岡本全勝 のすべての投稿

10月も終わり

今日で、平成24年10月も終わり。今回も書くと、職員に笑われるので、「いつの間に、終わったのだ。私の許可もなく」とは書きません(といって、書いてしまいました。笑い)。

世界の金融決済を支える仕組み

10月29日から大阪で、金融業界で世界最大規模の国際会議「Sibos(サイボス)」が開かれています。主催者は、国際銀行間通信協会(SWIFT、スイフト、Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)です。
世界各国の金融機関の決済を行う通信網を、運営している組織だそうです。200か国、1万を超える金融機関が使っていて、1日あたり1,500万件の送金をしているそうです。本部はベルギー、幹部はオランダ人のようです。利用者は、イギリスとアメリカがダントツです。もっとも、国内取引に利用している国もあり、日本のように国内取引は別のシステムを使っている国とは状況が違います。
ここで取り上げたのは、これが純粋に民間の仕組みということです。この決済システム(正確にはそれを運んでいる通信システム)がなければ、現在の国際金融は成り立ちません。あるいは、危険きわまりないでしょう。民間が提供する「国際公共財」「国際的共通資本」です。

消費者のゼロリスク志向が、生産者を苦しめる

10月30日の毎日新聞が、「苦悩する福島県の農水産業者 風評被害克服へあの手この手」を書いていました。
・・東京電力福島第1原発の事故から約1年半。福島県産の農産物や魚介類などに含まれる放射性セシウムの汚染レベルはかなり低くなっているが、依然として福島産への風当たりは強い。産地では風評被害を払拭しようと、検査体制の強化や測定結果の公表などに取り組んでいる・・
福島県も、品目ごとにセシウムの数値が分かるモニタリング検査の結果をホームページで公表している。しかし、桃の出荷価格は市場の相場より2割程度安い。福島産に対する敬遠ムードは依然として根強い・・
消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」の市川まりこ代表は「私たち消費者側の行き過ぎたゼロリスク志向が検査費用を増やしたり、生産者を苦しめたりしている側面もあることを自覚したい」と話す。安全と安心に対する消費者側の意識も問われている・・

村による村民向けリスクコミュニケーション

10月26日の読売新聞夕刊が、「福島県飯舘村が、日常生活への放射線の影響をわかりやすく伝える新聞を創刊した」ことを、伝えています。「かわら版道しるべ」です。
村が企画して、子育て中の親や、放射線の専門家が作っているそうです。読んでみると、わかりやすい工夫をしてあります。ありがとうございます。
申し訳ありません。いわゆる「リスクコミュニケーション」は、本来、国や東京電力が、わかりやすい説明をすべきです。もっとも、「国や東電は、住民に信頼されていないから・・」と指摘する人もいます。残念ながら、正しい部分もあります。村の広報の方が、信頼度は高いでしょう。もちろん、内容によります。

総理所信表明、復興は企業やNPOとともに

藤沢烈さんの10月30日のブログに、野田総理の所信表明演説が、紹介されています。気がつかれましたか、復興に際して「企業やNPOとも連携する」と総理が述べておられることを。
10月29日の総理の、所信表明演説のうち「被災地の復興と福島再生を途切れさせない」の、次のくだりです。
・・活力ある故郷を甦らせるために奮闘する住民と自治体の努力を、企業やNPOなどとも連携しながら、政府一丸となって支えてまいります・・
政府だけでなく、企業やNPOの役割も重要だと認めた、結構、意味のある歴史的な文章だと思います。