投稿者アーカイブ:岡本全勝

生物を分類する

2015年2月4日   岡本全勝

キャロル・キサク・ヨーン著『自然を名づける』(邦訳2013年、NTT出版)を紹介します。生物の分類体系が、どのように作られてきたかを、たどった本です。魚や獣、鳥などの分類です。世界各地の民族で、おおむね同じなのだそうです。もちろん、鯨を魚に分類したり、コウモリを鳥に分類する民族もあります。人類が暮らしていく上で、食用になるか、どのように捕まえるか、料理するかが重要で、その観点で生物を見てきたのでしょうね。
脳機能に損傷を受けた人に、生物についてだけ認識、分類、命名できない場合があるのだそうです。他方、生物は認識できるのに、無生物について分類、認識、命名ができない人もいます。これは、人類にとって、生物とモノがどのように関わっているかを示しています。モノの分類は、主に機能によって行われます。他方で、私たちは、ブルドッグでも、チワワでも、ダックスフンドでも、犬だと認識します。猫とも、ライオンとも違うことは、子どもでもわかります。しかし、犬を言葉で表現しようとしたら、とても難しいです。なぜ、4本足でよく似た形なのに、犬と猫は違うとわかるのか。チワワくらいの犬なら、ブルドッグより猫に似ているように見えます。不思議ですね。人類が何万年もかけて、そのような認識を生得的に受け継いできたのでしょう。
それが、リンネによって科学的な分類になりました。もっとも、その分類は従来の各民族の分類とほぼ同じです。その後、系統学や分子生物学によって、進化の認識と分類は大きく変わりました。鮭と肺魚と牛を並べると、私たちは鮭と肺魚を一括りにして、牛と分けます。しかし分子生物学が教える系統樹は、牛と肺魚はより近く、鮭は遠いのです。
筆者は、アメリカのサイエンスライターです。お母さんが日本人だそうです。読みやすい本なのですが、文章が少々冗長なのが、気になります。新書サイズばかり読んでいる者にとっては、この内容に350ページもかけるのかなあと、思います。すみません。

住宅と一緒にコミュニティを作る工夫

2015年2月3日   岡本全勝

1月30日に、福島でのコミュニティ復活交付金(第9回)の配分計画を発表しました。この交付金は、原発避難者で帰還を待つ人のために、町外で住宅を建設するためのものです。資料の参考3(p6以下)をご覧ください。住宅を建てるだけでなく、コミュニティを作るために様々な工夫をしています、いわゆるハードだけでなく、ソフトも組み合わせています。コミュニティ交流員の配置、交流会の開催、生活サポート拠点や診療所の整備など。行政も進化しています。

スイカの売れ行き予想

2015年2月3日   岡本全勝

東京駅記念スイカ(ICカード)の申し込みが約170万枚に上っていると、各紙が伝えています。昨年12月20日にこのスイカを売り出した時に、購入希望者が東京駅の窓口に殺到して、大混乱になりました。ニュースでご覧になった方も多いでしょう。そこで、売り出しを中断し、改めてホームページや郵送で受付をしていました。当初発行予定枚数は1万5千枚、予定を変更して10万枚まで増やす予定でした。1人3枚までだそうでです。ところが、応募数は170万枚になりました。受け付け開始3日間でです。当初予定の100倍です。これはすごい。消費者の予測は、できないものですね。

税制の社会的機能

2015年2月2日   岡本全勝

毎年末に税制が議論され、改正方針が決まります。もちろん、どれだけの税収を得るかという課題の他に、社会の変化にどう対応するか、またその税制によって特定の政策を誘導することが課題になります。
ところで、かつて「庶民の税金を安くするために、大企業に多く課税すればよい」という主張がありました。今となっては、お気楽な主張でした。近年のように、企業が国際的に活動するようになると、法人課税を高くすると、企業は本社や工場を国外に移転させます。よって、各国で法人課税の引き下げ競争が起きています。
「金持ちから取ればよい」という主張もありました。これも、同様です。あまり高くすると、金持ちは国外に逃げるでしょう。いえ、既に逃げている人もいるようです。しかし、格差問題が焦点になっています。その際には、所得(稼いだ額)に対しどのような累進税率にするのか、資産(持っている財産)に対してどのような税金をかけるかが、課題になります(ピケティ氏の主張)。
このほか、排気ガスがクリーンな車の税金を安くして環境に優しくすること。住宅ローン控除を多くして住宅建築を促進すること。企業誘致や投資のために減税が利用されることなど。税金の社会的機能は多岐にわたっています。配偶者控除が専業主婦に有利になっていること、またその控除金額がパートに出るか出ないかの決め手になることも指摘されています。関税が、収入確保より国内産業を保護の観点から議論されること(TPP交渉)。住宅が建っている土地の固定資産税を減免していますが、このことで空き家がそのまま放置されます。
意図した社会的機能とともに、意図せざる機能もあります。税制の教科書や解説書には、どのようなモノやコトにどれくらいの税金をかけるか、そしてどれくらいの税収が上がっているかが解説されていますが、このような説明も必要です。

福島復興の会議

2015年2月1日   岡本全勝

今日は、福島市で、午前中は原発避難12市町村の将来像検討会、午後は国と地方の協議会でした。日曜日なのですが、大臣や首長、有識者の日程を調整すると、今日になりました。皆さん忙しいので。
これらの会議は、当初から現地福島で開催しています。国と地方の協議会には、復興大臣、経産大臣、環境大臣の他、それぞれの副大臣と総務大臣政務官も出席しました。個別の事案、またそれぞれの自治体には、この3省及び関係する省の職員が、しばしば説明に行きまた意見を聞いています。しかし、このように大臣が揃って現地で意見を聞くことは、重要な意義があります。何が進んでいるか、逆に何が進んでおらず課題になっているか、関係者の問題関心はどこにあるのかが、共有できるのです。締めの挨拶の中で、内堀知事が、「国と地方とでキャッチボールができるようになった。投げた球(課題、要望)が、的確に返ってくるようになった。予算、福島特措法改正、再生エネルギー問題など。すべて実現したわけではないが」との発言をされました。大臣からも「厳しいが内容のある意見交換ができた」との発言がありました。実のある会議でした。
朝は、荒川を渡る頃から、西に雪をかぶった富士山がくっきり見えました。帰りは、夕焼けの中に、きれいなシルエットが浮かんでいました。福島県内は、雪景色でした。