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国会の英訳、Diet

11月3日の読売新聞文化欄、苅部直東大教授の「翻訳語事情」は、「Diet→国会」でした。
日本の国会は、「Diet」と英訳されます。地下鉄の駅名なども、そう書かれています。前から、「ふ~ん、そう訳すのだ。学校では習わなかった単語だなあ」と思いつつ、それ以上は調べませんでした。ある人はこの英語表記を見て、「ダイエットって、減量のダイエット?」と聞いたことがあります。
アメリカの議会はCongressですし、イギリス議会はParliament。中国の全国人民代表大会はCongressで、韓国の国会はNational Assemblyだそうです。
19世紀に、ドイツとオーストリア=ハンガリーの帝国議会(Reichstag)をそう英訳していたので、両国をモデルとした帝国日本の国会を英訳する際に、この言葉を選んだのだろうというのが、苅部先生の説明です。
しかし現在、オーストリアの議会はParliamentで、ドイツはドイツ語のBundestagをそのまま使うのだそうです。Dietを使っているのは、日本だけのようです。勉強になりました。インターネットで調べたら、衆議院のホームページでは国会はNational Diet、憲政記念館はParliamentary Museumとなっていました。

三連休

三連休、皆さん、楽しく過ごされたでしょうか。天気は必ずしも良くはなかったようですが。
私は、2日間はキョーコさんのお供、仕事は1日だけでした。先日からぼやいているように、処理していない電子メールや書類が山のようにたまっていて、それを片付けるのに一苦労しました。優先順位を付けて、なるべくその順に処理するのですが、ある書類を見ていたら別の案件を思いついたりして。電子メールは便利です。その思いついたことを、直ちにメモにして職員に送っておくことで、忘れないですみます。もちろん、送ってこられた職員は、えらい迷惑ですが(ごめん)。かなり進んだのですが、いくつかは未処理で後送り。少し考えている「ある仕事」の方針検討や原稿には、着手できず(反省)。仕事を追いかける(仕事に追いかけられる)のではなく、仕事の前に立って率いる(仕事が私の後ろをついてくる)ようになりたいのですが。

誤報を書く新聞

岩波書店のPR誌『図書』11月号に、佐藤卓己さんが「誤報事件の古層」を書いておられます。戦前の朝日新聞が、どのような誤報を出したか、またそれを隠蔽したかを解説しています。会ってもいない人とのインタビュー記事をでっち上げたり、それを自慢する風潮もあったようです。間違ったという誤報でなく、嘘を書いたという誤報です。面白いですが、新聞の役割を考えさせられます。
誤報の他にも、新聞やマスコミの「罪」が起きるあります。それは、「書くべき事柄を書かない」という場合です。社会の木鐸として、警鐘を鳴らすべき時に、知らないふりをすることは、大きな罪です。専門誌や雑誌なら、「ある分野に特化しているので」と言い訳できますが、新聞は社会の問題全般をとらえることも大きな役割です。

今週と今月が終わりました

今日は10月31日の金曜日。今週も、怒濤のような1週間が終わりました。10月29日の記事を、ご覧ください。その後の木曜日と金曜日も、会議や打ち合わせが続き、自分の時間が取れませんでした。出勤を30分早めたのですが、その程度では処理しきれませんでした。月曜日に来た電子メールに、今日返事を書いたりして。すみません。
そして、私に断りもなく、10月が終わってしまいました。困ったものです。10月は、落ち着いて仕事ができる月です。結構、仕事は進んでいるのですが、やらなければならないこと、やりたいことがたくさんありすぎて。夜の異業種交流会が続くと、読みかけの本がなかなか終わりません。時間が経つのが、早すぎます。巨人に圧勝したタイガースは、ソフトバンクにあっけなく負けてしまうし。明日から3連休。皆さん、良い休日をお過ごしください。私も・・・。

ブラジルの経済社会変化

10月28日の読売新聞国際面に、ブラジル大統領選挙結果の解説が載っていました。現職のルセフ氏が接戦の末に再選されたのですが、ブラジルの社会変化を背景に、政権の課題が解説されています。
それによると、現在の与党である労働者党が政権を取った2003年には、人口の過半数が低所得者で、中間層は4割にも満ちませんでした。それが2014年には、低所得層は25%に減少し、中間層が6割に達しました。政権による貧困対策、経済対策が成功したのです。記事には、変化を示す棒グラフもついています。一目瞭然です。
この急激な変化に驚きます。たぶん、かつての高度成長期の日本と同じでしょう。この経済発展によって、国民は豊かになり、平等にもなりました。しかしそれは、個人の生活だけでなく、家族のあり方や国民の意識も、大きく変化させます。それによる戸惑いや軋轢に、どう対応するか。これが大きな課題になっているでしょう。そして、政権としては、これまでの貧困層から中間層へと、支持基盤を変えていく必要があります。これは、難しいことです。