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持ち株会社解禁

9日の朝日新聞「変転経済」は、1997年の持ち株会社解禁でした。持ち株会社禁止は、戦後改革の財閥解体以来、独禁政策の憲法でした。それがバブル崩壊後、不採算部門をリストラするための切り札として、大方向転換をしたのです。ただし記事を読むと、そう簡単ではなく、公取事務局の強化、NTT分離分割と労組の意図などが重なって、実現したようです。

政府から独立した政策機関

9日の日経新聞「世界を語る」は、「重みを増す金融政策」で、前イングランド銀行総裁へのインタビューでした。イギリスでは、不安定な経済とポンド危機から、中央銀行の政府からの独立とインフレ目標政策を採用し、成功しました。日本でも、日銀が大蔵省から独立し、インフレ目標は立てていないものの、政策決定をより透明にしました。
私は、金融政策という国家の重要な政策が、政府とは独立して行われることに、関心を持っています。素朴な民主主義では、内閣か大統領が責任を持つべきです。しかし、これまでの経験から得られた結論は、政治が関与すると良い結果にならないということでした。もちろん、政府は総裁の任命権を持つなど、関与はします。その代わり、中央銀行には説明責任が生じたのです。
これは、NHKにも共通しています。報道は政治から独立すべきだということは、常識になっています。公共放送ということで、受信料や経営には政府と国会が関与します。しかし、放送内容には関与しないようにしているのです。

授業評価

今日は、第5回目の授業でした。授業評価のアンケートを取りました。
私の授業がどの程度、学生諸君に理解されているかを知るためです。かつて東大で教えたときは、とても詳細な評価書で面食らいました。今回慶応では、自分で項目を作りました。もちろん、無記名です。今日と来週とで回収しますが、今日は約40人から提出がありました。
難易度については、ほぼ全員が「わかる」と答えていました。中には、「易しすぎるのでもっと難しくして欲しい」という回答もありました。「専門的なことでわからないところがあります」という回答も。反省。
話についても、大方の人は「わかる」と答えていましたが、何人かは「早口で聞き取れないときがある」「ノートが追いつかない」とのことです。やはりそうか。「関西弁だがわかります」との答えも。
板書は、何人かの人が「読めない字がある」「説明が不十分で理解できない」「もっと板書してください」「レジュメはよくわかるが、板書はわかりにくい」とのこと。これも反省。
「パンフレットをたくさん配ってもらえるのでありがたいです」と「資料の数が多いので混乱します」という意見もありました。
「雑談、脱線が面白いです」という意見が多かった一方で、「脱線が多すぎます」との批判もあります。これは予想通り。「時事問題を取り上げて欲しい」という要望と、「授業の進行が遅いですが、大丈夫ですか」という心配も。
慶応の学生さんは、紳士淑女ですね。半数以上の人が、何らかの自由記載をしてくれています。ひどい批判はなく、お褒めの言葉が多かったです。「とっても面白いです。眠くなったことがないのは、この授業だけです」「今学期取った授業の中で一番面白いです」というのも。でも、面白いのが脱線話だと、批判が増えますしね。これからの授業の参考にします。ありがとうございます。来週返ってくるアンケートが心配で、楽しみです。
そのほか今日は、公務員制度の解説で、私の辞令を回覧しました。配置換え、出向、昇任、併任の事例です。麻生総務大臣、竹中総務大臣、小泉総理、安倍総理の署名入りの実物です。学生にとっては、初見だと思います。紙切れといったら、それまでですが。本人にとっては、重い紙なんですよ。

2007.06.08

玄関の夏椿は盛りを迎え、毎朝30も40もの花を咲かせています。きれいなものですね。毎晩、それだけの花が散って、つぼみも残り少なくなってきました。本業は、「骨太の方針」決定に向けて、作業が続いています。再チャレンジも、いろいろやっているのですがね。副業では、明日、久しぶりに大学で講義です。また、再チャレンジに関する原稿を執筆中です。乞うご期待。