岡本全勝 のすべての投稿

2時間半並びました。鳥獣戯画

今日は午後から、「鳥獣戯画展」(東京国立博物館)を敢行。6月7日で終わるので、あと2週間しかありません。平日はとても無理なので、土日しかありません。すると、ほとんど行ける日がありません。
先週17日の日曜日に、息子に誘われて「大関ヶ原展」(江戸東京博物館)に行ったのです。数週間前に出かけていったのですが、余りの待ち時間に、あきらめて見ずに帰ってきました。17日はもう後がないので、前日に電子チケットを買い、当日朝9時半始まりのところ、8時半に並びました。これは効率的でした。もっとも、開館1時間前に並んでいるので、1時間待ちと同じでした。今朝も、その手を使おうと思ったのですが、いろいろやっているうちに時間が過ぎてしまいました。インターネットで調べたら、開館時点で、入場まで60分、お目当ての「鳥獣戯画甲」までさらに90分とのこと。昼に確認したら、入館に120分、「甲」まで160分とか。う~ん、東京中の人が上野に行っているのか。
よって、15時45分に東博に到着。この時間なら減っているだろうというもくろみです。入館は待ち時間なし。他の展示を見て、16時半に「甲」の列へ。少しは短くなっているかと思ったら、依然として160分待ちでした。「係員も少しはサバを読んでいるだろう」と期待しましたが、正確でした。150分(2時間半)並んで、3分間見せてもらいました。待っている間に、邪魔も入らず、少し硬めの本を読むことができました。照明が暗かったですが。こんなに並んだのは、「清明上河図」(2012年1月2日)以来ですかね。見終わったら、夜の7時過ぎでした。家に着いたら8時過ぎ。5時間、飲まず、トイレにも行かず、立ちっぱなし。
筆と墨で書いてある、勢いのある漫画です。かなりの達筆な人(当時は、僧侶か公家しかいませんが)でしょう。巻物になるのですから、何が物語り(ストーリー)があるのでしょうが。

民主主義という制度資本を支える、政治的成熟という関係資本

22日の読売新聞で、佐々木毅前東大学長が「中国反日デモ、政治的経験の質を問う」を書いておられました。
「・・同時にこの関係は日中を越えて世界の視線を浴び、世界のメディアの今後の継続的な監視対象となった。その結果、両国はとかく過去の歴史を材料にして現在や未来の日中関係を論ずるというこれまでのスタイルに代えて、現実を見据え、未来を展望した日中関係の可能な姿を責任を持って描かなければならない時代に入った。それは世界において適切な評価を受けるためには、両国政府は日中関係をより安定した関係に導く歴史的な責任を事実上負ったということである。」
いつもながら、鋭い指摘ですね。続いて、次のように書いておられます。
「その鍵を究極的に握るのは政治権力のあり方、政治参加のあり方である。」
「政治的な近代化とは大多数の人間が『現実』に自ら対面し、それなりの『現実』感覚を養い、その上で政治権力と向かい合うことを前提にしている。」
「政治的近代化は言われるほど容易なものではないし、一挙に実現可能なものではない。・・意識面や制度面での長い経験の蓄積なしには政治的近代化はその現実性を持ち得ない。それは政府と国民との一定の信頼関係を蓄積することによって初めて可能になる。」
そうですね。憲法や議会を輸入しただけでは、民主主義は根付きません。近代民主主義政治という制度資本が動くためには、関係資本や文化資本が必要なのです。それは努力と経験という蓄積から生まれます。
拙著「新地方自治入門」では、社会を成り立たせる社会資本として書きました(p199)。でも、こんな話って政治学の教科書には載っていないのですよね。

公共インフラの復旧進捗状況

公共インフラの本格復旧・復興の進捗状況を、定期的にパーセントで示しています。道路など14事業23項目です。このたび、平成27年3月末の数字を取りまとめ公表しました。ピンク色が完成済み、青色が着工済みです。
ほとんどの事業が、ほぼ完成に近づいています。時間がかかるのは、防潮堤の新設(海岸事業のうち復興分)、復興道路(道路の新設や改良。復旧は終わっています)などです。

足で取材して書いた復興現場の記事

朝日新聞の連載「けいざい深話。つなぐ復興」は4回連続でした。第1回目宮古市の「チーム漁火(いさりび)」は、すでに紹介しました。
第2回「仕事を取り戻せ、目覚めた若手」は、原発避難区域で操業を再開した、鋳物やさん。
第3回「世界一軽く薄い絹、総がかりで」は、じり貧の絹織物業界の中で、世界最薄の絹の商品化に成功した絹織物やさん。
第4回「福幸商店街、それぞれの決断」は、津波被災地での仮設商店街に入った商店の、本設店舗への移転でした。

マスコミは、「復興が遅れている」とか、とかく批判的な記事を書きがちです。特に、現場を見ずに、東京で書いている記事もあります。それを読んだ読者は、「復興は進んでいないんだ」と思い込みます。そして現場に行ったときに、現実を見て驚きます。
これには、定番の記事に慣れていて、批判的記事を「やっぱり政府はダメだ」と受け入れる国民にも、問題があるのでしょうが。
今回の企画は、現地を歩いて経営者に取材し、客観的・具体的に、復興の現実を書いていただきました。田中美保記者、ありがとうございました。

椿の剪定

今日、お向かいのSさんにお願いして、玄関横の椿の枝を剪定してもらいました。一昨年は、Sさんに手入れをしてもらい、去年はきれいな花をたくさん咲かせました。花が終わったら、チャドクガの毛虫が大発生したので、私が剪定しました。大胆に刈り込んだら、今年は花を一輪も咲かせませんでした。引っ越してきて9年。こんなことは初めてです。
で、今年は、プロにお出ましを願いました。そして、どのように切ればよいのか、指導を受けました。まず、去年は切る時期が悪かった。若葉の時期にやってはいけない。その他、絡み合っている枝をどう処理するか。そもそも、大きな刈り込みばさみでやっていたのが、失敗でした。
さらに重要なコツ。今年一年で形を整えるのではなく、来年を考えながら、切る枝と残す枝を選ぶのです。なるほど。その長期的視点が重要なのですね。これは、いろいろな場面で、応用できます。
お師匠様は、下の方のいくつかの枝には手を入れず、私に向かって「ここを残しておきましたから、やってみてください」と。う~ん、できた師匠です。私は切る前に「これは切って、ここを残すのでは、どうでしょうか」と、おそるおそる伺いを立て、採点してもらいました。その際も、「ダメです」とはおっしゃいません。
いや~、弟子を育てることが上手なお師匠さんです。私も見習わなくちゃ。もう遅いか。