少子化の日本、国民の本音

11月22日の日経新聞に「縮小ニッポン、私たちの本音 人口と世界 男女1000人アンケート」が載っていました。結婚、出産、育児についての意識調査結果が載っています。とても興味深いです。

「結婚はした方が良いと思うか」。人生を大きく左右する結婚について「そう思う」「少しそう思う」と考える人は51.5%だった。未婚化が進む中でも結婚に肯定的な意見はまだ多い。
年齢別にみると、やや様相が異なる。60代は6割超が結婚に肯定的なのに対し、20代と30代は5割に満たなかった。男女別では女性の方が結婚に慎重で、特に30代の女性は「そう思う」がわずか9%だった。
結婚が減っている理由を問うと、女性が結婚に慎重な理由がみえてくる。男女とも最多は「若年層の収入・賃金が低い」で6割超だが、「仕事のキャリアに影響する」は女性21.4%に対して男性は9.4%。出産・育児によるキャリアの断絶が結婚に二の足を踏ませている。
「出会いがない・出会いの機会が少ない」と考える人も全体の4割超と多い。特に20代、30代の女性は5割を超えた。国立社会保障・人口問題研究所の2021年の調査ではSNS(交流サイト)やアプリで出会った人が1割を超えた。婚姻支援は社会の変化を踏まえる必要がある。

結婚が減っている理由を問うと、女性が結婚に慎重な理由がみえてくる。男女とも最多は「若年層の収入・賃金が低い」で6割超だが、「仕事のキャリアに影響する」は女性21.4%に対して男性は9.4%。出産・育児によるキャリアの断絶が結婚に二の足を踏ませている。
「出会いがない・出会いの機会が少ない」と考える人も全体の4割超と多い。特に20代、30代の女性は5割を超えた。国立社会保障・人口問題研究所の2021年の調査ではSNS(交流サイト)やアプリで出会った人が1割を超えた。婚姻支援は社会の変化を踏まえる必要がある。

自分は親世代に比べて経済的に豊かになった――。こう考える人がわずか13.6%にとどまることが明らかになった。61.1%が豊かになっていないと答えている。
特にバブル崩壊後に生まれた20代は親世代より豊かだと考える人がわずか6.0%、豊かになっていないと考える人が63.5%に上った。一方で高度経済成長を経験した60代は豊かになったと考える人が24.5%だった。

山田昌弘・中央大教授の分析が載っています。
「そこそこ幸せ」で日本貧しく
結婚や出産が減っている理由として経済的要因を挙げた人が多かった。若年層だけでなく50~60代の親世代も若年層の家計に懸念を持っていることが調査で明らかになった。若年層への経済支援は不可欠だ。
結婚減の理由として50~60代女性の4割超が「独身者が親との生活に満足している」と答えたのも興味深い。一部の若年層は便利で快適な実家生活を捨ててまで結婚をしようと思わないのかもしれない。
移民は変化を好まない日本人の志向が表れた。移民のみならず日本社会は年代を問わず今のままでよいと考える人が多い。社会全体が豊かになり、目先の生活に困る人が減ったのが背景にあると考えている。日本人は徐々に貧しくなることは受け入れてしまう。社会保障費の増加も一定程度は受け入れつつ「そこそこ幸せ」を続けるのだろう。