カテゴリーアーカイブ:明るい課長講座

山口周著『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』

2018年2月2日   岡本全勝

山口周著『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか? 経営におけるアートと サイエンス』(2017年、光文社新書)が勉強になりました。
欧米のグローバル企 業の幹部トレーニングに、美意識が重要になっているのだそうです。これまでの 論理的・理性的スキルに加えて、直感的・感性的スキルが期待されているのです。関心ある方は、本をお読みください。ここでは、私が気になった点だけを紹介します。

1 これまでのような「分析、論理、理性」に軸足を置いた「サイエンス重視の意思決定」が行き詰まり、要素還元主義の論理思考でなく、全体を直感的にとらえる感性と、「真善美」が感じられる構想力が求められている。

「経験」によって経営していた企業に、コンサルタントなどが「論理と理性」を持ち込むことで、合理的な経営ができるようになった。しかし、論理と理性では 解決できない問題がある。それを科学的に結論を出そうとしても、時間がかかるばかりで、良い結論は出ない。膨大な情報を集めるには手間がかかり、それを基に判断することは困難である。
企業において、論理的かつ理性的に意思決定していると、皆が同じ結論になる。すると、競争は、スピードとコストになる。日本は長年、この勝負で勝ってきた。しかし、その点でもいずれ追いつかれ、次なる差別化が求められる。それは、論理と理性ではない。

VUCAという、アメリカ軍が世界情勢を表現するために作った言葉を引用します。
Volatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(あいまい)の4つの単語の頭文字をつなげたものです。
論理的思考では、課題を分析し、因果関係を見つけて、結論を導きます。しかし、このような問題の場合は、そのような分析的手法が通じません。直感的な答えを試してみて、試行錯誤を繰り返し、良い結論に至ります。もちろん、勘だけで結論を出すのではありません。他者に説明する必要があります。
この項続く

冨山和彦さん、エリートコースだけではダメ

2018年1月25日   岡本全勝

1月24日の読売新聞「経営者に聞く」、冨山和彦さんの「デジタル革命 乱世が来た」から。
・・・経営の醍醐味って、人間ドラマにあるんですよね。いい経営をすると、そこで働いている人の人生を良くする。悪い経営をすればその人たちが不幸になる。超一流企業には、ドラマ性があるようでないのです
(山崎豊子の小説)「沈まぬ太陽」では、航空会社のエリートが左遷されるけど、ケニアに飛ばされただけでしょ。それに比べ、地方の旅館やバス会社は、切ない話がいっぱいある。来月の給料が払えないとか、連帯保証しているから自己破産するしかないとか・・・

・・・エリートコースと称して有望な若手を企画部門や管理部門に配置する大企業がありますが、最悪ですね。全く役に立ちません。その人が社長になる頃には、すべてが変わってしまっているのだから・・・
・・・これからは経営者も若者も、360度、あらゆる方向に好奇心を持つことがすごく大事です。
世の中はどんどん変化していますから、いろんな可能性があります。どれだけ多様な領域に関心を持っているか、あるいは人間関係を持っているか。
いわゆる高学歴のエリートさんの空間で生きているだけではダメです。過去はそれで成功したかもしれないけど、新しいことと接点が持ちにくくなる・・・

電子メールの生産性向上

2018年1月21日   岡本全勝

1月16日の日経新聞夕刊「Bizワザ」は、「重要メール ラベルで選別」でした。
・・・ビジネスパーソンにとって、電話やファクス以上に仕事に欠かせなくなった電子メール。ファイルも添付でき、コミュニケーションになくてはならない。ただ、生産性を高める道具になるかは使い方次第・・・
原文をお読みください。

平野友朗・日本ビジネスメール協会代表理事(そのような協会があるのですね)の言葉が載っています。
・・・我々は1日のうち平均して2時間をメールのやりとりに費やしています。多くの企業が働き方改革に取り組んでいますが、メールの書き方については何のメスも入っていないのが実態です・・・

生産性を高めるメールの使い方も列記されています。
1 重要なメールを見逃さない
2 メールを書く時間を短縮する
3 結果につながるメールの書き方
4 メールに固執しない
これらは、私が「明るい公務員講座・中級編」でお教えしたことと、共通していますね。

新聞に載る、このような仕事のこつは、役に立ちます。このコーナー「Bizワザ」は、1月から始まった「かしこく仕事をするのに役立つノウハウやコツ」とのことです。

長い残業、格好悪い

2017年11月30日   岡本全勝

11月30日の日経新聞、生産性革命の特集記事。 岡藤正広・伊藤忠商事社長 の「長い残業、格好悪い」から。
・・・ただ実際は日本の1人当たり国内総生産(GDP)は世界で20位前後。欧米に比べ低い。IT(情報技術)や人工知能(AI)が進化して生産性は当然上がってよいはずなのに日本の1人当たりGDPはここ20年ほど増えてない。日本人は効率良く働いているわけではない・・・

・・・労働時間を減らすことが働き方改革の目的ではない。効率と生産性を高めた結果、給与が増え労働時間も減る。短い時間の中で効率や生産性を高めることが重要だ。かつては残業が多いほど仕事をしているといった評価が一般的だった。今は「あんなに残業をするのは格好悪い」という風土や企業文化を作っていかなければならない。
間違ってはならないのは、単に楽をするわけではないということだ。「がむしゃらではなく余裕を持って働きたい」「働く時間を減らして給料をもらう」という考えでは会社がつぶれる。どこでも経営者やトップの人間は他人の何倍も働いている。ただ皆がそういうわけにはいかないから、短い労働時間で生産性を上げる以外に道が無い・・・

原文をお読みください。

企業の不祥事、第三者委員会

2017年10月30日   岡本全勝

日経新聞10月25日のオピニオン欄、中山淳史記者の「不正の芽摘む「失敗の科学」」でした。
かつては大事故があった飛行機ですが、世界の民間旅客機による死亡事故発生率は、830万フライトに1回まで低下しています。失敗に学んだ結果です。「失敗をさせない」ではなく、「失敗を事故に結びつけない」との発想だそうです。この記事ではそれに引き続き、企業の不祥事について書いています。

・・・東京都内にある公認会計士事務所が運営するウェブサイト「第三者委員会ドットコム」によると、存続が危ぶまれるような不祥事が起きた日本企業が有識者を入れて設置する「第三者委員会」や「特別調査委員会」の数は2015年以降、年間50件前後に増えている。それまでの2倍以上だ。
確率論的には株式上場企業(3572社)の重大不祥事発生率は毎年1%を超す。ガバナンス(企業統治)改革が進み、不祥事に社会全般の関心が強まっているせいもあろう。今年もすでに31の委員会ができた。アルミ、鉄鋼製品などのデータ改ざんがあった神戸製鋼所も含まれている・・・

・・・一方、慶大の菊沢研宗教授は「日本の組織は合理的に失敗に向かう傾向がある」と言う。例えば、東芝は原子力事業から撤退したら「政府からしかられ、従業員の雇用も不安になる」。神戸製鋼は「納期やコストを守らないと取引先から契約を打ち切られる」などの懸念を抱いた。
「経営陣、管理職は下に向かって『何とかしろ』と命令を下すが、何ともならないとわかっている部下たちは袋小路に嵌まり、不正行為を考え始める。不正が起きても周囲は目をつぶり、何も言わないことがその組織にとっての『合理性』になっていく」(菊沢氏)という・・・

第三者委員会ドットコム」のサイトを見ると、「こんなにもあるのか」と驚くくらい事案が載っています。管理職に参考になる分析です。原文をお読みください。