復興推進会議

今日10月16日、総理官邸で復興推進会議を開催しました。総理の言葉にもあるように、被災地では住まいの再建が本格化しています。引き続き、住宅再建を進めるとともに、産業・生業の再生や、コミュニティの形成支援などが必要です。福島についても、田村市、川内村、楢葉町の避難指示が解除されるなど、復興に向けて着実に進展しています。資料はこちら。特に、復興大臣が報告した、「復興加速化への取り組み」が、11枚にまとめた、簡単な進捗状況と主な取り組みです。参考にしてください。
復興加速化への取り組み」のp4「住まいの確保に関する事業の見通し」をご覧ください。高台移転(集団移転)と現地かさ上げ(区画整理)による宅地造成や公営住宅建設という、住宅関係の事業の市町村別見通しです。55市町村(原発避難区域を除く)のうち、今年度中に37が終了し、遅い自治体(大きな被害を受けた自治体)も平成30年度には終了します。ただし公営住宅は完成すると入居できますが、宅地造成は事業が完成しても、その上に家を建てる必要があります。しかし、平成32年の東京オリンピックは、自宅で見てもらえます。

復興の立ち上がり時期

毎日新聞連載、五百旗頭真先生の「大災害の時代」、10月15日は、「復興構想と政治 「ねじれ国会」重い構造に」でした。復興基本法が与野党(当時は民主党政権)の意見対立で成立が遅れた。関東大震災モデルと、阪神・淡路大震災モデルの対立とだと、五百旗頭先生は表現しておられます。その協議の結果、復興庁の設立が盛り込まれました。先生は次のようにも、書いておられます。
・・・復興庁という一元的機関は結論的に言って悪くない選択だった・・・
私はこのあと、復興対策本部で、復興構想会議の提言を実行する役割を担うことになりました。
・・・とまれ、遅れて6月24日に施行された復興基本法は、翌日答申される復興構想会議の提言に公的地位を与えた。それは霞が関の行政機関によって、7月29日に「復興の基本方針」という政策文書に落とし込まれた。実質的に官僚の作文である場合はともかく、有識者が主張をぶつけ合って作られた審議会の答申が、そのまま政府の政策となるのはまれである・・
その閣議決定の準備をしている、7月29日19時15分の職場(復興対策本部事務局)を、職員が写真で残してくれました。
このほか、先生の文章には、高台移転を全額国費で負担することについての驚きも、書かれています。原文をお読みください。しばらくの間は、インターネットで紙面の形で読むことができます。「無料キャンペーン」オピニオンのページ、拡大してお読みください。

浅川財務官の活躍

10月15日の日経新聞に、OECD租税委員会議長の浅川雅嗣氏のインタビューが、かっこよい写真付きで載っていました。本人によれば、「実物通り」とのことです。
浅川君は、財務省の財務官(財務省で国際政策を総括する事務次官級のポスト。黒田日銀総裁も経験者)です。麻生内閣で、一緒に総理秘書官を勤めました。現在は、OECDの租税委員会議長も兼務しています。先日ペルーのリマで開かれたG20で、多国籍企業が税金逃れをしないようなルールを定めました。その立役者です。それについては、この記事を読んでいただくとして。日本国内では、あまり認識されていないようです。
財務省の広報誌『ファイナンス』9月号に、「頭を柔らかくすること-グローバリズムとリージョナリズムとの狭間で」を書いています。体験に裏打ちされた、絶対だと思っていた価値観が、あっという間に変化することを紹介しています。このホームページをご覧の方の多くは、国内派でしょうが、このような世界もあるのだということを勉強してもらいたくて、紹介します。
その文中に、2008年秋のリーマン・ショックの際に、麻生総理がIMFに対し最大1000億ドルの融資を行うことを表明した話が、出てきます。この効果は大きかったのです。残念ながら、その意図と効果を理解できる記者さんが少なかったようです。資料は、例えば「G20での麻生総理資料」。なおその頃の資料は、官邸のホームページで見ることができます。

感染症の歴史、2

インフルエンザウイルスの大きさは、10のマイナス7乗(100nm)です。人の子どもの大きさを1mとすると、1,000万倍違います。地球の大きさは直径13,000kmで、子どもの1,300万倍です。インフルエンザウイルスと子どもの大きさの比が、子どもと地球の比とほぼ等しくなります。子どもに感染するウイルスは、人を乗せて地球に接近する宇宙船のようなものです。
くしゃみで、2m先の別の人に感染する場合、ウイルスから見た距離は、2×10の7乗の距離で、人に置き換えると2万kmになり、北極から南極までの距離になります。1回のくしゃみに、10の8乗(1億個)のウイルスが含まれる1mlの唾が飛ぶとすると、1億人が北極から出発し南極を目指すことになります。たどり着くのは、なかなか大変なことです(p158)。でも、風邪がうつりますよね。
海水中のウイルスは、少なくとも1ml中に、深海で100万個、沿岸で1億個と推計され、世界の海全体でウイルスの総量は10の30乗個といわれています。ウイルスの大きさは平均100nmと極めて小さいのですが、海のウイルスをすべてつなぐと、10のマイナス7乗×10の30乗=10の23乗で、1,000万光年(1光年=10の16乗m)になります。銀河系の直径の100倍だそうです! 全人類70億人が手をつなぐと、2m×7×10の19乗=1.4×10の10乗m。光の速度が1秒で30万キロメートルなので、47光秒です。太陽と地球の距離の10分の1です(p39)。ひえ~。

感染症の歴史

NHKカルチャーラジオ、吉川泰弘先生の「生物の進化の謎と感染症」が興味深いです。私はテキストを読んだだけで、放送は聞いていないのですが。うつると怖い伝染病。かつては人から人へ伝染すると教えられましたが、動物由来の感染症も多いのです。テキストを読むと、これでもかこれでもかと、怖い病気が出てきます。エイズ、SARS、エボラ出血熱、デング熱、O157・・・。蚊に刺されたり、食べ物に入っていてそれを食べたり。
私たちは、ウイルスや細菌が人体を攻めてくると考えますが、ウイルスや細菌にとっては、遙か以前から地球で暮らしていたのは彼らの方で、人類はあとから地球にきた新参者です。彼らは30億年、こちらはせいぜい500万年。彼らは、多細胞生物から魚類、両生類、は虫類と次々と乗り物を変えて、生き延びてきました。