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釜石市長の挑戦

日経BPネットに、野田武則・釜石市長が、3回にわたって寄稿しておられます。「小さな組織の未来学」
小さな自治体に未来はあるか」12月4日、「イオンは商店街をつぶすのか」12月5日、「東北の上海、釜石はよそ者とつくる」12月8日。
・・釜石市では今、東京や他の地域で活躍する人たちを積極的に受け入れて力を発揮してもらおうと、「オープンシティ」を合言葉に、多様性のある開かれた街を目指そうという動きが出てきています。
「オープンシティ」と言うと唐突なようですが、釜石は製鉄所が全盛の頃、全国各地から人が集まる街でした。そのため今でも、古くからの住人の割合が少ないのです・・・釜石という街は、他の地域の「よそ者」が愛着を持って往来してくれていた街です。もちろん農業や漁業を営む人たちは古くから住んでいますが、彼らにしても外からやってきた人たちのおかげで生活が向上したので、「よそ者」を悪く思ってはいません。地方都市とは思えないほど、オープンな気質なのです・・
・・釜石市では2013年から、「よそ者」の技能を活かす取り組みとして「釜援隊」という事業を始め、今まさに成果を出しつつあります・・・「釜援隊」の人びとは、多様な専門技能やバックグラウンドを持ち、「よそ者」ならではの知恵や知識、ネットワークを生かして活動しています。震災復興のために国の制度を利用して来ていますので、いつかは帰ってしまう存在かもしれません。ですから、彼らがかかわっている組織や団体が将来的には自立して、目的を達成できるようになることを目標に取り組んでいます・・
そのほか、イオン誘致の意図とか。原文をお読みください。

福島県市町村長の復興への評価

福島民友新聞が、県内市町村長への復興に関するアンケート結果を載せていました(12月10日。紙面では、より詳細な記事が載っています)。それによると、復興施策を評価する市町村長は、23です(59市町村中)。不満が多いのは会津、県南、県中地方です。廃炉や汚染水処理が進んでいないことについての、不満が多いようです。被害が大きかった浜通では、評価するとの答が、多かったです。避難指示12市町村の内、評価するは6、評価しないは1、その他が5です。
なお、福島民報新聞は、11月30日に、同様のアンケート結果を載せています。安倍政権発足後の復興状況についての問には(12市町村長の内)、加速した・一部加速したという答が11、加速していないが1でした。
両新聞とも、復興庁の取り組みについて、ある程度の評価をいただいているようです。ありがとうございます。これも、市町村現場に入り、課題を一つひとつ解決している職員の働きの結果だと思います。まだまだ課題は多いので、引き続き頑張ります。

NHKによる復興の課題の解説

NHK「時事公論」12月11日は、二宮徹解説委員の「2014衆院選、復興の加速に向けて」でした。といっても0:05からなので、10日深夜です。オンデマンドでも見ることができますが、概要は、リンクを張ったNHKのホームページで、見ることができます。現時点での課題を、客観的かつバランスよく紹介していただきました。先日、このホームページで紹介した「空いた仮設住宅を職人の宿舎に。関係者の工夫」(12月8日の記事)も、取り上げてくださいました。
発災から3年9か月が経ち、国民の関心が他の課題に移ることは、致し方ありません。いつまでも、「復興」が日本国の最大の課題では、それはまた困るでしょう。私たちの仕事は、一日も早く復興すること、しかしこの記憶と経験を風化させないことです。それは、両立します。

復興の専門人材募集

今日は午後から、日本財団が経済同友会と一緒に開いてくださった、「ワーク・フォー・東北」の説明会に行ってきました。
このページで何度も取り上げているように、被災地では、まだまだ人が足りません。それも、単なる数不足でなく、専門知識を持った人材が必要なのです。インフラ復旧の段階から、産業復興やコミュニティ再建へと、課題は広がっています。それらの課題は、行政だけでは解決できません。また役場には、それに通じた職員はいません。今日は、経済同友会の協力を得て、会員企業に募集をかけました。ありがとうございます。

苦情電話の対応

12月8日の朝日新聞夕刊「凄腕つとめにん」は、コールセンターのオペレーターの指導役である、椎葉由美子さんでした。この連載では、普通の職場で、びっくりするような仕事のプロを取り上げるので、楽しみにしています。
・・通話中のオペレーターが手を挙げたら、手助けを求めているサイン。自分の出番だ。
隣に立ち、ほかの電話機で会話内容を聞きながら、電子ノートで指示を出す。厳しい叱責に困っているオペレーターには、〈冷静に。まずお客様の話を聞いて〉と書いたノートを差し出す。無理難題を言われている人には〈「承れません」とはっきり断って〉。時には〈OK〉と対応をほめ、オペレーターをはげます。
それでも解決しなければ、責任者として電話を代わる。相づちに気持ちをこめ、ゆっくり話を聞く。何歳くらいの方かな。奥からご家族の声が聞こえる。お客様の顔を思い描くと、親身に話を聞くことができる。必要があれば丁寧に謝る。声の調子を低くし、対面以上に心が伝わるように深々と頭を下げる。15分で終わることもあるが、2~3時間かか ることもある。
苦情のほか、部下たちでは答えられない質問があった場合も、電話を代わる。対応が難しい電話ばかりを、年に1,800本ほど受けもつ・・
まずは、原文をお読みください。絶対に勉強になります。私も若い時から、苦情電話や怒鳴り込んでくる人のお相手をしました。また県庁の総務部長の時は、秘書が私の代わりに、苦情電話の対応で苦労していました。この文章をお読みの方も、多かれ少なかれ経験があるでしょう。そして、対面より、電話の方が応対は難しいです。経験から得た私の教訓は、次の通り。
1 逃げたら、あかん。
2 相手の話を聞く。言いたいことを言わせる。
3 話には相づちを打つ。一々反論はしない。できることは精一杯やる。
4 でも、できないことは、キッパリと断る。