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行政

官僚の事務管理責任

記者さんとの会話
記:4月1日諮問会議の「使い勝手の悪いIT」は、おもしろかったですね。IT化は95%も進んでいるのに、使われていないなんて。笑い話ですよ。
全:うーん、耳が痛いね。
記:各省に聞くと、「進んでいます」と答えるのでしょうね。でも、IT化は進んでいても、IT国家にはなっていない。国民からすると、だまされたようなものです。
全:民間議員だから、言えたのだろうね。でも、マスコミも、気づいていなかったんだろう。
記:私たちも、大本営発表にだまされていたのです。しかし、行政評価局や会計検査院は、何をしていたんでしょうか。こんなこと、民間議員に指摘してもらうことですか。さらに言うと、官僚って何をしているのですか。総理や民間有識者が集まって、経済財政の重要事項を審議するのが諮問会議でしょ。旅費の計算事務ぐらい、官僚たちで簡素化してくださいよ。総理を悩まさずに。
全:ご指摘ごもっとも。反省します。
記:さらに言うと、責任の所在はどこにあるのですか。
全:今日は厳しいね。うーん、考えていなかった。政府のITは、IT本部が進めている。本部長は総理だけど。
記:そこですよ。1日の諮問会議でも、岸田IT担当大臣、増田総務大臣、甘利経産大臣、渡辺行革大臣がペーパーを出して、「これからしっかりやります」と言っています。変ですよね、4人も大臣がいるって。結局誰が責任者なんですか。また、みんな「やります」と言っているけど、「これが失敗でした」と責任と原因を認めた大臣がいないこと。
全:確かに。今日は鋭いね。どうも、内閣を挙げての「本部」というのは、テーマによって向き不向きがあるようや。内閣の重点事項に取り上げて、「全省で取り組むぞ」という意思表示には必要な仕組み。でも、実務作業になると、寄せ集めの部隊より、どこか主管省を決めて、そこで責任を持たせるのが良いね。緊急・臨時の場合は、寄せ集め部隊で良いけど、継続事業になると、一つの省にやらせるべきだろう。そうしたら、責任の所在ははっきりする。また、職員も本気になる。

警官ボランティア

日経新聞29日夕刊に、イギリスのボランティアの警察官が紹介されていました。100年以上の伝統があり、1万4千人、正規警察官の1割もいます。それを支えているのは、「自分たちの安全は自分たちで守る」という住民の自衛意識だそうです。
類似の例で、日本の場合は消防団が、ボランティア消防です。これも危険を伴う仕事ですが、住民の力で安全を守るという意識に支えられています。

地域づくり事例集

総務省が、「地域づくりキーワードBOOK 地域コミュニティ再生」を発行しました。毎年テーマを変えてつくっているようですが、今年は、地域コミュニティ再生がキーワードです。また、今年からHPに載せたので、簡単に見ることができます。紹介せよとの指示が来たので、お知らせします。これで良いかな、鈴木係長。

包括民間委託

25日の日経新聞経済教室は、根本祐二教授の「学ぶ点多い米の包括委託」でした。警察・消防・教育・保健福祉以外の業務を、企業に包括的に委託した市役所の例です。政策決定などを市職員が行い、実施のための企画や実施は受託企業が行います。ほぼ半分の経費で、できているそうです。日本でも、刑務所の一部や駐車違反取締りが、民間委託される時代ですから。まだまだ、工夫できると思います。

官僚のごまかし術

昨日、「順調に進んでいて、達成率は1%」という、笑い話のような話を書きました。その続きです。
官僚は、しばしば「このような事業を行います」「研究会を立ち上げます」と発表します。例えば、地域振興などでも「こんな施策をやっています」と言って、いくつかの取り組みを紹介します。それは事実なのですが、聞いていて、何か納得できない時ってありますよね。
理由は簡単です。やっているけど、成果が見えないからです。見えないというのは、まず第一点目に、その説明に「成果」がついていないこと。第二点目に、成果が付いていたとしても、全体での達成度が示されていないことです。
第一点目は、次のようなことです。「これからやります」「こんなことやってます」は、これからの取り組みについての説明であって、「これだけできました」という成果の説明ではありません。ここがポイントなのです。国会でも地方議会でも、予算について議論します。でも、それは予定であって、どれだけの成果が出たかの説明ではないのです。
第二点目は、昨日の記事のように、ごく一部をとらえて「進んでいます」といっても、全体ではまだまだ進んでいない場合です。
これらの説明は、嘘ではないのですが、結果として国民をだましています。議員さんも記者さんも、もちろん国民も、こんな説明にだまされてはいけません。そのような説明があったら、次のように質問してください。「それで、全体ではどれだけ進んだのですか。どんな結果が出たのですか」と。