投稿者アーカイブ:岡本全勝

憲法は見なおすものか、不磨の大典か

2013年3月1日   岡本全勝

読売新聞は政治面で「憲法考」を連載しています。2月28日は「改正、世界では当たり前」です。このHPでもかつて紹介しましたが、日本国憲法は1946年の公布以来、半世紀余り一度も改正されていない、世界でも珍しい憲法です。
記事によると、戦後の憲法改正回数は、次の通りです。ドイツ58回、フランス27回、アメリカ6回、カナダ18回、イタリア15回、韓国9回です。この13年間でも、ドイツ11回、フランス10回、イタリア6回、スイス23回です。
もちろん、改正された内容や各国の事情を考慮しなければ、単純な数字の比較は意味がありません。基本的人権の保障などは、改正されないものでしょう。
しかし、憲法は「不磨の大典」(侵すべからず)という考えは、自らの統治構造や基本的人権を自らの力で見直すという民主主義とは相容れません。これまで、民主的と名乗る勢力が「憲法を守れ」と叫んだのは、ラベルの張り間違えか、民主主義のはき違えでしょう。
ところで、私が習った頃の大学の憲法の授業や教科書は、現憲法の解釈が主で、このような考え方もあるとか、このような改正も考えられるといった、未来への思考がありませんでした。
かつてこのHPで、ある教授の「理系の人間から見ると、文系の先生は過去の分析が主で、過去から現在を見て、現在で止まっているように見える。未来のことはあまり語らない。一方、工学は、現在の部分は産業界がやっているで、工学部はいつも5年先、10年先の未来を考えていないと成り立たない」という発言を紹介しました(2005年6月24日の記事

難しい話を1枚の紙で

2013年3月1日   岡本全勝

講談社のPR誌『本』2013年3月号、翻訳家上原昌子さんの「ヒッグス粒子探索をめぐる壮大なドラマ」に、次のような話が載っています。
素粒子物理学者が、理論的に予測されていたヒッグス粒子を、巨額の費用をかけた装置(LHC)で発見しました。その過程で、科学者は国家に費用負担を求めました。イギリスのサッチャー首相の下で大臣を務めたワルドグレイブ氏が、1993年、イギリス物理学会での講演で、次のように述べました。
・・・財政難の英国政府にLHCの建設資金援助を望むなら、まず、その粒子が一体どういうものなのか、なぜその発見が重要なのかを、A4紙1枚以内で私にわかるように説明せよ・・

経済財政運営政策と経済成長政策

2013年2月28日   岡本全勝

今日2月28日、平成25年度当初予算と合わせて、「平成25 年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」が閣議決定されました。これは、例年通りです。その中で、おやっと思ったことがあります。
「2 平成25 年度の経済財政運営の基本的態度」の中で、「財政政策」「金融政策」「為替政策」と並んで「成長戦略」が並んでいます。十分に調べていないのですが、近年あるいは過去の「経済見通し」閣議決定で、成長戦略が掲げられたのは、今回が初めてではないでしょうか。間違っていたら、ごめんなさい。
経済成長の「基礎」は成長戦略であり、「財政政策」と「金融政策」は景気調整に使えても、経済成長そのものには「効果が薄い」です。経済成長政策の上に、そして社会保障政策の上に、経済財政運営があるのでしょう。経済成長政策と社会保障政策のない経済運営政策では、限界があります。

総理施政方針演説、復興の部分

2013年2月28日   岡本全勝

今日2月28日、衆参両院で、総理大臣の施政方針演説が行われました。印刷物で29ページ、読み上げで約35分です。
その中で、大震災からの復興が、第1番目の項目に挙げられていました。また、職員の調べによると、14府省のうち、名前が出てきたのは、復興庁だけだそうです(海上保安庁、警察、自衛隊が出てきますが、大臣がいる「府省」ではありません)。職員一同、気合いを入れて仕事をしなければなりません。
もちろん、私たちの評価は、現地での復興が進むかどうかです。復興庁だけで仕事が進むわけではありませんが、現地で支障となっている課題を解決するのも、私たちの仕事です。

日本料理を世界に、今こそ攻め時や

2013年2月27日   岡本全勝

朝日新聞夕刊連載「人生の贈り物」。今週は、料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さんです。ロンドンで、会席料理の店を開いておられます。25日の記事に、次のような発言が載っています。京都の本店とは変わった、ロンドン風にアレンジしたメニューが話題だそうです。
・・・相手が望むもんを出すのは、料理の基本やね。「これが本物やから、これ食え」っていうのは、乱暴な話やろ・・
そこの国の食材で作らんと、日本料理は根の生えたもんになって、どこにもいけなくなる。外国のお母さんがうちで、「今日はすしつくるわ」といわはるようになって、世界に定着したといえるわけや・・