岡本全勝 のすべての投稿

もう7月

気がつけば、7月ですね。平成25年も、半分が過ぎました。なぜこんなに毎日が、そして時間が経つのが早いのでしょうか。小学生の時は、授業時間中はなかなか終わりの鐘が鳴らず、学校が終わってからも遊ぶのにたくさんの時間があり、晩ご飯から寝るまでにも時間がありました。

柴田先生他『地方自治論入門』

柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(2012年、ミネルヴァ書房)を紹介します。著者から贈って頂いておりながら、紹介するのを怠っていました。すみません、砂原君。
本書の特徴は、「住民の視点」から、地方自治体の仕組みを解説したことでしょう。目次を見ていただくと、それがわかります。
第Ⅰ部、住民(住民と住民組織、選挙と代表、参加と統制)
第Ⅱ部、制度(議会と執行機関、市区町村と都道府県、自治体と国)
第Ⅲ部、経営(地方財政と予算管理、地方公務員制度と人事管理、組織・権限と機構管理)
第Ⅳ部、政策(政策体系と政策過程、政策設計と政策実施・評価、政策法務と条例)
これまでの入門書は、制度の解説が多かった、特に国と地方の関係から始めるものが多かったのに対して、この本は住民から始めています。住民、制度、経営、政策という4つの章立てが、地方自治をバランス良く解説していると思います。良い入門書です。

地方自治や地方行政の解説書も、たくさんの本が出版されています。読者を誰に想定するか、切り口をどのような角度に設定するかによって、違ってきます。
かつて私が書いた『新地方自治入門-行政の現在と未来』も、制度の解説書ではありませんが、日本の地方自治が果たした機能と成果や、果たしていない問題点と課題を論じたものです。地域と自治体の課題が何であり、誰がどのように解決するかといった、問題指向のものでした。
制度設計や政策立案、そして現場での実践に参画している官僚として、単なる解説でなく、成果と課題、そしてその対策を書きました。読者も、主に地方公務員や地方議会の議員を想定していました。先に紹介した本は教科書ですが、私の本は論争のための本という性格も持っていました。
出版してもう10年、古くなりました。時間が経つのは、早いです。この間に、何が変わって、何が変わらなかったか。それを振り返る必要があるのですが。時間がないのと、私の仕事と関心が他に移っていて・・。反省。

日本の政治、ねじれ脱出後の課題

日経新聞6月27日「経済教室」「2013参院選―日本の進路」、佐々木毅先生の「ねじれ脱出後に正念場」から。
・・四半世紀前から、日本政府の政策が少子高齢化と社会保障支出の増加という重い制約要因によって拘束されることは予想されていた。冷戦終結後、バブルの崩壊や金融危機、長引く不況とデフレへの埋没など、経済環境の悪化が続き、この制約要因が加重された。さらに、消費税増税は政権の命取りになるとの恐怖感が政治家たちに広くつきまとい、政界と国民との一種の共犯的迷走状態が続いてきた。
すなわち、政界は国民負担の回避にひたすら腐心して自己保身を図り、無駄の撲滅によって問題が解決可能であるかのような議論を広めた。同時に多くの有権者は小さな政府を擁護(負担増を拒否)しつつ、社会保障給付の充実を求め続けるという、かつての高度経済成長時代の意識から抜け出ることができず、そこに独特のなれ合い構造が成立した・・
安倍政権が政治の先の根本的な混迷を打開したいというのであれば、成長戦略と併せて、あるいは、その安定的な遂行のためにも、負担と給付の問題に対する有権者の注意を常に喚起し続ける必要がある。それは自助を強調する保守の重要な役割である。その意味では消費税増税の取り扱いは大きな試金石である。成長戦略だけで全てが片付くというのであれば、無駄撲滅で全てが片付くという話と同じ構造になる・・
この項続く。

土日の休み、小学生の日記

今日(29日土曜日)と明日(30日日曜日)は、「土日曜2日間休む」という大作戦(?)を実行中です(苦笑)。
そのために、週半ばから、週明けの月曜日の準備を職員に指示し、金曜夕方には、「明日明後日、2日間休むぞ」と宣言して帰宅しました。なのに、夜、自宅で全身のゼンマイもねじも緩みきっているところに、電話がかかってきて・・
今日は、行きたいと思っていた「発掘された日本列島展」に。土日には、専門家による解説があるので、その時間帯に行きました。解説付きは、よくわかります。質問もできますし。お勧めです。この後、例年のように全国を巡回します。
今回は、東日本大震災の復興事業にともなう遺跡の発掘調査成果も、展示解説されています。全国から60人もの専門家が、発掘調査のために現地に派遣されています。ありがとうございます。
江戸東京博物館では、併せて「ファインバーグ・コレクション」(アメリカ人個人収集家が集めた江戸時代の絵画)も。見応えのある展覧会でした。個人で、しかもこの40年間で集められたとのことです。それにも、驚きます。日本には、そのような人や団体は、いないのでしょうかね。
でも、日本の美術を国内に抱え込んでおくのではなく、海外で評価され展示されることの「効果」の方が、重要ですね。