市町村アカデミー、対面研修再開

新型コロナウイルスの感染が拡大していたので、市町村アカデミーでは集合研修を取りやめ、オンライン研修に振り替えていました。ようやく落ち着く気配が見えてきたのと、感染の疑いある人が発生した場合の対応が可能になったので、20日から、集合研修を再開しました。
感染者は出ないことが望ましいのですが、完全に防ぐことはできません。その際に、医療機関の受け入れが十分かどうかで、私たちの研修が左右されます。

「自治体ファイナンス基礎講座」(地方公共団体金融機構と共催)、「公営企業の経営」(総務省と共催)、「全国地域づくり人財塾」(総務省と共催)の3つです。それぞれ、所管組織や専門組織との共催です。それらの組織にとっても、良い講習の機会になります。この仕組みは、なかなか良くできています。

エリザベス女王のハンドバッグ

朝日新聞のウエッブニュース「エリザベス女王のハンドバッグ」(9月16日)から。

・・・英国のエリザベス女王の左腕に、いつもかけられていたハンドバッグ。亡くなる2日前、静養先のバルモラル城でトラス首相を任命した際にも、黒色のバッグがかけられていた。
女王はなぜバッグを持ち歩き、中には何が入っていたのだろう。
「王室の秘密は女王陛下のハンドバッグにあり」の著者の一人で、王室に詳しいジャーナリストのフィル・ダンピア氏は「女王は、ハンドバッグなしではどこにも行かない。ハンドバッグを持たないのは、バルモラル城のような完全にリラックスした環境のときだけだ」という・・・

ハンドバッグの中に何が入っていたかは、記事を読んでいただくとして。
・・・王室評論家のクリステン・マインザー氏によると、女王がハンドバッグをもう片方の腕に持ち替えた時には、「会話を中断してほしい」という侍女たちへの合図だったという。
会食の際にハンドバッグをテーブルに置けば、「あと5分で食事を終えたい」。床に置けば、「この会話はつまらないから助けて」の合図だったという。
「毎年何千人もの人に会う女王は、頑丈な正方形のハンドバッグを使って、他者と一定の距離を保ち『パーソナルスペース』を確保していた」とダンピア氏は説明した・・・

野中郁次郎先生『『失敗の本質』を語る』

この夏に、野中郁次郎著『『失敗の本質』を語る なぜ戦史に学ぶのか』(2022年、日経プレミアシリーズ新書)を読みました。

『失敗の本質』(1984年、ダイヤモンド社。中公文庫に再録)は、太平洋戦争における日本軍の失敗を経営学の観点から分析した名著です。読まれた方も多いでしょう。
太平洋戦争の敗戦については、たくさんの証言や記録が書かれていたのですが、作戦の失敗を客観的に分析したのは、この本が初めてでした。私も興味深く読んで、勉強しました。「日本軍は物量の差で負けた」といわれますが、ミッドウェー海戦では日本軍の方が上回っていたことなどは、初めて知りました。

今回の本は、その『失敗の本質』を主導した野中郁次郎先生が、同書誕生の背景や、その後の戦史に関わる研究の軌跡などについて語ったものです。野中先生の「私の履歴書」です。
先生が経営学を志した頃、日本の経営学は、ほかの社会科学と同じように外国の理論の輸入でした。そこで、先生は「独自の研究」を試みられたのです。また、経営学では成功した実例が取り上げられますが、失敗した事例は少ないのです。成功した会社は取材を受けますが、失敗した会社は拒否するからです。
新しい分野を切り開く人の苦労は、勉強になります。名著『失敗の本質』も最初は、出版社にいい顔をされなかったとのことです。

みっともない

いつものスマホ批判です。

歩きスマホで前の人とぶつかりそうになる人。周りの人に気づかないひと。これらは、他者に迷惑をかける「悪い人」です。「気配り破壊器
駅や電車の中で、ゲームに熱中して指を高速で動かしている人。漫画や映画にのめり込んでいる人。これらは、通行の邪魔にならなければ、周囲に迷惑をかけていませんが、その行動が「恥ずかしい人」です。
それらは各人の趣味ですが、人前で熱中することは、恥ずかしいことです。電車が到着した際に周囲に気を配らず、他人を押しのけて空いた座席に突進する(そして直ちにスマホを操作する)ことも、みっともないことです。

「してはいけないこと」の次に「気配りが足らない」があり、その次に「みっともない」があります。人前での行動の評価であり、作法です。
「迷惑をかけていないから良いでしょ」と答えるかもしれませんが、その行動は周囲から低く評価されます。あなたが結婚相手を選ぶとき、職員採用をするときに、順位は落ちるでしょう。

「みっともない」「はしたない」という言葉は、死語になったのでしょうか。皆さん、自分を美しく見せようと、化粧をしたり服装に気を遣います。なのに、そのような恥ずかしい行動には、気がつかないのでしょうか。礼儀作法を教える方法や機会はないものでしょうか。「公衆の場でのスマホ操作、両耳イヤホン」「君は間違っていない、しかし

故・古川貞二郎さん

今日は、古川貞二郎さんのお別れ会に行ってきました。私は、中央省庁改革本部事務局勤務(1998年~2001年)の際に、古川官房副長官にお仕えしました。

その時の仕事は、「省庁改革の現場から」(2001年、ぎょうせい)にまとめました。私たちの任務は、「省庁改革基本法」に定められた方針を、具体化するのが任務です。
事務局は、新しくできる各省を担当する班と、共通事項を担当する班などからなっていました。共通事項の3つは、「内閣および内閣と各省との関係など」「行政の減量(組織などの削減)」「独立行政法人の制度設計」です。
そのうち、内閣などは岡田秀一参事官(経産省、後に経済産業審議官)、独立行政法人は井手憲文参事官(運輸省、後に観光庁長官)で、減量担当が私です。組織削減の難しさは、日経新聞夕刊コラムにも書きました。「鯉が包丁を持つ」。

省庁改革本部は内閣直属だったので、参事官の私の上司は事務局次長・事務局長で、その上が副長官でした。
総理出席の会議で進捗を報告するとともに了解を得るために、事前に副長官に説明に行きます。「君たちも苦労するねえ」と、言葉をかけてもらいました。それだけなら、通常の上司と部下なのですが。
それぞれに難しい仕事で、そう簡単には行きません。会議の席でもそのような話が出ますし、この3人は率直に説明します。すると、後ほど、古川副長官からお叱りを受けます。それが重なると、この3人は自分たちのことを「しかられ3兄弟」と自嘲していました。

省庁改革本部に呼ばれた時、私は43歳。富山県総務部長からの転勤でした。
うまく進んだ話はほとんど覚えていないのですが、このような話は鮮明に覚えています。今となっては、懐かしい思い出です。