カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

被災者支援と個人情報保護

被災者が仮設住宅や民間住宅に入られて、どこにどなたがおられるか、一般にはわかりにくくなっています。もちろん、市町村役場は把握しているのですが。個人情報法護法や条例があって、本人の同意なしで外部の方に住所と氏名を教えることができない場合が出ています。被災者を支援したいNPOや町内会が、名簿を入手できない場合もあります。
本人の同意があれば良いので、事前に本人同意を得ておくことで、NPOなどに名簿を提供することが可能です。また、市町村役場の被災者支援業務を、NPOなどに委託することで、名簿を提供することもできます。もちろん、名簿を提供されたNPOや町内会は、その名簿を第3者に提供してはいけません。このような事例を、お知らせしました。

第1回復興推進会議

今日14日夕刻、官邸で、復興推進会議を開きました。閣僚級会合です。これまでは「復興本部」でしたが、これ自体が閣僚級会合でした。今度、復興庁になったので、本部が廃止され、それに代わる閣僚級会合を作りました。閣僚に、復興の進捗状況や課題を認識してもらうこと、そして政府一丸となって課題に取り組むための仕掛けです。
資料として、復興庁の体制当面の課題、これまでの復旧の成果と現状を、簡潔にまとめて提出しました。ご活用ください。
例えば、「復興庁の体制」には、庁内の班別編成をつけ、「成果と現状」には、これまでに成立した法律一覧をつけてあります(P12)。資料にしたらこれだけなのですが、これを作るには、かなりの労力がかかっています。

五百旗頭校長のコラム・木を見て森を見ず

毎日新聞、2月12日の「時代の風」は、五百旗頭真防衛大学校長の「世界文明フォーラム、震災後の世代間の公正」でした。
・・「木を見て森を見ず」という。前に立ちはだかる木をいかにかわして行くか、それに忙殺されるわれわれである・・木々と格闘し、ようやく森を抜け出たら、とんでもない方角だった。そうならないために、木々との格闘の中でも大きな方向感覚を見失わないことが大切である。
大きな方向感覚を言葉にしたものが国家戦略とも呼ばれる。それを磨くには、日本を離れ外国へ旅するのがよい。日本と異なる行き方をする国を見るにつけ、我が国はどうしてこうなのか、この方向でよいのかを考える機会を得る。外国まで行く暇がないなら、これという人を日本に招いて話を聞き対話するのもよい・・

・・私自身は東日本大震災からの復興について報告を求められた。津波に対しては「逃げる」ほかはなく、まちごと逃げる「高台移転」の機を今迎えていること、「多重防御」による「減災」を同じ地で試みる選択も可能であること、安全なまちづくりだけでなく、生業と産業の復興がキーであり、「特区」制度が用いられること、高齢化、自然エネルギーの活用などをまちづくりに組み入れ先端地域化する創造的復興が望まれること、以上の実現には大きいコストを要するが、国債で賄いつつ増税により償還すること、将来世代へのツケ回しをやめ、今を生きる全国民の「連帯と分かち合い」で支えることを論じた・・
詳しくは、原文をお読みください。こうしてインターネットで読めることは、ありがたいですね。毎日新聞社に感謝します。

五百旗頭校長には、復興構想会議議長を務めていただき、引き続き、復興庁の有識者委員会の委員長を務めていただきます。

いわき市に避難している楢葉町役場

今日は、復興大臣のお供をして、福島県いわき市へ行ってきました。まずは、開設したばかりの福島復興局いわき支所に、激励に。支所は国の合同庁舎に入れてもらいました。お向かいの会議室では、法務局が、休日の臨時相談所を開いていました。被災者からの相談が多いとのことでした。
続いて、いわき市に引っ越している、楢葉町役場で、町長と意見交換。避難区域が解除されることにともない、除染やインフラの復旧が課題となっています。今後、双葉郡の町村と検討を進めなければなりません。
いわき市内の工業団地には、双葉郡内の企業が避難して、仮設の事業所を開いたり、開く準備をしています。今日は、既に開業している事業所も訪問しました。移転して事業を再開することを決めて、3か月半で仮設事業所ができたそうです。中小企業庁の支援に、感謝してもらいました。もちろん希望は、早く楢葉町に帰って、事業を再開することです。
しかし、避難区域が解除されても、すぐに戻れるわけではありません。除染、インフラの復旧、各種サービスの再開が必要ですし、住民が戻ってこないと、事業は成り立ちません。しばらく準備期間が必要です。

福島特別法案閣議決定

昨日2月10日に、福島復興再生特別措置法案を、閣議決定しました。昨年秋、福島県から要望を受け、県と協議しつつ、政府内で検討を続けてきました。県の了解も得られ、与党の手続も終わったので、閣議決定の運びとなりました。
復興本部では、昨年夏の「復興基本法」、冬の「復興特区法」と「復興庁設置法」と、立て続けに新法を作成しています。引き続く厳しい残業に、耐えている職員に感謝します。

この法律では、国の責任において、復興計画を作成することとしつつも、県をはじめ市町村の意見を取り入れる仕組みにしました。県が計画の変更を求める場合には、知事の申し出によって検討するという条文を入れました。
今後、避難区域が見直され、帰還できるようになると、事態が変わるでしょうから、その場合には新たな対応が必要になるかもしれません。県の要望は、「まずは法律を作って、新たな要素が出た場合は、追加する方法をとってほしい」とのことでしたので、現時点で考えられる項目を法律に盛り込みました。
この法律案の他に、関係する法律として、既に賠償の法律、除染の法律などがあります。また、予算措置は、平成23年度補正や24年度予算に盛り込んであります。