投稿者アーカイブ:岡本全勝

行政構造改革 4

2009年4月3日   岡本全勝
「行政構造改革」第8回が載った、月刊『地方財務』4月号が発行されました。今回は、官僚問題の責任の所在と対応策の後半です。
「は虫類行政の問題」「人事制度管理組織の不在」など、現在の公務員行政の問題点を指摘し、改善案を提示しています。関心ある方に読んでいただき、批判いただければ幸いです。
今回で官僚制の問題を終え、次回からは政治と行政の役割分担を考えます。(4月3日、5日)
5月号のゲラが届いたので、週末に校正をしました。今回から、第3章「政治の役割と行政の役割」に入ります。「官僚主導」という問題を打破するために、憲法学・行政法学・政治学・行政学を見渡し、マスコミ報道や実際の現場を踏まえた議論を書きました。
それぞれの世界には立派な業績があるのですが、それらを通した議論はこれといったものがないようです。霞ヶ関の官僚が最もわかっているはずですが、官僚が書いた論文もないようです。
憲法の考え、近代立憲国家の考えなどにさかのぼり、また、三権分立という通念が導く誤解などを主張しました。私の考えが間違っていないか、いろいろな教科書や論文に当たって、書き上げました。結構な時間がかかりました。何人かの官僚や研究者に読んでもらい、間違いがないか確認もしました。
長尾編集長が、日本語を正してくださいます。自分ではわかりやすい文章を書いているつもりなのですが、手を入れていただくと、「なるほど、こう書けば読みやすく、わかりやすなあ」と感心します。逆に、私の日本語がいかに雑であるかですね。発行は月末です。(4月13日)
第9回目が載った、月刊『地方財務』5月号が出ました。今回から、「第三章 政治の役割と行政の役割」に入り、官僚主導の問題点に切り込みます。今回は、まず「第1節 政治と行政」です。内容は、統治の中の政治とは何か、内閣は行政ではない、政治を担う内閣、「三権分立」という観念が招く誤解、垂直的分権と地方政府などです。憲法学と、行政学・政治学・行政法学をつないだ議論をしました。
今回の、私の議論の焦点は、政策立案の責任者は誰か、逆に立案しない場合の責任は誰にあるのか、憲法や法律では「国」「政府」と言うがそれは誰を指しているのかです。三権分立の考え方や、法律は国会が定め内閣と地方自治体が施行するという考えだけでは、統治の責任者は誰か、政策の責任者は誰かが、出てこないのです。
皆さん、すぐに答えられますか。案外理解されていないことを、取り上げました。ご一読いただき、批判をいただければ幸いです。(5月3日)
5月号が出たのですが、息つく間もなく、6月号のゲラの校正をしています。今回も、長尾編集長からたくさん指摘をいただき、文章に手を入れています。毎回ながら、ありがたい指摘です。
さらに、次回は分量が多くなって、文章を削るか、後半を次次号に送るかを、選ばなければなりません。編集長は「早く読みたいので、先に進みましょう」とおっしゃってくださるのですが、小生としては、せっかくの文章を切ることは忍びなく。さらに、書きためた分量が底をつきつつあるので、後半を次次号に送ることを選択しました。うーん、安易な選択。
引き続き、第3章第3節の執筆に、いそしんでいます。「せっかくの連休なのですが」といっても、休みの日しかまとまった時間が取れないので、「連休なので」と言った方が正しいでしょう。とほほ・・。(5月4日)
大連載「行政構造改革」の第10回目が載った月刊『地方財務』6月号が、発行されました。今号は、第三章第二節「政と官」のうち、1官僚主導から政治指導へ(1)官僚主導批判、(2)関係の転換へ、が載っています。官僚主導として批判されていることを整理し、その転換を主張しました。ここで取り上げた事象は、すでに言われていることばかりです。しかし、それを構造的に分析し、改革論につなげたことが、この論文の特色だと考えています。(6月2日)
(第10回補足)
