こち亀・秋本さん「会議は終わりを決めて」

11月13日の読売新聞「著名人の経済トーク」は、マンガ家の秋本治さん「定時勤務で「こち亀」200巻」でした。

・・・締め切りに追われ、血眼になって24時間描き続ける。マンガ家はそんなイメージが強いようですが、私は午前9時から午後7時の定時勤務で、睡眠もしっかり取ります。アシスタントはタイムカードで出退勤を記録し、残業はありません・・・

・・・集英社「週刊少年ジャンプ」に連載を始めてからの1年は、仕事がいつ終わるのか、自分でも分からない状態でした。締め切りに追われて常にギリギリ。徐々につらくなり、きちんと休みが欲しくなりました。
そこで2年目からスケジュール管理を徹底しました。作業工程を把握して無駄を省き、少しずつ仕事のスピードを速めていったのです。仕事をしないでコーヒーを飲んだり、部屋の掃除を始めたりと逃げることもやめ、座ったら鉛筆を握って仕事を始めてしまう。
余裕が生まれれば、必要なところに時間をかけられます。作品を充実させるための取材や、読み切りの新作にも取り組めます。
締め切りギリギリまで徹夜して仕上げるのを評価する考え方も、あるとは思います。少年ジャンプのスポ根マンガのような、「あきらめるな。最後の最後にどんでん返しだ」という感じでしょうか。ただ、なかなか現実には起こらない・・・

・・・日本人は開始時刻には厳格なのに、終了時刻はいいかげん。打ち合わせや会議がそうです。私は終わりの時間をあらかじめ決めておき、結論が出なければ「また次回」と、打ち切ります。
人間の集中力は1~2時間が限度でしょう。3時間で何も出なかったら、お互いその3時間を無駄にしてしまうわけです。
そんな時は、次回までに絵や企画など具体的なたたき台を用意します。会話だけでは一歩も進まないからです。意見が割れても、自分の考えを強引に押し通そうとは思いません。とりあえず折衷案を作り、もう一度議論する方が建設的です・・・

ヒトラー、ドイツの弱さについての悲嘆

11月10日の読売新聞言論欄、ブレンダン・シムズ、ケンブリッジ大教授の「民族主義とポピュリズム 現代に潜む ヒトラーの影」から。

・・・20世紀の独裁者アドルフ・ヒトラー(1889~1945年)は21世紀の今も人々の興味を引く存在です。
偏執的な人種主義者で、ユダヤ人を憎み、大虐殺した悪人です。残念ですが、究極の悪には人々を魅惑する何かが潜むものです。
物語性にも富んでいます。つつましい出自ながら、第1次大戦に敗北したドイツで政党指導者となり、洗練された文化を持つ国を全体主義国家に作り替え、欧州の広大な領域を一時的ではあるが支配した。ナポレオンを別にして、ヒトラーは近代以降、最も際立った為政者と言えます。加えて、ナチスは行進、音楽、映画などに意匠も凝らした。テレビ、映画向きの題材です・・・

・・・その結果、私に見えてきたヒトラーは定説とは違いました。
ヒトラーが最大の脅威と受けとめたのは何か。定説によれば、第1次大戦末期に出現したソ連であり、共産主義です。私の考えでは、世界を動かしていた米英両国であり、米英のよって立つ国際金融資本です。ナチスの全体主義はこの最大の脅威に対抗する、ヒトラー流の答えでした。ヒトラーは金融資本を握るユダヤ人を嫌悪し、反ユダヤ主義に染まります。
ヒトラーの原体験は、志願して出征した第1次大戦です。英軍と戦い、敗走します。大戦末期には米軍とも遭遇します。敗戦でヒトラーが心に刻んだのは、米英両軍の圧倒的な強さでした。ヒトラーは米英を妬み、憎みます。

心の底にあったのは、対照的に、ドイツの弱さについての悲嘆です。そこから妄想混じりの信念が作られます。
ドイツの最も良質な国民たちは祖国を見限って米国に移民し、米国を豊かにし、戦争になれば兵士となって祖国を負かしにやって来る。彼らが祖国から出て行くのは、領土の不足するドイツには自分たちを養う余地がないと判断するからだ。最良のドイツ人の流出をくい止める喫緊の対策は、東欧にドイツの「生存圏」を確保することだ――・・・
・・・日本の41年の対米英開戦を受けて、米国が参戦した結果、ヒトラーの憂慮は現実のものになりました。欧州の空と陸で米軍を指揮した2人の司令官はいずれもドイツ系移民の子孫でした・・・

カシューナッツの木

カシューナッツって、ご存じですよね。それが、どのように木に実っているかご存じですか。テレビを見ていて、びっくりしました。というか、笑ってしましました。
インターネットで検索したら、出てきました。「」「その拡大」。

果実と見える下に、木の実のようなものが着いています。まるで、キノコの帽子をかぶった、こびとさんの顔です。少し怒った顔に見えます。それが、木の枝からいくつもぶら下がっています。
赤や黄色の帽子部分は、リンゴに似ているので、カシューアップルと呼ぶのだそうです。「カシューナッツの木

あなたは知っていましたか。世の中には、知らないことがたくさんあります。

大震災の被災地産食品、残る輸入規制

11月10日の日経新聞が、「被災地産食品、進む規制緩和 輸入停止、残るは5カ国・地域 中国への働きかけ強化」を伝えていました。

記事に着いている図が、わかりやすいです。原発事故後に輸入規制をかけた国は54です。現時点では、完全撤廃したのが33、検査証明書添付などの限定規制が16です。
輸入停止を含む規制をかけているのは5カ国、韓国、台湾、中国、香港、マカオです。

外務省のホームページ資料

古道具屋さん

散歩の途中で寄り道をして、本屋を覗きます。そのほかに時々、古道具屋、リサイクルショップを覗くことがあります。古道具屋と言っても、古美術ではありません。日用雑貨などを置いている店です。
和洋の湯飲み茶碗を、買うことがあります。職場で使うためです。自分で飲むために、あるいはお客さんに出すために、少々きれいな意匠のものを使いたいのです。

かつては、立派なのを使っていたのですが、これは良くないと気がつきました。高価だと、秘書さんが扱いに気を遣うのです。陶器は使っているうちに割れる、消耗品です。自分で洗うなら良いですが、秘書が洗ってくれるのに、気を遣わせてはいけません。
そして、マーフィーの法則は、ここでも当てはまります。そうです、高価なものほど良く割れるのです。そこで、古道具屋で安くて良さそうなのを買っています。そして、職場に補給します。

最近も散歩の途中で、良い紅茶茶碗を見つけました。お皿が付いて1客○百円。それが3つ揃いで。横には、値段がもう一桁上の高価なブランドものもありました。
お店の人に、「こんなに安いのは、何か訳があるのですか」と聞くと、「ないですよ。5客そろっていないので、この値段です。箱も付いていないので」とのこと。
上に書いたような事情を説明すると、「そうなんですよね。どこのご家庭でも、高価なものはもったいないと思って、戸棚の中に眠っているでしょう。たぶん、一生使わないのでしょうね」と笑っておられました。