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500,000番達成

今日午前中は外回りだったので、午後、職場でパソコンを開きました。既に、50万番は達成していました。夕べ、49万9千だったので、達成は土曜日だと思っていたのですが。今回もキリ番が近づくと、カウンターの上がりが早かったようです。(7月7日)
ゲットしたのは、大分県 佐伯市の冨高さんでした。どうもメールの調子が悪く、再度送ってもらいました。
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2006.07.19

今日も、職場の書類整理をしました。総務課長になって、2年半の間に、書類がたまっています。もっとも、課長が持たなければならない書類はありません。別に、担当者が持っているのですから。私が持っているのは、複製です。要らない書類は、担当者に戻して、分別して捨ててもらいます。
問題は、本や報告書、専門誌のたぐいです。総務課長としてでなく、私個人の勉強のために取ってあったものです。でも、「いつか読むだろう」は、「いつになっても読まない」を実証しているようなものですね。これらも思い切って、整理しました。まだこれからの原稿執筆に使いそうなのは残します。その他の貴重なものは関係者に渡して、これも分別して捨ててもらいます。本のたぐいも、もう読まないだろうというのは、後輩に引き取ってもらいました。後は、泣く泣く捨てる。
「これだけ捨てたら、軽くなって、部屋が数センチ持ち上がったかなあ」と言うと、職員が「課長、自宅の書斎は、また数センチ沈んだんじゃないですか」と笑いました。