注24に引用した『立法学』(2007年、法律文化社)の著者である中島誠さんは、厚労省の官僚です。現在は、国土交通省住宅政策課長を勤めています。九州大学法学部での講義を基に、本にまとめたそうです。私が富山県総務部長の時の計画課長でした。『でるくい』をつくってくれたのは、彼です。
書き忘れたことを、補足しておきます。
(p117③アに追加)
国会の審議も官僚がお膳立てするということは、次のようなことを指しています。
審議の前日までに、質問者が質問通告をします。そして、より詳しい質問内容を聞き取るために、関係する官僚(質問事項の担当課または国会連絡室)が質問する議員を訪ねます。聞き取った内容を基に、各問ごとに答弁資料(想定問答)を作成します。そして、その答弁資料を大臣に説明します。質問内容がわかるのが、しばしば前日になり、答弁資料作成に官僚が残業することは有名です。
また、大臣への説明は質疑の当日朝になり、十分な検討時間を取ることはできません。すると、大臣は、官僚が用意した答弁資料に沿って答弁することが多くなります。こうして、国会での質疑は、政治家同士のやり取りでなく、官僚の考えの表明になってしまいます。
(6月3日)
平日は夜に、土日は外出を我慢して、こつこつ書いた甲斐があって、第3章第3節が完成しました。第2節までを3月に編集長に渡したので、3か月かかりました。
第3節は、政治の役割と日本の政治は何をしたか・しなかったかです。官僚主導問題を解説するためです。実例をいくつも紹介したので、その確認に手間取りました。このあと、何人かの人に読んでもらい、私ももう一度読み返して、編集長に渡しましょう。残るは、第4章です。(6月12日)
連載第11回が載った『地方財務』7月号が出ました。今回は、第3章二1(3)「政治家と官僚の関係」です。(7月2日)
第12回目が載った『地方財務』8月号が出ました。今回は、政と官との関係の内、内閣と与党の関係、近年の政治主導への変化を解説しました。19ページの力作です。
連載は、これで1年になりました。当初の予定では、とっくに完結しているはずだったのですが・・。第3章は、あと2回かかります。その後、第4章に入ります。困ったことに、第4章の執筆は、進んでいません。
長尾編集長との会話。
「筆者の都合により、今回は休載です」と載せるのは、やめましょうね。
はい。(8月1日)
(締め切りという圧力)
8月号が出たばかりなのですが、次のゲラの校正をしています。まあ、毎月のことです。今回は、9月号、10月号の2回分のゲラが来ました。実は、これで出版社に渡した原稿は、底をつくのです。
2回分も来たのは、編集長からの、「早く次の原稿を書かないと、連載に穴が空きますよ」という、無言の圧力ですね。もちろん、締め切りのある連載でないと、原稿なんて書けません。
ということで、家にこもってせっせと、第4章第1節を書いています。夏の間に書きためておかないと、秋からは仕事も忙しくなるし、大学も再開されるし。わかってはいるのですが、なかなか進みません。(8月10日)
第13回が載った月刊『地方財務』9月号が、出ました。今号は、第三章第三節「政治の役割」のうち、「1 政治の役割とは」と「2 日本の政治は何をしたか、何をしなかったか」の前半です。
国家の役割を果たすために、政府があります。その政府の役割を達成するために政治があり、政治を支え実行するために行政があります。行政や官僚の位置づけを見直すために、政治の役割や政府の役割まで遡って考えてみました。
国家の役割と、それに見合う行政分野の分類表を、つけておきました。こういう研究って、案外ないのです。私が不勉強なだけかも知れませんが。
また、民間企業と比較した、ガバナンス(統治、支配)、マネージメント(経営)、アドミニストレーション(執行管理)の図を、載せておきました。
なかなかの力作と、思っているのですが。ご一読いただき、批判いただければ幸いです。(9月3日)
11月号の原稿を、週末に完成させ、編集長に渡しました。この号から、第4章に入ります。第1節は、近年の行政改革を、分類整理してみます。11月号は地方分権なので、比較的楽だったのですが、その次からが大変です。

