みんなの力で古文書を解読する

7月25日の朝日新聞科学欄「防災へ、みんなで古文書読み解く」が、興味深かったです。
古文書を読解することは、難しいです。それも公文書なら楷書で書かれていますが、日記などの類いは筆者のくせ字や崩し字があります。文化教室で、古文書を読む講座もあるようです。

この記事に紹介されている「インターネットを使って、みんなで古文書を読む仕組み」(みんなで翻刻)は、良くできた仕組みですね。
インターネットで古文書を公開し、市民が協力して少しずつ解読していきます。読めたところだけ入力します。残ったところを、別の人が解読して埋めていきます。
インターネットを活用した、市民参加型の解決方法です。会場に行く必要もなく、好きなときに、好きなだけ参加できます。
この方法は、ほかにも活用できそうです。

野党、政権交代への道筋

7月26日の読売新聞解説欄「野党 体勢を立て直すには」、砂原庸介・神戸大教授の発言から。

・・・投票率が50%を切った背景に、有権者が投票先を選ぶ手がかりが乏しいことがあるのではないか。各政党のラベル(名前)は本来、投票の有力な手がかりになるはずだ。しかし、野党が非常に弱く分裂しており、野党のラベルは手がかりにならなかったのだろう。
候補者についても、その属性が決定的な手がかりにはなりにくくなっている・・・

・・・他方、障害やLGBT(性的少数者)などの属性が手がかりとして注目される候補も少なくなかった。当選した彼・彼女らが、国会に当事者としての視点を持ち込むことは極めて有意義だ。ただ、マイノリティーの当事者だけがその集団を個別的に代表できるとする発想には注意が必要かもしれない。個人の属性と政策への志向を結びつけるだけでなく、政党という集団と、それが生み出す政策への志向を通じて「多様性」を表現すべきだろう。マイノリティーの代表を選択することだけが「多様性」への配慮だとされると、有権者も戸惑うのではないか・・・

・・・野党にとって安倍首相は打ち勝つべき敵かもしれない。しかし、その反対を意識しすぎて、自らの立ち位置が不明になっていないか。政権がやることは全て悪いとすると、あなたがたが政権を取ったらどうなる、と同じ質問がくる。「モリカケ」に象徴される不透明性など政権の問題はあるが、0か1かの対比ではなく、政権党と野党とを並べて優劣を測る共通の尺度を示せていない・・・

キュウリビズ

キュウリビズ」という言葉をご存じですか。夏にキュウリの生産が盛んな東北6県の農協が、「クールビズ」からヒントを得て始めた取り組みです。
キュウリは、体を冷やす効果があるそうです。環境省も応援しています。

京浜地方では、この時期に福島県産のキュウリが4割を占め、東北産だと9割にもなります。(風評も関係ないということですね。良い品で、競争相手が少ないと、売れます。ありがたいことです)

不思議な看板、英語崇拝

先日、不思議な掲示板を見ました。駅に入っている商業施設の通路です。畳半分くらいの大きさです。
掲示板の上部に、「Recruit Board」と書いてあります。日本語の表題はありません。その下に、施設に入っている各店舗の「求人票」が、いくつか貼り付けてあります。その求人票は、日本語で書いてあります。

応募する人は、英語が母語の人より、日本人か非英語圏の人が多いと思います。貼ってある求人表は、日本語で書いてありますから。
この掲示板の英語の表題は、誰に向けて書いたものなのでしょうか。

東北・夢の桜街道推進協議会で講演

今日は、「東北・夢の桜街道推進協議会」でお話をするために、山形市に行ってきました。勤務先の福島市から、転戦です。

今年2月にも、シンポジウムに呼ばれたのですが、今回は年次総会で、復興での民間の役割と、今後の推進協議会のあり方について話せとのことでした。協議会は、信用金庫が主な支援者となり、数多くの関係者のおかげで、運営されています。当初から10年間の約束です。ということは、あと1年半で終了します。

関係者は、「10年続くとは思ってもいなかった」というのが本音のようです。ところが、桜を主題にして観光客呼び込みをしたことが、大成功につながりました。震災で落ち込んだ観光客を取り戻すだけでなく、ちょうど外国人観光客を日本に呼び込む運動と同調することになったのです。関係する国の機関や、企業などが、様々な形で協力しています。
国にとっても、自治体にとっても、業界にとっても、観光振興の受け皿として、有用な組織になっているのです。
通常このような協議会は会員が多くなると「有名無実」になることが多いのですが、この協議会は関係会員の多さが武器になっています。あと2年でやめることなく、何らかの形でこの「連携」を続けてもらいたいです。
施設は一度つくると続くのですが、このような「組織と運営」は続けないと消滅します。もったいないです。

先週の金曜日は甲府市、月曜日は新潟市、そして今日は山形市です。