重力波

昨日に続き、ノーベル賞の話を。2017年の物理学賞は、重力波を世界で初めて捉えることに貢献したアメリカの研究者が選ばれました。
先日、出版されたばかりの、高橋真理子著『重力波発見! 新しい天文学の扉を開く黄金のカギ』(2017年、新潮選書)を読んだところでした。

宇宙(大きい世界)や物質(小さい世界)がどうなっているのか、どうしてできたのか、知りたいですよね。また、人体はどうなっているのか、意識はどうしてできるのか。で、時々自然科学の本、といっても専門書でなく「読み物」を読みます。
この本も、朝日新聞記者が書かれたものなので、読みやすかったです。でも、「わかった!」とはなりません。古事記や日時計まで出てくるのです。う~ん。アインシュタインの相対性理論も、読む度に分かったような、分からないような・・・。時間と空間がゆがむと言われても、ぴんときません。

それより、どうして重力(引力)が働くのか。目に見えない「こびとさん」(粒子)が引っ張り合っていると思うのですが。重力子が発見され、私の目に見えたら、「なるほど」と納得するでしょう。

慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ第3回目

今日は、慶應大学で地方自治論Ⅱの第3回目でした。
前回、予算の概要を説明しました。相模原市役所から提供いただいた冊子は、学生から「わかりやすかった」との評価でした。
予算書で見えることと見えないこととあわせて、フローとストックを説明しました。「今まで分からなかったのが、分かりました」と書いた学生がいました。経済学や財政学を履修していないと、知らないでしょうね。

今日は、予算の機能をお話ししました。機能の一つは、税金を中心とした歳入と歳出予算によるサービスの執行、資金の調達と支出という観点です。これは経済(学)です。もう一つは、住民の要望、議会による審査(予算案と決算)という、民主主義的統制です。これは、政治(学)です。
「地方財政」の「財政」は、経済(財)と政治(政)の結節点です。主体と作用を図示したので、学生からは「わかりやすかった」との感想をもらいました。経済学、財政学における「地方財政の地位と役割」は、地方財政学の主要論点の一つなので、日を改めてじっくり説明しましょう。

カズオ・イシグロさん『日の名残り』

今年のノーベル文学賞が、イギリスのカズオ・イシグロさんに決まったとのことです。
私は、小説はめったに読まないのですが(そこまで手が回らない、時間がない。小説より現実世界の方が面白いので)、『日の名残り』は読みました。かなり昔のことです。本棚を見たら、(見えるところに)残っていました。

多分、書評か何かで触発されて、読んだのでしょう。イギリスのよき時代の邸宅や執事の仕事を知りたいという好奇心もあっと思います。あらすじも覚えています。読みやすく(翻訳も良く)引き込まれて、読み終えた記憶があります。しんみりした印象が残り、良い小説だと思いました。
それ以上の解説をする能力はありませんので、それぞれお読みください。

砂原教授の本と論文紹介

砂原庸介教授の著書と論文が、先週末の新聞各紙の論壇時評と読書欄で紹介されていました。9月28日朝日新聞の論壇時評(小熊英二さん)、9月30日日経新聞の論壇時評(土居丈朗さん)、10月1日の読売新聞読書欄(奈良岡聰智さん)です。すごいですね。

著書『分裂と統合の日本政治ー統治機構改革と政党システムの変容』(2017年、千倉書房)は、このページ(2017年7月9日)でも紹介しました。国政と地方政治の関係、その不十分さを指摘したものです。日本の政治のあり方を考える際に、忘れられている視点だと思います。