再チャレンジ支援室縮小

2009年3月29日   岡本全勝

29日の朝日新聞に、「再チャレンジ室解散へ。安倍政権の看板政策、撤収」という記事が載りました。おおむね、記事の通りです。室の廃止ではなく縮小です。各省が進めている関連施策は、各省で実行します。もともと、再チャレンジ支援策は、各省の関連施策の束ねでした。新年度は約240項目に上ります。その進捗は、再チャレンジ室で確認する予定です。私は、引き続き室長職を兼務します。

政治主導の現場・官僚の報告

2009年3月17日   岡本全勝

御厨貴編『「政治主導」の教訓-政権交代は何をもたらしたか』(2012年、勁草書房)を贈ってもらいました。著者に、東大に教えに行っていた頃の塾頭たちが、名前を連ねています。また、中堅官僚たちも、現場での体験を踏まえて書いています。皆さん、御厨先生の門下生だとのことです。
帯には、「民主党政権の中間決算」と唱われています。
第2部では、政権交代後に、民主党が掲げた政治主導がどのように達成され、達成されていないかを、分析しています。そこでは、官僚との関係、与党との関係、官邸と各省との関係の3つの観点があります。
政権交代から2年半。まだ変化しつつあるところですが、省庁内部での経験を基に、分析しています。この間の記録にもなっています。現役官僚が、政と官の関係を論じることは、多くないと思います。政と官の関係に関心をお持ちの方は、ご一読をお勧めします。
なお、細かいことですが、p162の図とp179に、国家戦略室長は「室席」とあるのは「空席」の誤植でしょう。

若者支援のネットワーク

2009年2月18日   岡本全勝

再チャレンジ施策として、「地域における若者支援」に力を入れています。主に、ニートの自立支援です。今後の方向のをHPに載せました。実は、関係する機関や団体は、たくさんあるのです(中間とりまとめ、資料別添3)。しかし、それらの連携が取れていないこと、困っている人(本人と家族です)がどこに行けばいいかわからないことが問題です。そこで、市町村に、その連携拠点と相談窓口になってもらえないかと、考えています(別添4)。もっとも、サポートステーションは、まだ全国に50か所しかありません。
地域の若者を育てることは、市町村の重要な仕事です。学校をつくることだけでなく、学校から漏れ落ちた若者への援助も、重要な仕事です。市町村も、相談があっても、どうして良いか困っておられると思います。この中間とりまとめを、ご一読ください。

逃げ切れなくなったシルバー世代

2009年1月31日   岡本全勝

日経新聞「やさしい経済学ー21世紀と文明」、田中直毅さんの連載「多元化する世界と日本」。18日は、「自己統治と日本」でした。
・・以前は、将来世代への負担転嫁は可能との命題が、それなりの妥当性を持っていた。投票に熱心なシルバー世代は、年金や医療の給付水準にこだわりを示す。このシルバーポリティクスの下では結局、数が少ない若年の投票者、ないし投票資格のない次世代以降の人々の負担が高まるという現象が起きる。ところが、10年前から状況は一転した。財政の巨額赤字は、退職後も20年程度は社会保障給付に依存できると考えていたシルバー世代に、厳しい自己認識を促すだけの迫真性をもった。自らの世代内で決着をつける以外にはなくなったのだ・・
国債増発で公共事業拡大を、という内閣に対しては、市場は円売り・外貨買いで応じる以外にない、という見極めが広がったのだ・・自己統治の第一歩は、日本社会の持続性確保のため、政治のバランスシートを圧縮することだ・・この自己統治のための制度設計が本格化すれば、市場は日本買いに転じる一方、族議員型の古い政治機構や政党組織は見限られて一挙に瓦解しよう。それは、日本文明に画期をもたらすはずである・・(2008年1月19日)

大山耕輔先生の編著による『日本の民主主義 -変わる政治、変わる政治学』(慶應義塾大学出版会、2008年)が出版されました。曽根泰教先生のお弟子さんたち、先生と親交のある欧米の研究者による論文集です。詳しくは、リンク先の紹介をご覧ください。