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三位一体改革39

これまでの3年間の進行過程を、表にしました。「三位一体改革の目標と実績」です。ご利用ください。(12月11日)
この表が、好評です。何人かの先生や政治関係者から、「出典を明示するので、使わせてもらいます」と連絡をいただきました。どうぞ、どんどん使って下さい(12月15日)
(17年度交付税総額)
18日に、麻生大臣と財務大臣の折衝が行われ、17年度の地方財政対策が決まりました。地方交付税総額は、前年度並みとのことです。地方団体には、これで安心してもらえます。
16年度の交付税総額(+臨時財政対策債)が大幅に減ったことから、17年度総額について地方団体は重要な関心を持っていました。「骨太の方針2004」や、11月26日に決まった「全体像」政府与党案でも、「17・18年度は、地方団体の財政運営に必要な総額を確保する」と明記してありました。
もっとも、重要なのは地方財政計画の姿と、地方税(+臨財債)などを含めた一般財源総額です。交付税総額は、〈歳出総額-特定財源-地方税など〉によって決まるのですから。
その際の新聞の「変な記事」については、マスコミ論1をご覧ください。(12月18日)
(社会のキーワード)
読売新聞によると、今年1―11月に記事中で使われた言葉の頻度や増加傾向などを基に予測した「2005年の注目キーワード」上位10位に、「三位一体改革」が選ばれたそうです。(12月18日)
18日に決まった17年度の地方財政対策は、総務省のHPをご覧ください。ここには、ポイントを書いておきます。
①地方財政計画規模=1.3兆円、1.5%減
②計画と決算との乖離是正=投資からソフト経費へ0.35兆円
③交付税総額横ばい、臨時財政対策債1兆円削減、「税+交付税+臨財債」は横ばい。
④財源不足=総額11兆円(3兆円減)、通常分7.5兆円(2.7兆円減)
⑤国庫補助金改革・税源移譲=1.1兆円。うち、所得譲与税化(老人ホーム運営費など)0.7兆円、税源移譲予定特例交付金化(義務教育)0.4兆円。
国の一般会計歳出では、交付税総額は0.8兆円減(特例交付金を入れると0.4兆円減)なのに、地方財政計画ではなぜ横ばいか。
それは、国の交付税特別会計で加算したからです。その財源は、16年度の剰余金です。国税の増による交付税財源の増加を、16年度に使わず、17年度に繰り越したのです。その処理のための、16年度補正予算と交付税法改正を、1月の国会に提出します。(12月20日)
19日の毎日新聞「発言席」に、梶原拓知事会長が「地財計画に分権潮流反映を」を書いておられました。20日の朝日新聞夕刊「窓」には、坪井ゆづる論説委員が「真摯とどぶ」と題して、参議院決算委員会での与党議員の追求を書いておられました。
なお、地方交付税の正式名称(法律などでの名称)は、「地方交付税」です。国の予算書に歳出として載る場合に「地方交付税交付金」という名前が使われます。それが交付税特別会計に繰り出され、地方に配分されるときには「地方交付税」です。(12月20日)
21日の日本経済新聞は、国の予算案の解説の中で、三位一体改革を詳しく解説していました。「国・地方の効率化停滞」という表題は、記事の内容とずれていましたが。20日の毎日新聞夕刊でも、宮田哲記者が「税源移譲9割が必要経費。分権・行革、効果乏しく」を解説していました。(12月21日)
22日の朝日新聞は「来年度予算案」「分権社会遠い道のり。首相、かすむ指導力」を解説していました。23日には、「義務教育費削減問題、官邸・文科省譲れぬ解釈」を解説していました。また23日の日本経済新聞は、「義務教育国庫負担、自民文教族温存へ始動」を書いていました。
でも、変ですよね。文部科学大臣って、総理に任命されているんです。三位一体改革が、日本の政治過程・政治構造・総理の指導力を問うもの、変革しようとしているものであることが見えます。(12月23日)
ご要望にお応えして、簡単な解説「三位一体改革の基本解説」を載せました。初心者の方には、三位一体改革は難しいですものね。さらに加筆中です。(12月18日、19日)
24日の朝日新聞「私の視点」に、小西砂千夫関学教授が「地方税を上げ赤字解消を」を、書いておられました。また同紙夕刊では、1面トップで大きく、板垣記者が、来年度予算政府案のうち、三位一体に焦点を当てて解説していました。図表も工夫してあり、わかりやすかったです。(12月24日)

