カテゴリー別アーカイブ: 連載「公共を創る」

連載「公共を創る」第76回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第76回「社会の課題の変化―再チャレンジ政策で考える行政のあり方」が、発行されました。

前回に続き、再チャレンジ政策があぶり出した弱者を生み出す日本社会の特性とともに、再チャレンジ政策が働き掛ける対象である社会意識や慣行を説明しました。
そして、ニートとフリーター対策として行った、働く意欲や自信に欠けている若者を応援し、職業的自立を促すための仕組みである「地域若者サポートステーション」を例に、人への働きかけの難しさを説明しました。

困っている人の自立支援は、これまでの行政の主流だった、産業振興、公共インフラ整備、公共サービス拡充とは、手法が大きく異なります。それを表にして整理しました。この表はわかりやすいと、自賛しています。

今回は、掲載紙『地方行政』の2ページ目に載るという「出世」でした。いつもは、後ろの方に載るのですが。

連載「公共を創る」執筆状況

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆状況報告です。
第76回(4月1日掲載)の続きを書き上げ、右筆に見てもらって完成させました。今回は、自信がないところもあったので、ほかに数人の専門家にも目を通してもらいました。
いや~、他人に見てもらうことは重要ですね。私の思い違い、欠けている事項、さらには単純な間違いまで指摘してくれます。ありがたいことです。

編集長に、きりの良い形で誌面にしてもらうと、4回分になりました。しかし、分量の均衡が悪いので、各回4ページ近くに編集し、はみ出す部分は文章を削除しました。一部は、次回に送りました。で、3回になりました、連載形式は、このような工夫も必要になります。

これで、5月13日分までができました。でも、次の締め切りが、追いかけてきます。いま書いている部分は、執筆に当たり調べなければならないことが多く、時間がかかるのです。
他方で、連載の完結に向けて、締めの部分に入っています。そこで、書いた「部品」をあっちへ持って行ったり、こちらに戻したりと、構成についても悩みます。

連載「公共を創る」第75回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第75回「社会の課題の変化―失敗しても再挑戦できる環境づくり」が、発行されました。

これまで説明した「人間らしい生き方への被害」には、古典的リスクなどとは違った対策が必要です。孤立や社会不適応といった不安は、新たな法律を作って取り締まりを強化しても、なくなりません。
今回は、私がこの問題に関心を持つことになったきっかけを紹介し、そこで考えた新しいリスクの特徴と行政の課題を説明します。少し古くなりましたが、第1次安倍晋三内閣(2006年9月〜2007年9月)での、再チャレンジ政策です。私は、その事務局の責任者(内閣官房再チャレンジ担当室長)に指名されました。その際に、この問題を通して、日本社会と行政の在り方を考えることになりました。

当時は1990年代のバブル経済崩壊後の長引く不況で、社会にさまざまな問題が出ていました。2000年代に入って景気は回復したのですが、それらの問題は解決されず、景気や経済の問題ではないことが分かってきました。
そして、さらにいろんな問題が見えてきました。例えば就職氷河期に正規社員になれなかった人たちは、景気が回復しても企業は新卒者を採用し、置いてきぼりになりました。そのほか、非正規労働者、ホームレス、引きこもり、自殺者、子どもの貧困、そして格差の拡大などです。

連載「公共を創る」第74回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第74回「社会の課題の変化―新しいリスクにさまざまな対応策」が、発行されました。
前回までで、近年の社会におけるリスクを説明しました。
これら新しいリスクに対し、日本の行政は急速に対応策を講じています。今回は、取られた対策の主なものを説明します。そして、リスクの性質によって対応方法が異なること、特に社会生活問題などには従来の対策では十分に対応できないことを考えます。

連載「公共を創る」第73回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第73回「社会の課題の変化―新たに生まれてくるリスクと不安」が、発行されました。

前回に続き、近年の社会におけるリスクの特徴を説明しました。被害の形態からリスクを分類すると、
・武力攻撃や自然災害、事故は「身体や財産への被害」
・ライフラインの途絶などは「経済社会活動への被害」
・格差や人間関係の問題は「人間らしい生き方への被害」に、分けることができます。

コンピュータに例えると、身体や財産への被害は、機械の故障です。机の上のパソコンが、金かなづち槌で叩たたかれて壊れた状態です。
経済社会システムの混乱は、ネットワークの故障です。インターネット網が故障して、多くのパソコンがつながらなくなった状態です。
格差の問題は、パソコンとインターネットの接続において送受信の能力が低く、他の人と同じような仕事ができない状態です。社会生活の問題は、パソコンにもネットワークにも支障がないのですが、それでも他者とのつながりがうまくつくれない状態です。本人の能力なのか変換のプログラムがおかしいのか、書いたり受信したりしたものの内容が不十分で、相手に意味が通じない文章になっています。他人との通信がうまくできないのです。

新しい不安は、次のような要因で生まれます。
・技術と経済の発展によるもの。サリン、フロン、原発事故
・これまでもあったリスクが再認識されたもの。武力攻撃や自然災害
・成熟社会が生むもの。豊かな暮らしが失われる、生きにくい社会、格差と孤立