「新しい東北」復興・創生顕彰

「新しい東北」復興・創生顕彰の選定結果が、発表されました。どのような活動が選ばれているかは、資料を見ていただくとして。
地元では、こんな活動があるのだと、勉強になります。

半島移住女子 ペンターン女子」は、気仙沼市唐桑半島に移住した女性たちの活動です。ペンターンは、ペニンシュラにIターンしたという、造語だそうです。若い女性が増えて、その後続いて男性が来てくれると、うれしいのですが。この発想は、邪道でしょうか。
一般社団法人 ISHINOMAKI 2.0 」は、石巻市を舞台に、さまざまな人たちをつなげ、町を活性化しようとする活動です。一言で、何をやっているか説明しにくいです。

いろんな新しい挑戦がされています。

1900年、産業のロンドンではなく自由なパリに人が来る

12月22日の読売新聞、フランスのアニメ映画監督、ミッシェル・オスロ氏のインタビュー「アニメという仕事。人間の悪と戦う 機知と寛容」から。

・・・無論、それだけでは作品は成り立ちません。万博が開かれた1900年のパリを舞台に選びました。
フランスは1789年の革命以来、幾度か戦争を行い、輝いた瞬間もあったが、自滅に向かいます。決定的だったのは1871年の普仏戦争の大敗です。
ところが再興を果たす。世界の才能が大英帝国のロンドンではなく、パリに集う。なぜでしょう。精神の自由が求心力になったのではないかと私は推察します。報道の自由も重要でした。

パリは女性が社会の幾重もの束縛を解き、活躍した都でもあった。国際女優サラ・ベルナール、ノーベル物理学賞と化学賞を受けるポーランド出身の科学者マリー・キュリー、革命家ルイーズ・ミシェル――・・・

男と女は誤解して愛し合い、理解して別れる

12月19日の日経新聞に、ウイスキー「タリスカー」の全面広告が入っていました。「島地勝彦が語りかける、バーカウンターの嗜み」です。

その中に、「島地勝彦の格言vol.1」「男と女は誤解して愛し合い、理解して別れる」というコラムが載っています。ネタをばらしてはいけないと思いつつ、読む人は多くないと考えて、一部を紹介します。できれば、原文を読んで、楽しんでください。

バーに入ってきた男性客が、「将来を考えていた女性と別れた」と話します。
彼女とは、料理教室で出会った。趣味も味覚の嗜好も似ていたので、これが運命の人だと恋に落ちた。しかし、付き合うようになってからは、彼女は一切、手料理を作ってくれない。
「美食には興味はあるが、調理には興味がなく、自分では食事を作らなくてもすむように、料理男子を探していた」のだそうです。
島地さん」「島地さん、タリスカー

補足
この話の背景には、「夫婦では、女性が料理を作るもの」という、過去の「常識」があるようです。この話を、男女を入れ替えてみると、意味が違ってきますよね。(12月26日)

病院という「社会企業」

12月21日の日経新聞オピニオン欄、梶原誠コメンテーターの「日本こそソーシャル株式市場を 課題大国インドは先行」に、興味深い話が載っていました。

・・・インドの株式市場で、ある銘柄が脚光を浴びている。ナラヤナ・ヘルス病院グループだ。10月以降、株価指数SENSEXの上昇率が1割に満たないのを尻目に同社株は4割近く上昇した。「投資マネーは同社の安全性に賭けた」とは地元紙の解説だ。
同社はインドを代表する「ソーシャルビジネス」、つまり社会貢献を通じて成長する企業だ。マザーテレサの主治医でもあった創業者のデビ・シェティ氏の執務室には、「世界で最も深刻な問題は、最大のビジネスチャンスだ」と書いたプレートが飾ってある。

業務の効率化による格安治療で鳴らし、心臓移植の費用は米国の数%にすぎない。2016年の株式公開で得た資金で増床を重ね、貧困に苦しむ人々に治療の道を開いた。この3年で売上高は78%増、利益は3倍に膨らんだ。
インドは金融機関の経営悪化で貸し渋りが横行、景気が急降下中だ。それでも患者は治療に訪れる。マネーは景気に連動する株から景気悪化に強い「ディフェンシブ株」に乗り換える過程で、同社の社会的な価値に目をつけた・・・

日本では、原則として株式会社は、病院を経営できません。しかし、インドでは、株式公開で集めた資金で、貧しい人の治療を広げているのだそうです。こうしてみると、「株式会社だからよくない」とは少々短絡的ですね。