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生き様-仕事の仕方

宝塚歌劇団、スターを育成する、2

昨日の記述の前に、次のような話も載っています。
・・(宝塚音楽学校)在学中は随時、試験が行われ、卒業証書の授与は成績順。歌劇団入団後も試験があり、結果は退団後もついて回る。OGの会合でひとたび「集合」の声がかかれば、出席者は入団年次別に成績順に並ぶ。この時は、舞台でトップをはったかどうかは関係ない。
ただ、成績と舞台のポジションは別物といっていい。鳳蘭は学校の成績が思わしくなかったが、星組トップ男役になった・・
他方、戦前の日本陸軍が、士官学校の卒業成績順位で、その後の出世が決まったという話は、有名です。
また、卒業成績がトップクラスでありながら、舞台ではいまいちだった人は、残念でしょうね。その理由は何なのでしょうか。学校の試験や成績が、歌劇団での演技や人気に相関していないのでしょうか。あるいは、卒業時の成績に慢心してしまうのでしょうか。役所でも、学校の成績や採用試験の成績と、その後の活躍や出世が必ずしも比例しないのです。

宝塚歌劇団、スターを育成する

日経新聞「私の履歴書」10月は、植田紳爾・宝塚歌劇団名誉理事です。19日の「スター育成」から。1973年に、宝塚音楽学校の入試試験委員に、任命されます。合格者を、どのように見極めるか。
・・試験委員に声楽やダンスなどの専門家がいるので、私はもっぱら受験生の適性を見る。重視するのは、欠点を自覚できる人物かどうか。メーキャップ一つ取っても、欠点を自覚すればこそ、自身に合う化粧法を身につけられる・・
・・私はスター誕生に、3パターンあると思っている。第1が音楽学校入団時や歌劇団入団時に、目を引きつけられる生徒。鳳蘭や麻実れい、天海祐希らだ。天海が入試会場に現れた時は、「よくぞご両親が産んでくださった」と喜んだ。それほど光っていた。
次が、制作スタッフの抜擢で伸びるケース。遙くららや神奈美帆らだ。3つめがコツコツやっていて突然、輝き出す生徒。松あきらや日向薫らがその例といえよう。
いずれのパターンも、配慮せねばならない点がある。芽を出しそうな頃合いを見計らって、資質に合った役に就けることだ・・
なるほど。私もこれまで、職員採用や後輩の育成で、いろいろな経験をしてきました。いくつかは、後輩たちに伝授しているのですが。これも、経験がものを言う、本を読んだだけでは身につかない「特殊技能」です。本文では、具体事例が書かれています。お読みください。

出張の翌日

今朝は出勤して、まずは、たまった電子メールの処理。1日半職場を空けていると、えらいことになっています。もちろん、急ぎの案件は、携帯電話で処理してありますが。机の上にも、資料がいろいろと並んでいます。「××をお願いします」と付箋を付けて。
その前に、朝8時過ぎに地下鉄を降りたら、後ろから追いかけてくる職員あり。「朝一番で、相談したい案件があります」とのこと。職場に着くと、彼女に引き続いて、次々と「ちょっと良いですか」という職員の波状攻撃が来襲。
ありがたいことです。大変な事態になる前に、相談に来てくれるのですから。大半は「それで良いわ」とか、「ここを次のように修正して。もう一度見せて」とか、「次のように修正して。後は任せた。修正後の資料を届けておいて」と言えばすみます。
私が部下職員に常に言っているのは、「35%の完成度でよいから、早く相談に来てくれ」です。この程度の熟度(未熟度)なら、お互いに議論がしやすいです。詰めて詰めてから持ってこられたら、本人も修正はいやでしょうし、こちらも修正指示を出すのは、気が引けます(私は小心者なので)。

休日出勤

休日に出勤すると、職場の電気が消えています。それを見ると、「誰も出勤していない=休んでいる」と安心します。しかし、そんなことは希で、おいおいと数人の職員が出勤して仕事をしています。
「どうしたの?」と聞くと、「来週××があるので、その準備です」といった答が、返ってきます。また、平日の朝にパソコンを開くと、深夜に職員から送られたメールがたくさんたまっています。休日出勤や残業をさせて、申し訳ないです。
復興庁(とその前身組織)は、発災直後の緊急時に比べれば、はるかに平常勤務になっていますが、なかなか残業無しとはいきません。
上司としては、なるべく先の見通しを立て、具体的な方向性を部下に示し、仕事を平準化して、無駄な仕事をさせないことが重要です。なにせ、「去年通り」「前例通り」がない仕事なのです。上司の力量が問われます。
先を読んで手を打っておかないと、いざという時にあわてます。先を読むのは良いのですが、何でもかんでも準備させると、部下が持ちません。
先週末に、「19日は、ビルの害虫駆除で薬剤が散布されるので、出勤してはダメですよ」と、部下に言われました。駆除されては困るので、今日はお休みです。

気が小さい上司の悩み

仕事での悩みを一つ、吐露します。職員に仕事を頼むときです。
簡単な事案や、担当がはっきりしている場合は、問題ありません。悩むのは、ややこしい案件で、担当者がはっきりしない場合です。自分で片付けることができる案件なら、自分でやってしまいます。その方が早いですから。また、全く担当者がいない事案の場合は、数人の「何でも屋」を決めてあるので、彼らに頼みます。
困るのは、複数の担当者にかかわるけど、決め手がない場合です。何人かの顔を浮かべて、誰に頼もうかと、しばらく思案します。たいがいは、内容との関係度より、引き受けてくれそうかどうかで、選んでしまいます。
その職員を呼んで、「この案件は、難しいのよ。あんたの担当と違うと思うけど、やってくれる?」と言ったとき、「わかりました、やってみます」と言ってくれる職員には、本当に感謝します。今日のS君、先日のO君ありがとう。
若い時から、この方法でやってきました。しかし、若い課長の時に、いつも引き受けてくれている係長から、「いつも私ばかりですか」と、まじめに抗議されたことがあります。このときは、まいりました。確かに、この方法は正しい仕事術ではありませんね。
でも、「それは私の担当ではありません」という返事が、間違いなく返ってくる職員に頼んでも、ムダです。こちらも気分が悪くなります。私は気が小さいので、「いやです」と面と向かって言われると、心臓が凍ってしまいます。「いつも、好きなように仕事を命じているではありませんか」という、陰の声が聞こえてきそうですが、本当です。
また、頼まれたときに、私から「それは私の担当ではありません」とも、言うことができません。それで、何でも引き受けてしまいます。かつて、ある大臣から、「何でも吸い込むブラックホール全勝」というあだ名をもらいました。それを聞いたある職員は、「あれは、ゴミ箱だと言われているんでっせ」と、笑いましたが(本業の様子3)。
もちろん、部下からの依頼も、断ることができません。たいがい、彼らは困って、私に相談に(頼みに)来ているのですから。私でできることなら、頭を下げに行くくらいは、安いものです。
職場では上司に従い、仕事では部下に従い、家ではキョーコさんに従う。男は三界に家なし。
原典(本歌)はもちろん、「女三界に家なし」ですが、これって、現代では通じない(許されない)表現ですよね。でも、妻が夫に従っていたら、こんな説教は必要なかったのでしょう。実際は夫が妻に従っていて、願望を述べたのがこのような表現だと、私は理解しています。「我が家は違います」という方がおられたら、一度話を聞かせてください。