荷物が増え鞄が大きくなっている

10月6日の日経新聞文化欄、恩田陸さんの「荷物が重い」が、面白かったです。
・・・私の記憶では、当時(恩田さんがOL時代、バブル期と書いておられます)は会社の先輩方を含め世間一般(むろん、職種にもよるのだろうが)、皆荷物が少なかったように思う。男の人たちはほぼ手ぶらだし、お姉さま方のハンドバッグはおしゃれで小さく、なぜあんな小さいバッグに全てが収まるのだろうとずっと不思議に思っていたものだ。
ところが、携帯電話が登場し、ノートパソコンが個人に普及し始めた辺りから皆がカバンを持つようになった。そのカバンも、じわじわと男女を問わず大きくなっていった気がする。ペットボトル飲料が登場し、気軽に持ち運べるようになったことも大きい。
現在、街を歩けば老若男女を問わず、リュックサック率の高さに驚く。しかも、どのリュックもかなりごつくてボリュームがある。かつてリュックサックと言えば、登山、ハイキング、買い出し。重い荷物を象徴していたが、確実に現代人の持ち物は重くなっている・・・

・・・そう、私のリュックは今も重い。けれど、それは今でもやはり本とノートのアナログの重さだ。どういうわけか、本の重さは気にならないのに、パソコンや端末の重さはひどく堪えるのである。なので普段はなるべく携帯電話以外持ち歩かないようにしている。しかし、数日間家を留守にしなければならない時は、パソコンを持ち歩かなければならないのが憂鬱だ。それはつまり、充電器やアダプターなどの付属品を持ち歩かなければならないということである。
最近、私は本体よりもそれらの付属品が苦手だということに気付いた。思うに、どれもケーブルでコンセントに繋げて電気を請わなければ使えないという、文字通り「紐付き」であるところに、何かに支配されているような抵抗を感じているのかもしれない・・・

同感です。前段の、30年前に比べて、男性も女性も鞄が大きくなったのは、なぜでしょう。
後段の、パソコン本体より充電器などが重いのは、旅行の旅に実感しています。パソコン本体は軽いのを選んだのですが・・。

原発被災地での新たな農業参入

東北農政局の「震災復興室だより」9月号は、被災12市町で新たに農業をはじめた方の特集です。
詳しくは、それぞれの記事を読んでください。皆さん、厳しい条件の下で、頑張っておられます。

ここでわかることは、園芸作物には技術が必要で、米作りには大規模化が必要だということです。
かつての農業は、農家の息子が、田んぼとともに親の後を継ぎました。そして、受け継いだ農地で米を作ったのです。しかし、この半世紀の間に、大きく様変わりしました。稲作は生産効率が上がり、また相対的に価格が下がったので、昔ながら小規模農家では食べていけません。稲作で食べていくなら、大規模化が必須です。家業から事業に転換する必要があります。
他方で、園芸作物は高く売れます。しかし、片手間仕事でできる稲作と違い、技術、資本、そして毎日の労働が必要です。簡単な作業ではないのです。

毎年の新規営農者は、とても少ないです。家業を子供が受け継ぐという旧来の意識では、成り立たなくなっています。ここに、日本の農政の失敗があります。
事業として、従業員を雇って経営するという、発想と仕組みに変えていく必要があります。この半世紀に、日本が経験した「社会の転換」の一つの要素です。そして、手当てが遅れました。
家業から事業への転換が必要だということは、商工業でも同様です。商店街の個人営業の店がなくなり、チェーン店に変わっているのです。

電子メールアドレスの変更

職場の電子メールアドレスを、変更する必要ができました。他人のアドレスになりすまして、迷惑メールを出す悪人がいるそうです。
新旧のアドレスを並存することができず、ある時点で旧アドレスが使えなくなります。外部から、旧アドレスに送られても、受け付けないそうです。そこで、切り替え時までに、関係者に新アドレスを知らせる必要があります。これは、結構面倒です。

