カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

B3判の書類をA4判にする

ワード原稿で、B3判で送られてくるものがあります。
私が役人になった頃は、役所の書類はほぼB判でした(B判は日本製)。その後、A判と共用の時代があって、綴じるのが面倒でした。最近は、B判は見なくなりましたね。これは、便利になりました。
不都合と言えば、秘書官の時、大臣日程をB4判で印刷し、折って胸のポケットに入れていました。A4判では大きくて、都合悪くなりました。

最近はA4判しか印刷機に用紙を入れていないし、保存する場合もA4判です。で、送ってもらったB3判の原稿を、A4判で保存して作業をしようと試みます。これができないのですよね。印刷はA4判にできるのですが、原稿自体はA4判になりません。インターネットで方法を探しましたが、出てこないようです。

試行を繰り返し、考えたら分かりました。
原理的に、できないのです。なぜなら、紙面全体を縮小・拡大しても、その倍率にあった大きさの活字がないと、転換できません。文章の体裁が崩れてしまうのです。画像なら、どんな拡大縮小もできます。納得。

まず本棚を買った

9月25日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」、大久保恒夫・西友社長の「生き方を変えた本と勉強ノート」から。

・・・社長になりたいとは思っていた。だが、さして勉強せずに大学時代を過ごし、就職活動でも電機大手など様々な会社を受けては落ちて、最後に残ったイトーヨーカ堂に拾ってもらえた。
学生時代は遊びほうけて「こんな人生を送っていてはだめだ」と漠然と思っていた。その頃、書店に平積みされていた米国の作家、ウエイン・W・ダイアーの「自分の時代」を手に取った。著書では、「他人からの評価は関係なく、自分を評価するのは自分だ」といった内容が書かれていた。

読み終えて「これからの自分の人生をどう作っていこうか」と考えた。その結果、「とにかく仕事を一生懸命にがんばろう」という結論に達した。
「社長になるのに経営がわからないのはよくない」と思い立って、まず本棚を3つ買った。本棚を一杯にするのを目標に経営学やマーケティングの専門書などを読みあさった・・・

課題の設定とそれに責任を持つ人

9月13日の日経新聞、中山淳史コメンテーターの「「流転」に挑む人・組織・東芝 キャリアの往来を奔流に」に興味深い話が載っていました。
スポーツの世界で、選手の力を強くするだけでなく、育成の戦略を作ること、そしてそれに責任を持つ人を置くことで、強くなっているのですね。行政の世界でも参考になります。

・・・陸上、ラグビー、バスケットボール、フェンシングと、このところ戦績がめざましい日本のアスリート界。時間をかけた選手育成と戦略の実践が実を結び、結果につながっているのは間違いない。
一方で、世界トップレベルを見据え、競技以外のところでも改革を進めてきたのは事実だ。多くの競技団体がガバナンスコード(組織統治規定)を導入したのをご存じだろうか。企業の統治改革を参考に理事や役員の任期、女性の登用などを定めている。
ハイパフォーマンスディレクター(HPD)も目玉の一つだろう。日本オリンピック委員会(JOC)が2024年のパリ五輪を前に、正式種目の39競技に置いた公募による新ポストだ。選手を指導するというより「パリの次の次」も視野に監督やコーチの長期育成、継承プランなどを考える・・・

・・・名門といわれる欧米のサッカークラブや野球チームには必ずある役職だという。結果を出すのは選手や監督だが、それらを後押しする仕事にもキャリアアップの競争原理が働き、様々な専門を持つ人材が縦横無尽に流動する・・・

発言の何をメモするか

日経新聞夕刊コラム「こころの玉手箱」、9月26日は、大久保恒夫・西友社長の「手帳とシャーペンで経営コンサル」でした。

・・・私のコンサルは当時から、分析をせずに資料も作らないというスタイルを貫いている。手元には手帳とシャープペンシルのみ・・・
・・・手帳も1冊だけを愛用している。ノートは会社ごとにページを決める。経営会議などに出席するとできるだけ小さい字で細かくメモする。ペンの芯は「HB」が最適だ。細かく書けばページ数も節約できる。

会議の出席者が話した内容ではなく、自分ならどう考えるかを書き留める。丸印や矢印でまとめ、番号を振って話す順番を決める。発表が終わったら考えを一気に話す。その場で聞きながら資料をつくり、どうするかを話すスタイルだ・・・

なるほど。発言内容を書き留めるのではなく、それに対する自分の考えを書き留めるのですね。
私は新聞記者たちに、「記者会見の発言内容を書き留めるのに精力を使わず、次の質問を考えろ」と助言しています。

80億人を狙う日本の米菓

8月15日の読売新聞「LEADERS」は、亀田製菓会長兼CEOであるジュネジャ・レカ・ラジュ氏の「日本の米菓 80億人に狙い」でした。

<微生物学が専門で、1984年に大阪大学の研究生として来日した>
当時、(米経済誌)フォーブスの経営者リストを見てもみんな日本人。メイド・イン・ジャパン。日本はアメリカを抜いて世界一になるのではないかという勢いがありました。インド人の留学先はアメリカやヨーロッパが多かったのですが、ある先輩から「これからは日本ですよ」と言われました。阪大には発酵工学の分野で世界トップクラスの有名な先生がいたこともあって、日本に行く決心をしました。

日本で一番驚いたのは食でした。
インドってスパイスの味、濃い味付けですよね。先生と食事に行ったらタコの刺し身が出てきた。何も調理しないでこんなものを食べるのかと本当に驚きました。そうしたら先生から「形を考えないで、とにかく口に入れておいしさを感じなさい」と言われたんですね。
「食感」という言葉は後から知ったのですが、日本語には食感を表す言葉が本当に多い。調べてみると「かりかり」とか「ぱりっ」とか445語もある。英語は77語しかない。食に対して日本人は繊細ですよね。ずっと食にかかわってきた私のキャリアで、一番記憶に残っている言葉です。

<海外事業、国内の食品事業担当の副社長を経て、22年に会長兼CEOに就任した>
亀田の柿の種という国民的なお菓子を作っている会社のCEOになったことは本当に誇りに思っています。
もっと言うと、日本国民1億人だけではもったいない。世界の80億人を狙っていこうと思っています。

今、外国人が日本に来て何に喜んでいるでしょうか。食ですよね。和食は目で見て美しく、おいしい。私たちはコメからいろいろな食品、食感を作ってきました。小麦アレルギーの子供も食べられる特定原材料等28品目アレルゲンフリーの米粉パン、お米由来の植物性乳酸菌、災害食用の携帯おにぎりなどです。

柿の種は知られていても、こういう亀田は知られていない。全部ドット(点)、ドットなんです。
どうやってドットをつなげるか。まずは社員のマインドセット(考え方)を変える必要があります。7月にグループの研究開発機能に横串を刺す「グローバル・ライスイノベーションセンター」を作りました。ドットをつなげていったら、すごいパワーになりますよ。