岡本全勝 のすべての投稿

臨時的組織の難しさ

私たちの復興本部は、臨時的組織です。大臣、副大臣、政務官を持ち、職員は現時点で約60人。すると、政策を企画する部隊のほかに、様々な機能が必要になります。すなわち、大臣などの秘書室、国会担当、広報担当、人事や庶務担当です。前線で戦う部隊のほかに、後方で支援する部隊です。
これがなかなか難しいのです。各省にある大臣秘書室、国会担当課、庶務課では、過去からの蓄積があり、経験豊かな職員とノウハウを持っています。しかし、臨時的組織で寄せ集めの組織では、いかに優秀な職員を集めても、経験やノウハウの伝授がありません。 また、多くの職員は、法律を作るのは上手でも、旅費の支出手続は詳しくないとか。
例えば、私はかつて総務省総務課長で、国会担当を勤めました。新人課長を、経験豊かな職員たちが、過去からの引継ぎを基に支えてくれました。(2004年2月26日の記事)。紙には書かれていない「しきたり」があって、それを知らないと仕事がうまく回らないのです。
今日、久しぶりに国会の準備に回りましたが、かつての経験はすっかり忘れてしまいました。2年半にわたり、年間の半分を国会で過ごしていたのに・・。仕方ないので、当時のお師匠さんである福本さんに、電話をかけて教えてもらいました。
復興担当大臣は防災担当大臣と兼務なので、内閣府防災部局に助けてもらっています。もっとも、そこも一つの省ではなく、局に相当する「政策統括官」組織です。秘書課や総務課を持っていません。
日頃の業務が、いかにたくさんの人たちに支えられているのかが、良くわかります。感謝。

大臣交代

今日は、朝に松本復興担当大臣の辞任、夕方に平野新大臣の任命がありました。その事務的な準備に、追われました。どなたが新大臣になられるか不明の段階で準備をするので、大臣交代は毎回いろんな苦労があります。
もっとも、平野大臣はこれまで副大臣として指揮を執っておられたので、私ども事務方にとっては、新たなご説明も不用です。円滑な引継ぎが、できました。

ここ数日、テレビのニュースで、松本大臣の横にいる私の姿が、繰り返し放送されたとのことです。私は忙しくて、それらのニュースを見ていないのですが。たくさんの人から、「テレビで観たよ」とのメールを頂きました。ハイ、忙しく仕事をさせてもらっています。

被災者受け入れ市町村との意見交換会

今日は、福島市で、原発事故の被災者を受け入れているいくつかの市町村との意見交換会。総務大臣や経産副大臣のお供をして、出席しました。6月4日には、避難している市町村長との意見交換会をしました。
受け入れている市町村も被災しており、その上で他市町村の住民を受け入れています。たくさんの避難者を受け入れていると、保育園、小中学校、病院などの定数、さらにはゴミ処理場の能力を、上回るところが出ています。
受け入れ側の市町村の行政サービスと、元いた市町村の行政サービスの水準が違うこともあります。例えば子どもの医療費無料化など、首長の方針や財政力によって、市町村ごとに違いがあります。受け入れ側の市町村長は、「なるべく住民と、避難してこられた方と、差をつけずにサービスをしたい」とおっしゃってくださいますが、財源をどうするか、悩ましいところです。

復興、当面急ぐ仕事

復興担当大臣のお供をして、昨日2日は福島県知事と、今日3日は岩手県知事、宮城県知事と面談に行ってきました。
これから、市町村や県の復興を、本格的にお手伝いします。復興の主体は住民であり、市町村です。私たちの仕事は、住民の生活再建や企業の再建への支援、市町村が取り組む町の復興や安全安心づくりの支援です。

当面、急がなければならないことは、次のようなものです。
1 構想会議から頂いた「提言」を、実際の事業に移すための「基本方針」に「翻訳」すること。
2 特に、提言に盛り込まれた「特区」や「交付金」などを、設計すること。
3 市町村が作り始めている復興計画に、必要な助言をすること。
4 市町村が行うあるいは行っている各種事業への助言、手続の簡素化、財源確保、そのほか国としてできる支援を行うこと。
東京で考えていても、効果的なことはできません。地方自治体の要望を聞いて、急ぐものから、各省に取り組んでもらいます。