2006欧州随行記4

7月13日(木曜日)
今日は、飛行機でアイスランドへ移動。所要3時間だが、ここもイギリスとの間で1時間の時差があるので、時計の上では2時間。
飛行機はアイスランド航空。30万人の国が飛行機会社を持っている。ロンドンとの間は週14便、コペンハーゲン(旧宗主国)との間は27便。アメリカとは、ワシントン7便、ニューヨーク7便、ボストン7便の他、いくつもの便がある。ロンドンまで3時間、ニューヨークまで6時間。良い位置にいるわけだ。
使用機材は、200人から300人乗り。それだけの需要があるということだろう。漁業と観光で成り立っている国だから、観光客が多いのか。私たちの乗った便も、ビジネスクラスは満席だった。あとで聞いたら、年間60万人の人が訪れるらしい。国民の倍の数だ。それも、夏の期間だけだろう。到着した飛行場も、利用者でごった返している。
パリ、ロンドンと違って、雨。気温は12度くらいとのこと。夏から、一挙に晩秋の気候になる。
(議会)
早速、議会訪問。議長を表敬したあと、議場を案内してもらう。10年ほど前に、2院を1院にした。議員数は63。小学校の教室くらいの、こぢんまりとした部屋。各議席に、電子投票のボタンがある。投票結果は、壁に総数とともに、議席ごとのランプでも表示される。議員の中から選ばれる閣僚席にも、ボタンはある。
おもしろいのは、議席の指定がくじ引きでされること。会期の始めに、箱の中から、数字の書かれた木の球をめいめい取り出す。隣り合わせになった議員がけんかをしないようにとのこと。それなら、党派別に座った方が良いような気もするが。
(街)
総人口30万人のうち20万人近くが、首都レイキャビックとその周辺に住んでいる。周辺部は大きなアパートがたくさん建っているが、レイキャビックの中心街は、こぢんまりしたきれいな街。議事堂も、首相府も、商店街も歩いて回れる。そう言えば、かつて行ったノルウェーのオスロも小さくてきれいな街だった。
(白夜)
白夜の国の夏なので、真夜中でも明るい。カーテンを閉めても、明るい。ある議員は翌朝、「岡本さん、夜の3時も明るかったよ。眠れなかった」とのこと。この時期、太陽は北から上がって、北に沈むとのこと。もっとも、冬は南から上がって、4時間ほどで南に沈む。毎日が真っ暗。これはつらいらしい。
7月14日(金曜日)
朝は、嵐。横なぐりの雨が降っている。
(エネルギー先進国)
午前中は、エネルギー庁長官との意見交換。
この国は、水力と地熱でエネルギーの大半をまかなっている。環境先進国。安い費用で発電し、温泉熱で各戸にお湯を供給している。蛇口からお湯が出て、暖房もお湯。化石燃料(石油、ガス、石炭)は車と船と飛行機に使っている以外は、ほとんど使っていない。
電気も輸出したいのだが、輸送技術とコストの関係で、実現していない。「電気が余っていて、東京の消費量はまかなえるよ」と笑って説明してくれる。現在の電気の輸出方法は、アルミニュームの精錬。アルミは電気の缶詰とも言われる。ボーキサイトを輸入して、安い電気でアルミにする。これを輸出すると、電気を輸出していることになる。効率のよい蓄電池が開発されれば、電気そのものを輸出できるのだろう。電線で輸出できなくはないが、ロスが大きい。
次の課題は、化石燃料を使っている残りのもの。特に車を対象としている。電気を使ったハイブリッド車=トヨタのプリウスも説明してくれた。これも課題は、蓄電池。今取り組んでいるのは、水素ガス。バスを3台実験的に走らせている。電気で水を分解し水素を作る。これを燃やして電気を作る。出てくるのは排気ガスでなく、水。もっとも、効率は50倍くらい悪いとのこと。「まだまだだめだ」。
地球温暖化による氷河の減少も、写真で見せてくれる。さらに、「おもしろいのを見せよう」」と言って、未来予測も動画で見せてくれる。大きな氷河が、あと100年でなくなってしまう。「もっとも、いろんな条件でのシミュレーションだけどね」と笑っているが。
(行革の実験)
