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長野県栄村の知恵

先日(5月5日)、長野県栄村について書きました。地方行政関係者には、栄村をご存じの方も多いでしょう。道路改修や田んぼの改修を、村民と村の職員で施行し、安く上げていることで有名です。その様子は、村のホームページに載っています。高齢化率44.8%、人口ピラミッドは上に行くほど広がっています。特に女性は、最も多い年齢層が80~84歳で、その前後が次に多いのです。

社会の変化と公務員の役割変化

拙稿「安心国家での地方公務員の役割」が、月刊『地方公務員月報』2011年4月号(総務省自治行政局公務員課)に載りました。内容は、次のようなものです。
1 現代国家の変貌-福祉国家から安心国家へ
(1)福祉から安心へ-対象の変化
(2)提供から保障へ-手段の転換
2 地方公務員に求められるものの変化
(1)地域の課題解決-課題も対策も考える
(2)官民の垣根の低下-民間との競争
3 三つの反省
(1)「できません」
(2)視野が狭い
(3)文章が分かりにくい
4 自治大学校での研修

最近書いた「社会のリスクの変化と行政の役割」や「行政改革の現在位置」北海道大学公共政策大学院年報『公共政策学』で論じた社会の変化を取り入れて、公務員の役割の変化を書きました。
自治大学校にいる時に、書いて出しておいたものです。この月報は、国が出している月刊誌で、市販されていないようです。各市町村役場の人事課には、届いていると思います。ご関心ある方は、お読みください。

支援本部から支援チームに名称変更

5月6日に、政府の緊急災害対策本部と原子力災害対策本部の合同会議が開かれました。松本龍防災大臣が、これまでの被災者生活支援本部の実績と課題を報告されました(資料p1~3)。これまでの1か月半の実績と、これからの課題が簡単に整理されています。
また、今回の大震災関係のいくつもある対策本部が、9日付けで整理されことになりました。私たちの被災者生活支援本部は、この図の左下に出てきます。名前がチームに変わりますが、これまで同様に緊急災害対策本部の下で、同じ仕事を続けます。私どもの組織は、「本部」と名前がついていますが、大臣が集まる合議体(合議制会議)ではなく、課題を実行する組織(独任制機関)です。この図に出てくるほかの本部とは、性格が違います。
毎週更新している「現地の課題と本部の取組み」と「事務記録」も、加筆しました。いつもながら素早く仕事をしてくれる、我が本部の広報チームに感謝します。

過疎地帯の地震被害

4日5日と、仙谷官房副長官のお供をして、長野県栄村、新潟県津南町、十日町市に視察に行ってきました。東北の津波と原発事故の報道に隠れていますが、3月12日に長野県北部と隣接する新潟県は、大きな直下型地震に見舞われました。栄村は2,300戸のうち、一時は1,700戸が避難したくらいです。ここは、典型的な地震被害でした。道路や上下水道、農地や用水路などに大きな被害が生じています。応急復旧が進み、仮設住宅の建設も進んでいます。
豪雪地帯なので、発災当時は雪があり、雪解けとともに、被害もわかりつつあります。仮設住宅も、入り口に雪除けをつくる必要があります。
中山間・過疎・高齢地域です。地元の方のお話しでは、「後継者がおらず、徐々に地域が衰退しつつある。それが、今回の災害を機に、一挙に進む恐れがある」とのことでした。たしかに、今後何で食べていくか。生業が定まり、若者が跡を継いでくれないと、地域は存続しません。