報は、国が出している月刊誌で、市販されていないようです。各市町村役場の人事課には、届いていると思います。ご関心ある方は、お読みください。

一義的

最近、気になる言葉使いに、「一義的」があります。例えば「一義的には××電力株式会社に責任がある」とか「一義的には市町村の仕事です」といった発言が、新聞に載ります。しかし、もしそれが「まずは××会社に責任があり、ダメな時は国が責任を持つ」といった意味なら、「一次的には」と言うべきでしょう。
本来「一義的」は、「それ以外に意味や解釈が考えられないこと」や「いちばん大切な意味。根本的」といった意味で、辞書にもそのような解説が載っています。「一義的には××会社の責任」と言うと、「××会社以外に責任はない。国は責任を持たない」という意味になるのではないでしょうか。

明るい課長講座4

次の教えを、それぞれ職場での具体的場面を使って、解説せよ。そして、二つの教えの関係について述べよ(講座その2に似てますね)。
A 部下は、厳しく育てないといけない。
B 部下は、褒めてやらないと育たない。

幹部研修の難しさ

先月、消防大学校の上級幹部研修で、人間関係論を3時間講義しました。その時の、研修生による講師の評価が届きました。結構良い点をもらっていたので、ほっとしました。研修生の皆さんが、「紳士」だったということかもしれませんが。
消防大学校でも自治大学校でも、講義や講話をすると、校長も研修生による評価の対象になります。数字で出てくるので、成績表をもらう生徒の緊張感を味わうことができます(苦笑)。これは、かなり緊張します。
幹部や幹部候補生への講義は、難しいのです。大学生を相手にするなら、知らないことを教えることになります。幹部職員の研修も、部下職員と違った、幹部職員に必要な知識と技術を、新たに教えることになります。しかし、勤めて20年にもなる職員は、たいがいのことを知っています。いえ、知っていてないと、困るのです。
すると、最新の知識を確認してもらう、最近の動向とこれからの課題や見通しを知ってもらう、知っていることを全体と関連づけて整理し直すことが、主になります。日頃断片的に得た知識を、もう一度整理し直し、抜けていることを埋めてもらうのです。
私は、このほかに、「知っていることで安心することも重要である」とお話ししています。「日本で最高の講師陣から話を聞いて、既に知っていることであるなら、それは、あなたが最高水準であるということです。自信を持って、仕事をし、後輩に話して下さい。そして自分なら、後輩の前でどう話すか、その技術を盗んで下さい」と。
とはいえ、厳しい研修生から良い評価をもらうためには、内容と話し方に工夫が必要です。毎回、準備にも、大きなエネルギーが必要なのです。