パソコンには、いただいたメールのうち、最近のものを残して、残りは削除してあります。この残っているメールに返信を打つ形で、変更のお知らせをしています。その数が、とんでもない数なのです。いろんな人とつきあっていることが、今更ながらわかります。仕事でのつきあい、マスコミの人たち・・。私の財産です。
メールでやりとりする人たちの名刺は捨てることにしているので、残っているメールアドレスが、ほぼ唯一の連絡方法です。
私から連絡する際には、何らかの方法で相手への伝達方法を探すでしょうが。相手さんからすると、いつもと同じように私宛にメールを送るのに、それが届かないのです。もう一度、私の名刺を見てそのメールアドレスに打っても、届かない。これは、困るでしょうね。

公務員をはじめ、多くの職業人にとって、職場の住所と電話番号は、秘密ではなく公開されています。営業の方は、名刺を配ることも仕事の一つでしょう。
今や、電話番号よりメールアドレスの方が使われます。名刺にも書いてあるでしょうから、公開情報です。
しかし、住所や電話番号と違い、インターネットを経由して、悪さをする輩がいるのです。メールアドレスを非公開にするわけにはいかず、防御を固くするしかないようです。

多くの人は、私のホームページをご存じですので、そちらから(この画面の右上)連絡を取ってくださるでしょう。名刺も刷り直します。

本作り、編集が雑に?

10月7日の日経新聞文化欄に、びっくりする記事が載っていました。
相次ぐ誤記や捏造なぜ……揺らぐ書籍の信頼 出版点数増、編集現場にしわ寄せ」です。取り上げられた2つの出版社とも、日本を代表する本屋さんですから、驚きは大きいです。

深井智朗さんの事件は、新聞で大きく取り上げられたこともあり、知っていました。同氏の『プロテスタンティズム – 宗教改革から現代政治まで 』(2017年、中公新書) は、良い本だと思い、このホームページでも紹介しました。
池内紀さんの『ヒトラーの時代』(中公新書)も、つい最近、このホームページでも紹介しました。67項目もの訂正があったとは。

・・・書籍の信頼を揺るがす事案が続く背景には、厳しい出版状況がある。出版科学研究所のデータによると、18年の書籍の販売額はピークの1996年から36%減った。逆に新刊点数は13%増。刊行点数を増やして売り上げ減を補う負のスパイラルに陥っている。
その無理のしわ寄せが編集現場に及び、品質低下を招いている。校正プロダクションの聚珍社では「以前は出版社から2回の校正作業を依頼されていたが、最近は初校だけという仕事が増えてきた」(鬼頭大介社長)・・・

本を読んでいて、時に誤植などに気がつくことがあります。重大なものは、出版社に電子メールで報告することもあります(山川出版の例)。
しかし、多くは読み飛ばしているのでしょうね。まあ、寝る前に布団に寝転がって読んでいますし、精読ではなく飛ばし読みが多いですから。

紛らわしい活字

先日の経験です。ある手続きをすることがありました。会社から、「パソコンかスマホか郵送で手続きしてください」と郵便で連絡が来ました。
パソコンが便利なので、挑戦しました。ところが、入るべき画面のURLがとても長いのです。アルファベットの大文字小文字、数字、符号が並んでいます。電子メールでこの通知が来たなら、それをコピペするのですが。紙で通知が来ているので、手で入力します。

困ったのは、Il1の3文字です。この3文字のうち、1文字目と2文字目が何か分かりますか。Lの小文字か、iの大文字か分かりませんよね。字が小さいと、3文字目が数字の1であるかも分かりにくいです。何回か変えてみて挑戦しましたが、だめでした。
正解は、1文字目がiの大文字、2文字目がLの小文字です。
仕方ないので、メールで問い合わせて、URLとパスワードを、電子メールで送ってもらいました。

そのあと、別の案件で、英数を並べる必要がありました。担当職員が、Ili1が入った案を作ってから、自ら「これは分かりませんね」と言って、ほかの英数に変えてくれました。
7と1も、手書きだと区別しにくいです。ヨーロッパでは、7に横棒を足して書くことが多いですよね。
いまさらアルファベットを変えるのは難しいのでしょうが、将来のことを考えると、区別できるようにした方が、間違いが起こらないと思います。