カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

今週も働きました。明日も働きます

さて、今日は金曜日。今週も、あっという間に過ぎました。困ったものです。前日に秘書が渡してくれる翌日の日程表は、空欄が目立つのですが。これが「大嘘」です(笑い)。
「よし、今日はこの資料を片付けよう」と思っていると、次々と職員が相談に入ってきます。「ちょっと良いですか」と。さらには、上京した被災地の町長や議員さん、記者さんや他省庁の人が、様子を見に来てくれます。よって、自分の時間は取れず。いつも同じことを書いています。今週も進歩無し。原稿執筆や講演の依頼も来ているのですが・・・。明日は、福島県で視察の案内と、講演です。

復興を通じた異業種交流

昨日は、政界の大物たち(復興を支援してくださっている方々)との会合、今日は民間企業で復興を支援してくださる方々の会合でした。名前は書きませんが、皆さんが知っておられる有名人です。いつも書いているように、身内との飲み会より、異業種交流の方が勉強になります。経済の話はもちろん、中国の話や韓国との関係など。なかなか聞けない話もあります。
共通しておっしゃるのは、官民の垣根を越えた協働の重要さ、しかしその難しさ。会社や役所の管理部門を駆け上り、「純粋培養」されたエリート幹部の「できの悪さ」です。いろんな部署や他の組織を経験すること、できれば海外での経験、そして苦労してくることがこれからの幹部に必要だということ。競争のない組織、競争に打って出ない組織が腐敗し、ダメになっていくことです。お詫びの記者会見をした経験談で、盛り上がることもあります(苦笑)。
こんな方々と親しくできるのも、復興というご縁です。皆さん、「全勝さんも、長くなったねえ」「次官を辞めても、死ぬまで復興に関わるのでしょ」と言ってくださいます。貴重な会なので、復興庁の職員たち特に若手を、連れて行くことにしています。霞が関がいかに狭い社会か、そして社会の中で一部分でしかないかを、知ってもらうためです。井の中の蛙を、野原に引き出すのです。

組織の不正隠し

先日書いた「会計帳簿が変える世界の歴史、2」で、正確な会計とその公表が会社や国家にとって必須だと書き、他方で不正が後を絶たないことを書きました。日本を代表する企業である東芝の不適切会計(損失の過少計上など)が問題になっています。6月22日の日経新聞「経営の視点」で、中山淳史編集委員が、次のような指摘をしています。
・・・組織としては何重にもチェックする構造になっている。東芝はカンパニー制を採用し、それぞれ最高財務責任者がいる。その下の工場や事業所にも経理部がある。つまり、事業所経理部→カンパニー経理部→東芝経理部、さらには監査法人、取締役会と何か所も関所があるが、「現場が『見積もりは正しい』と主張すれば、反証は難しい」という・・
・・・だが、不思議な点がいくつかある。東芝だけになぜこうした問題が生じたのかだ。さらには「内部告発」とされる問題表面化の発端だ。東芝には内部通報制度があるが、最初に動いたのは金融庁だった。社内での報告体制に構造的問題はなかったか・・・
また、東洋ゴム工業では、建物の免震ゴム性能の偽装が問題になっています。こちらでは、経営陣が何度も性能不足の報告を受けながら、公表や出荷停止を遅らせていたことが明らかになりました。不正を防ぐはずの品質保証部門もデータを改ざんしていたとこのとです(6月23日、日経新聞)。

部下からの問題点の指摘を吸い上げる仕組み、あるいは組織の問題点を見つける眼、そしてそれを隠さず是正する決断。民間企業に限らず行政組織でも、管理職の大きな責任です。何度もお詫びの会見を経験した私にとって、他人ごとと思えません。

活躍する復興庁OB

バターが不足しないように、緊急輸入するそうです。農林水産省の森課長が、記者会見しています(NHKニュース)。森課長も、復興庁の経験者です。企画総括担当参事官として、施策全体を取り仕切ってくれました。何人かのOB仲間が見て、「かっこよく写っていましたよ」との評価です。
昨年末に続き、2度目の記者会見です。前回は「バターが足りない」という発表でしたが、今回は「不足しないように輸入するので、安心してください」という内容です。しかし、「また足りないのか」と受け取った人もいたようです。マスコミの伝え方に、問題があるのですかね。

会社が求めるのは大学の成績だけではない、2

・・ほかに求めるものは? 問題解決に向けて「責任感と当事者意識を持って参加する気持ちだ」。そして他者のより良い考えを受け入れる謙虚さ。「最終目標は問題解決に向けてみんなで協力して何ができるか。自分なりの貢献をしたら、身を引くこと」と説明した。
他者が貢献する場をつくりだす謙虚さだけでなく、「知的な謙虚さでもある。謙虚さがないと、学ぶことはできない」。一流ビジネススクールの卒業生の多くが伸び悩んでいるという調査があるが、原因はここにある。「頭の良い成功者はめったに失敗を経験しない。だから失敗から学ぶすべを身につけていない」
「それどころか彼らは、原因の判断において根本的な間違いを犯す。良いことが起きれば自分は天才、悪いことが起きれば誰かが間抜け、財源を得られなかった、市場が動いた、と。わが社で最も成功している人たちは熱い主張を持っている。徹底的に議論し、自分の考えを信じてやまない。でも『ここに新しい事実がある』と言うと、『ああ、そうか、それなら状況は変わるね。君が正しいよ』と言うだろう」。一人の中にプライドの高い自分と低い自分を同居させる必要がある・・
どの組織でも、基本は変わりませんね。