平成17年度国の予算案

昨年、警察官の増員に関し、「財務大臣は、地方警察官を3150人増員し、3.5億円を認めた」という記事を笑いました(→マスコミ論)。今年は既に18日に、地方財政対策の中で、3500人の増員が発表されました。読売新聞なども、「総務大臣が3500人の増員を認めた」と報道しています。さて、各紙は、国の予算をどう報道するでしょうか。(2004年12月21日)

また、やってくれましたね。23日の朝日新聞は、「復活折衝の主な結果」に「警察庁:地方警察官3500人増員=3億円」と載せていました。3億円で3500人。1人当たり8万6千円です。「激安警察官」。
書いた記者や載せたデスクは、何を考えているのでしょうかね。進歩がありませんね。でも、財務大臣と国家公安委員長の折衝って、何を議論していたんでしょうか。(12月23日)

朝日新聞だけを取り上げると不公平なので、他の新聞も指摘しておきましょう。読売新聞も23日、「閣僚折衝で復活した主な項目」で「警察庁:地方の警察官3500人増員(3億7400万円)」を載せていました。この社は、既に「総務大臣が、3500人増員を認めた」と報道したのにもかかわらず、再度こんな記事を載せています。矛盾した記事を載せて良いのですかね。
総務省のPRが不足なのか、地方公務員を増員するのは財務省の仕事と思っている新聞記者が悪いのか、10万円で警察官が一人雇える(年間ですよ)という記事を変に思わないデスクが悪いのか・・。僕のこのHPは、読まれていないということか。来年はどうなるかな。

大臣折衝は儀式

12月21日の日本経済新聞は、「復活折衝、大物案件なく」「族議員、出番なし」を解説していました。
「復活折衝は儀式です」とは、ある記者の解説です。
「財務省原案内示の時点で、復活分も折り込み済みです。だから、復活折衝で予算が付いても、総額は変わらないんです」「大臣の復活折衝で、×になったということは、聞いたことがありません。大臣に恥をかかせられませんから。だからすべて事前に、お膳立てするのです」「折衝に臨む大臣を、自民党の部会の先生が拍手で送り出します。こうして議員にも出番を作るんです」
「官僚主導劇の典型例ですね。他の国では、こんなことやっているんでしょうか」とのことです。参照マスコミ論

17年度予算案

財務省原案が発表され、各紙の夕刊が論評を加えています。「緊縮型」「国債発行額縮減」といった、見出しが多いようです。「うーん、そうかなあ・・」。ある記者さんの解説は、次のとおりです。
「歳出総額は減るどころか、+0.1%とわずかですが増えています。一般歳出が0.7%減ったと書いてありますが、三位一体改革で補助金を1.1兆円削減しての数字です。それを加味すれば、増えているはずです。
国債は2.2兆円減っていますが、国税が2.3兆円増えています。税収の増で国債が減っただけで、歳出削減はしてないということじゃないですか。努力の跡は見えませんね」
私の反応:じゃあ、そう書けばいいのに。
記者:いやあ、不勉強な記者が多くて。当局の発表資料をそのまま、記事に書くんですよね。

17年度交付税総額

12月18日に、麻生大臣と財務大臣の折衝が行われ、17年度の地方財政対策が決まりました。地方交付税総額は、前年度並みとのことです。地方団体には、これで安心してもらえます。
ところで、大臣折衝に先立ち、今朝の各紙に交付税総額の記事が出ていました。大臣折衝の前に、なぜ「漏れる」のか不思議ですが。A新聞は、1面大きな見出しで「交付税4000億円削減」と書いていました。驚きますよね。よく読むと、これは国の一般会計での歳出予算額の数字です。地方団体関係者や国民が知りたいのは、この数字でなく、地方への配分額である「地方交付税の額」です。この見出しの数字は「財務省側の数字」です。と言うことで、どこから数字がリークされているかも、見え見えです。
去年も、いくつかのマスコミは、この「間違い」を犯していました。記者さんが1年で転勤する弊害、役所がリークすると深く考えずにそのまま記事にしてしまう欠点が、また出ています。一方、Y新聞やN経済新聞は、正しい報道をしていました。