続いて、財務省次官との意見交換。この国も、1991年以降民営化を進めている。小さな国なので、いくつもの国営企業を持っていたのだろう。漁業などの会社を民営化したあと、国営銀行2行とを民営化した。なるべく国の管理が及ぶように、国内で株を持ってもらうように意図しながら進めたが、いずれも失敗し、一度は延期した。その経過を説明してくれる。もう一度やり直して成功した。その際は、「結局は価格がすべてを決めたね」ということだった。
エネルギーの説明は、写真もあればグラフもあって、理解しやすい。民営化も同じようにパワーポイントを使って説明してくれるが、こちらは文字ばかりでなかなか難しい。通訳さんも、専門用語に手こずる。私の拙い英語で、何とか理解する。
(大国と小国)
さらに、首相と大統領にも表敬訪問。アイスランドは、東京に大使館を持っている。日本側は、アイスランドはオスロ大使館の管轄で、レイキャビックに事務所を置いている。大統領は「30万人のアイスランドが東京に大使館を置いているのに、なぜ日本は本格的大使館をアイスランドに置いてくれないのか」「中国は、アイスランドに非常に興味を持っている。大規模な訪問団も来た。我が国は日本ともっと関係を持ちたいのに、日本からは企業が進出してくれない」と強くおっしゃる。
また、「お互いに食糧輸入国であるなど共通な位置にいる。早く貿易自由化交渉をまとめよう」とも言っておられるとのこと。おっしゃるとおりだ。
捕鯨でも日本と同じ主張をし、日本が国連常任理事国入りを目指したときも、真っ先に賛成してくれた。このような国を、大事にする必要があるだろう。
(自然)
地熱発電所を見学したあと、時間があるので、間欠泉と地球の割れ目まで車を走らせる。真夜中まで明るいので、体力さえあれば活動できる。
町中を歩いている限りは、風景は、北欧の他の街と変わらない。しかし、一歩郊外に出ると、全く違った風景になる。空港から街までの道路の両側は、溶岩原が広がっている。その上にこけが生えているだけで、草や木はない。こけさえ生えていないところもある。
鹿児島の桜島の溶岩原が、ずーっと広がっていると思えばいい。このあたりでは、放牧もできない。歩くと足首をねんざしそう。アメリカのアポロ計画の際、ここで月面着陸の訓練をしたらしい。風景が月面に似ているから。
島自体が、まだできて新しい。溶岩が十分風化せず、土がない。気候が厳しく、木や草が育たない、ということだろう。誕生してまだ若い頃の地球を想像させる。
さらに車を走らせると、牧場が広がる。ここはかろうじて草が生えている。羊、馬、牛がのんびりと、とはいえない厳しい気候の中で、草をはんでいる。馬肉もこの国の名物。
北海道と四国を足した面積に、30万人が住んでいる。広々としたきれいな国だ。
(氷の国)
アイスランドIceland=氷の国という命名は、半分正しく、半分間違っている。緯度は、ロンドンやパリからは北、北極圏に近い。日本より、はるかに北にある。カムチャッカ半島くらい。ちなみに緯度を南に当てはめると、南極の昭和基地になるらしい。大きな氷河もある。草木が茂らない。夏は白夜になり、秋や春にはオーロラが見られる。ここまでは、確かに氷の国。
しかし、気温は、夏で6~14度くらい、冬でもそんなに下がらない。零下10数度にはならない。冬を比べると、北日本の方が断然寒い。これは、メキシコ湾流(北大西洋暖流)が流れているから。この暖流と寒流がぶつかって、よい漁場になる。タラやししゃもが名物。ニシンはかつてはよくとれたが、今はもっと北の漁場らしい。
この島の西側に、グリーンランドGreenland=緑の国がある。これは命名間違い。こちらは、氷河に覆われていて、とても人が住めたところではない。どうも命名が、逆だったようだ。
アイスランドの天気は、よく変わるらしい。曇ったり、雨が降ったり、日が差したり。私たちの滞在中もそうだった。
メキシコ湾から来た水が、地球の割れ目に雨を降らせ、そんなことも知らず羊は草を食べている。

