高野山東京別院

高野山。和歌山県にある、空海が開いた山の上の仏教都市です。空海(弘法大師)が開いた金剛峯寺なら、日本史で習いましたよね。
関東の人には、あまり知られていないようですが。関西では、知らない人はいないでしょう。私もこどもの頃、親に連れられていきました。
先日「ブラタモリ」で3回にわたって取り上げられたので、見られた方も多いでしょう。

その高野山に、東京出張所があることをご存じですか。高野山東京別院です。
高野山は、江戸時代2万石の所領を持っていました。石高は十分な「大名」です。よって、参勤交代を命ぜられていたのです。その江戸屋敷です。明治時代になって、お寺になりました。
なかなか立派なお堂が建っています。地下には、東京電力の変電所があるのだそうです。これもびっくり。でも、合理的な考えですよね。広い敷地があって、地下は利用しないでしょうから。

犬丸淳著『自治体破綻の財政学』

犬丸淳・島根県環境生活部長が、『自治体破綻の財政学 米国デトロイトの経験と日本への教訓』(2017年、日本経済評論社)を出版されました。
犬丸君は、1997年採用の自治省(総務省)官僚です。ニューヨーク勤務の際に、デトロイト市の財政破綻を研究し、論文を発表してきました。本書は、その成果をまとめたものです。450ページに上る大部な本です。

人口70万人、かつては自動車産業で栄えた大都市が、2013年に180億ドル、約2兆円の負債を抱え財政破綻しました。市はその後、連邦破産法の適用を受け、財政再建の道を進んでいます。
企業ならば、清算して会社を解散することができますが、自治体はそうはいきません。住民を抱え行政サービスを提供しなければならない自治体が財政破綻した場合に、どのようにするか。アメリカでは、その後も自治体の財政破綻が起きています。
日本でも、夕張市が同様な状態に陥り、再建が進められています。
本書では、夕張市との比較もされています。ご関心ある方は、一読ください。

困った客2

11月17日の日経新聞が、「百貨店やスーパーなどの従業員の約7割が客から暴言や暴力などの迷惑行為を受けている」と伝えていました。労働組合が5万人を対象に実施した実態調査です。
多いのは「暴言」(27.5%)、「同じクレームを繰り返す」(16.3%)、「説教」(15.2%)などです。「セクハラ行為」(5.7%)や「土下座の強要」(1.8%)などもあります
客に「バカ」「死ね」と言われたり、機嫌の悪い客から買い物カゴや小銭を投げられたりした事例。客に20分以上謝り続けたり、3時間以上説教を受けたりしたという従業員もいたとのことです。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第8回目

10日金曜日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第8回目でした。
先週の地方財政計画の解説に続き、今日は地方交付税の解説をしました。この分野は、かつて私の専門分野でした。説明に力が入ります。
詳しく話すと複雑になるので、なるべく簡単に話したつもりですが。

学生のアンケートをみると、地方交付税の算定方法は、理解してもらえたようです。地財計画の歳入歳出を1700団体に輪切りにしたのが、基準財政需要額と基準財政収入額であること。多くの自治体が交付税の交付を受けていることや、不交付団体がどのような税源で税収が多いかなども。
基準財政収入額の算定の際に、税収の全額ではなく75%を算入することについて。「難しかった」という人は、例えば神野・小西『日本の地方財政』p104以下を読んでください。

学生諸君
来週24日は、学園祭でお休みです。次回(12月1日)授業は、この積み残しをお話しした後、地方債の話に入ります。準教科書は、地方債の部分を読んできてください。

国立公文書館展示

国立公文書館では、18日から秋の企画展示「江戸の花だより」を開催します。
「えっ、これが公文書」と思われる方もおられるでしょう。
重要文化財「庶物類纂図翼」をはじめ江戸幕府、明治初年の内務省、農商務省などが収集した植物図譜の佳品が並び、日本本草学の流れを追うことができる展示となっているそうです。
「題名とリンク先の展示案内から想像されるよりは、ずっと面白い展示になっている」と関係者は言っています。
無料です。ご関心ある方は、ご覧ください。皇居の北、竹橋駅から近くです。