「人生の達人」カテゴリーアーカイブ

不可能の反対語は

朝日新聞4月26日の天声人語に、次のような文章が載っていました。
・・黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンに名言がある。「不可能の反対語は可能ではない。挑戦だ」。
久しぶりにこの言葉を聞いて、胸にずしんと来るものがありました。
人種差別のきつい時代に、それを切り開いていったロビンソン選手には、私なんぞには、わからないくらいの苦労があったでしょう。しかし、そのような境遇の違いを超えて、この言葉は、これまでにない仕事や困難な仕事に挑戦する私たちに、「勇気」を与えてくれます。
そうです。失敗するかもしれません。完璧な成果を達成できないかもしれません。しかし、それを恐れていては、難しい仕事、これまでにない仕事はできません。前例のない課題に、立ち向かっているのですから。
世間には、前例のないことに取り組むことが好きな人と、前例通りの仕事を好む人(前例がないことはしない人)の、2種類がいるようです。(2012年4月26日)

先日、「不可能の反対語は」で、ジャッキー・ロビンソンの名言を紹介しました。英語の原文を知りたくて検索したら、見あたりません。「ロビンソンの言葉ではないのではないか」という記事がありましたが。

とりあえず・・

街を歩いていて、耳にした会話です。中年のサラリーマンふうのおじさんが、その部下とおぼしき青年に話しかけていました。
「とりあえず、謝る」。
そのような表現、教え方もあるのですね。その直前に何があったか、想像がつきます。
私は、「頭は下げるため、口はお詫びをするため(あるいは、お礼を言うために)にある」と、後輩に教えています。もっとも、偏差値の高い後輩たちは、なかなか理解してくれません(笑い)。

「とりあえず」で思い浮かぶのは、なんと言っても「とりあえず、ビール」ですね。
皆さんなら「とりあえず、××」のところに、何を入れますか。
「とりあえず、わかりました」や「とりあえず、はい」では、納得していないことがバレバレですね。

新入社員への上司のプレッシャー

株式会社ライオンが、社会人2年生の20代男女500人に、インターネットで調査した結果が、新聞に載っていました。上司の配慮の一言が、新入社員にはプレッシャーになっている場合です。
「言っている意味わかる?」が35%。「そんなこともわからないのか」が24%。「期待しているよ」が24%です。すみません、私も反省します。
上司からのプレッシャーによる症状は、下痢・胃痛・腹痛が64%、頭痛が44%です。解消法の一つに、「トイレで1人の時間を作る」があります。

孟郊

先日、孟郊の唐詩「登科後」について書きました(4月10日の記事)。漢文のお師匠さんである肝冷斎先生が、解説をしてくださいました。
孟郊さんって、この詩の伸びやかさとは違って、そんなにおおらかな人ではなかったのですね。それでも、1200年も後まで、しかも異国にまで名が残るのは、男冥利でしょう。

昨日までの苦労、今朝の解放感

東大出版会PR誌『UP』4月号に、齋藤希史先生が「走馬看花」を書いておられました。この四字熟語は駆け足で観光するという意味ですが、その典拠である、孟郊の唐詩「登科後」についてです。

昔日齷齪不足誇
今朝放蕩思無涯
春風得意馬蹄疾
一日看尽長安花

インターネットで「登科後」を検索したら、たくさんの方が書いておられます。例えばこれ
試験に受かって、このような晴れ晴れとした気分になった人も多いでしょう。特に、作者の孟郊は40歳を超えて、超難関の科挙に合格したのですから。
もっとも、合格したら終わりでなく、仕事場では次の苦労が待っているのですが。合格したばかりの若者に、それを言うのは酷ですね。
毎日あくせくしている私には、前の2行(起・承)のような感慨にふけることができる日が、いつ来るのでしょうか。