2006欧州随行記2

(東西の農村風景の差)
こちらは、変化の少ない風景だ。たぶん、これは千年近く続いた景色だろう。日本も農村では、つい40年前まで、2000年間にわたって「弥生式風景」が続いていた。田んぼとわらぶき屋根の農家である。それが、急速に変化した。西ヨーロッパと日本は、同じように、農業が主体の時代から産業革命を経て、さらにはIT革命の時代に入っている。どうして、一方は景観が残り、もう一方は急激な変化をしたのか。以前から、気になっていた。私が考えた結論は、次の通り。
1 生産力の差
麦畑・牧場と水田とでは、単位面積当たりの収穫カロリーが違う。牧場に至っては、一度植物を育ててから、それを飼料にして牛や豚を育てる。効率は悪い。水田の方が、たくさんの人間を養える。だから、日本は狭い面積に、大勢の人間が住んでいる。
欧州でも日本でも、農業時代は千年から2千年の長きにわたって続いた。その間に、それぞれ秩序ある風景を作った。産業革命以降、経済発展を始めると、農業の生産性を上げる他は、それ以外の産業を入れなければならない。面積当たりの人口が多い日本は、必然的に、工場やその他の建物が混み合ってくる。
今でも、可住地面積当たりの人口は、日本の方がはるかに大きい。彼らは日本の新幹線に乗って、「どこまで行っても家が続いている」「街が続いていて、東京と思っているうちに京都に着いた」と驚く。ヨーロッパでは、街と街との間は離れていて、その間に農地がある。
2 洋風化
日本はさらに、近代化とともに洋風化を受け入れた。生活の様式としては西洋化であり、アメリカ化である。台所や風呂から始まって、トイレ。畳の部屋から洋室へ、屋根の瓦もガラス窓も、今までのものも残しつつ、新しいものを取り入れた。いわば雑居状態。
その際に、木造家屋は建て替えてしまった。また、技術の進歩というか、選択肢が広がって、いろんな素材・形・色の家が建った。それ自体は進歩であり住みやすくなったので、批判することではない。向こうは、昔ながらの家で不便の中で暮らしている。しかし、日本は秩序の美はなくなった。
これに比べ、ヨーロッパは近代化とアメリカ化はしたが、洋風化はしていない。
3 石造り
そして日本は、家を建て替えることに金をつぎ込んだ。その際に、公共空間、例えば電線類地中化などにまで、手が回らなかった。
これは、今後とも続くであろう。向こうは、煉瓦や石造りの建物の骨格と外観はそのままで、内部を造り替える。こっちは、基礎から立て替える。こっちはフローの文明、あっちはストックの文明というのは、矢野暢元京大教授の卓見である(「フロ-の文明・ストックの文明 」)。伊勢神宮の遷宮を、日本人のきれい好きとほめる人もいる。それを否定はしないが、あっちに比べ金がかかる。
「鉄筋コンクリート造りは大丈夫だろう」という人がいるが、これはなお、たちが悪い。まず、50年前にできた鉄筋コンクリート造りの家に、今も住んでいる日本人はほとんどいない。この結果が物語っている。何かを変えない限り、50年後も同じことを言っているだろう。次に、最近のコンクリートは50年もつと思えない。劣化が激しいらしい。
4 農業国
なぜ、フランスやイギリス、ドイツで、きれいな農村風景が残っているか。もう一つの理由は、彼らは農業国だ。
(イギリスへ)
しばらくして、トンネルに入る。ドーバー海峡をトンネルで抜け、2時間ほどで、イギリス側のアッシュフォード駅に到着。ただし、フランスとイギリスとで1時間の時差があるので、時計の上では1時間。ここからロンドンまでは、あと1時間かかるとのこと。
アッシュフォード駅は、アッシュフォード・インターナショナル駅と表示してある。これまでは内陸部の駅だったのが、突然、国境の駅になった。
バスで移動し、カンタベリー寺院を見てから、訪問先のシェップウエイ区へ行く。
(市民税増税騒動?)
区(ディストリクト)は、日本の市町村に当たる。シェップウエイは、ドーバー海峡に面した保養地。人口約9万人。ここは、2年前にカウンシルタックス(日本での固定資産税。イギリスの町ではこれが唯一の市税)を39%引き上げようとしたが、国からストップがかかり最終的には19%引き上げた。その状況を聞く。
まずは、「どうして一時に、それだけもの増税が必要になったか」という問をする。それまではサービスを抑えていた。選挙が終わってから、一時に上げた、との答え。最初は39%を考えたが政府に反対され、29%に変更したがそれも否定され19%になった。
次の問は「住民は反対しなかったのか」。答は、反対はなかった、サービスが上がるのなら良いとのことだった。金額にしてそんなに大きな額でない、とのこと。
さらにいくつか質問するが、「政治的に複雑だ」「説明するのは難しい」との答が返ってくる。当時与党だった党が分裂したほどだから、いろいろあるのだろう。
フォークストンとあるのは、シェップウエイの中心の町です。
(議長職)
議長が、何人かの議員と職員とで応対してくれる。市長職は1972年に止めて、今は議長が首長を兼ねている。もっとも、市役所は与党リーダーを中心に、議院内閣制を取っている。ちなみに議長は、議員を39年務めたとのこと。既に年金生活者で、議長職に年間5000ポンド=100万円支給される。議会は年に9回。1回の所用は3時間程度。夕方に開く。この点については、拙著「新地方自治入門」p338参照。
ここでも、長時間のお相手をしていただいた。議長は、市民税増税より、街の自慢を聞いて欲しいらしい。保養地であること、そのために海岸を整備していること。さらには、昔ながらのケーブルカーが動いていることなど。老人夫婦がたくさん散歩している。その人たちを目当てにしたアパート(日本でいうマンション)も、増えているらしい。
下の駅から上を見る。左のかごが上に上がっている。右にも、もう一つケーブルがあったが、廃止された。
(古いものを大事に)
このケーブルカーは、一見の価値、試乗の価値があった。ドーバー海峡の崖の上の街と、下の海岸とを結んでいる。その間50メートル、高低差30メートル。1885年製。鋼鉄製のロープの両端にかごがあり、一方が上がると他方が下がる。ここまでは、どこにでもあるケーブルカーと同じ。
上から見たところ。客室の下に水を入れている。
違うのはその動力。かごの下にタンクがあって、そこに水をためる。かごが上の駅に着くと、係員がレバーを倒して水道から水を入れる。上のかごAに水がたまると、重みでかごAが下がる。下に着くと、水を捨てる。すると軽くなる。今度は、上に着いたかごBに水を入れ、そちらBが下がってくる。上下のかごの人数差=重量差がわからなくても、必要量だけ水が入るとかごは下りる。優れもの。もちろん、ブレーキがあって、突然下りたり、激突したりはしない。水は循環して使っている。パンフレットには One of the oldest water balanced cliff lifts in England opened 1885 と書いてある。
ローテクも良いところ。産業遺産並みだ。「日本だったらどうだ?」とのある議員の問に、「日本だったら、とっくの昔に電気モーターに替えたでしょう」と私は答えた。「そうだよな」。
終了後、バスでロンドンへ移動。約2時間でロンドン着。今日も、大使から説明を受ける。

2006.07.16

ご無沙汰しておりました。今日16日午後に、無事、日本に帰ってきました。8日間、フランス、イギリス、アイスランド訪問でした。パリは日本並みに暑く、アイスランドは寒い雨が降っていました。東京も暑いですね。湿度の高さが気になります。「訪問記」をご覧ください。先に書いたように、携帯パソコン(子機)を持って行ったので、旅先でもメールは読めました。職場に来たメールも、転送してもらうようにしておきました。それで、急ぎの案件は処理できました。便利ですね。家に帰ってパソコン(親機)を開いたら、400通近くのメールが届いていました。もちろん、ほとんどは向こうで読んだものです。しかし、いくつか読んでないものがあります。うーん、見落としたのかなあ・・。早速返事を打ちます。