岡本全勝 のすべての投稿

宣伝、中華料理店

新橋にあった中華料理の「廣豊楼」が、神田駅前に移転して、今日から新装開店しました。年末まで入っていた建物が、建て替えになるので、移転したそうです。
安くて、量があって、品数があり、しかも選べます。例えば「コースの達人」。味は、もちろんです。個室で、会合にはもってこいです。お得で、お薦めの店です。

新しい東北、代表事例集

「新しい東北」先導モデル事例の紹介パンフレットを作りました。「新しい東北」はこの2年間、走りながら考えてきたので、ホームページでの紹介や、説明用の資料しかありませんでした。しかも、手を広げたので、すべてを紹介しようとすると、難しくなります。今回、思い切って焦点を絞り、概要を説明するとともに、代表的な事例を紹介しました。若手職員が、知恵を出してくれました。長い説明より、事例紹介の方が、わかりやすいでしょう。ご覧ください。

福島特措法改正案、国会提出

今日17日、福島特措法改正案を閣議決定し、国会に提出しました。国会提出って、現場を見た人は少ないでしょう、内閣の職員が衆参両院の事務局に届けるのです。朝の閣議で決定して、届けは夕方になりました。
概要」にもあるように、町内復興拠点を作る制度と交付金が主な内容です。福島県の要望を受けたものです。2枚目に、想定している事業か所の地図を付けてあります。大熊町は、町の中心部が当分の間は帰還できない放射線量の高い地区です。そこで、放射線量の低い地域を除染して、復興の拠点となる街をつくろうというものです。町長の考えを基に、関係者が知恵を出しました。
この地区の外れには、東京電力が給食センターを建設中です。旧第一原発では廃炉作業が続いており、今も毎日6千人もの作業員が働いています。しかし、給食設備がなく、コンビニ弁当のような物ですませています。この地に給食センターができれば、もっとよい物を食べてもらえます。このように、大熊町に復興拠点を作ることは、ある程度の需要があるのです。この内容をご理解いただき、法案を通していただいて、建設に着手したいです。

船曳建夫先生。異郷の土地柄、そして変化

船曳建夫著『旅する知』(2014年、海竜社)が、興味深かったです。船曳先生は、文化人類学者で元東京大学教授です。先生が若き日に訪ね暮らした5つの町を、後に再訪し、その変化と変わらないところを考察された、旅行記であり社会観察の書です。5つの町は、サンクトペテルブルク(ロシア)、ニューヨーク(アメリカ)、パリ(フランス)、ソウル(韓国)、ケンブリッジ(イギリス)です。
先生が暮らした体験に基づく考察なので、紀行であり、厳密な社会学的分析ではないのかもしれません。しかし、深夜のサンクトペテルブルクで、劇場からの帰りに感じた怖さ。豊かで(所持金の範囲で)自由なニューヨークで感じるアメリカの不安。パリの高名な哲学者やケンブリッジ大学のノーベル賞受賞者の暮らしから見えるその地の社会構造など。住んでみて経験しないとわからない、その地の土地柄が鋭く指摘されています。このような社会の構造というより、国柄であり肌で感じる感覚は、どのように表現したらよいのでしょうか。司馬遼太郎さんが名づけた「この国のかたち」でもなく、日常生活での人と人との関係・付き合いの風習です。社会学の教科書には出てこず、小説やエッセイにしか出てこない「肌触り」です。多くの人が感じることです。しかし、それを鋭く分析して文章にすることは、先生のような文化人類学者にしかできないことなのでしょう。
そして、5つの都市の違いより、40年を経たそれぞれの都市の変化や世界の変化が指摘されています。「100年変わらないロシア」という指摘もありますが。先生の感傷旅行、エッセイでありながら、鋭い社会分析の書になっています。また、このような目で見ると、40年前の日本と現在の日本は、どのように分析されるのでしょうか。