11年目の東日本大震災復興活動への支援。募集中

サントリー(株)が、「東北サンさんプロジェクト みらいチャレンジプログラム」を始めました。応募者を募集しています。日本フィランソロピー協会などとの共催です。
東日本大震災被災3県を対象に、地域の再興を目指して新たな活動を 立ち上げようという個人や団体の活動を支援します。1件あたり100万円を上限とし、給付総額3,000万円です。締め切りは、5月10日です。

たくさんの企業や団体が、被災地支援に協力してくださいました。10年が経って、津波被災地では復興が見えてきて、域外からの支援も終了しつつあります。サントリーは、このような形で、支援を続けてくださいます。ありがとうございます。

被災地の復興、地域の活性化に取り組んでいる非営利団体も多いです。財政的に苦しい団体もあるでしょう。ぜひ応募してください。関係者に、このような支援があることを、宣伝してください。

日本自治学会、休止

日本自治学会が、5月15日に最後の総会を開き、活動を休止するそうです。

・・・地方分権一括法が2000年に施行されたのに合わせて、さらなる改革を進めてゆくために幅広く英知を結集しようと学会を立ち上げてから、すでに20年が過ぎました。
一括法が築いた分権改革のベース・キャンプから、地方自治を真にそれにふさわしい実質を備えたものに育て鍛え上げていくことをめざし、行政法、行政学、財政学など学界の研究者、さらにはジャーナリストたちを中核に全国各地で活動してきました。
分権改革は、現下の通常国会に第11次の一括法が提出されるなど、いまも続いてはいます。しかし、その内実は乏しく、足踏み状態にも見えます。この時点で学会を閉じることには忸怩たる思いもございますが、20年をひとつの節目として、いったん幕を引き、新たな展開を模索することといたします・・・

この文章の最後の段落に、分権改革の現状が表されています。2000年の第一次分権改革を経験した一人として、考えるものがあります。
大きな社会の改革を進め実現するには、理論ともに、社会の指導層や国民を巻き込む仕掛けや、社会の雰囲気が必要です。
自治体学会は、活動中です。

ドイツの学校にはなぜ「部活」がないのか

高松平蔵著「ドイツの学校にはなぜ『部活』がないのかー非体育会系スポーツが生み出す文化、コミュニティ、そして豊かな時間 」(2020年、晃洋書房)が、勉強になりました。
欧米のスポーツクラブが、地域の人たちによって支えられ、社交の場であることは有名です。この本はドイツの町を例に、スポーツクラブが地域の人たちに支えられ、地域の人たちの自慢であることを紹介しています。
学校のクラブ活動がないことは、分かりやすい象徴です。それは広い社会的背景に支えられているので、そこだけを切り取って輸入するわけにはいきません。

明治以来の学校体育、そして競技体育が、日本にスポーツを輸入し、根づかせました。プロスポーツも、広がりました。これもまた、発展途上国に効率的な、体育や競技の普及方法だったのです。しかし、それは学校内に閉じたスポーツでした。地域の人が参加するスポーツとは違います。クラブハウスが、あちらでは地域の人が集まる社交場なのに対し、日本のゴルフハウスは同好の士だけの、場合によっては接待の場です。

プロサッカー(Jリーグ)が、地域に根ざした競技団体を目指しています。イギリスやドイツのように、100年かけて地域の団体(NPO)を作ってきた社会とは、背景が違います。
住民が参加する地域の非営利団体(NPO)は、日本が輸入しなかった、また輸入できない活動かもしれません。連載「公共を創る」で、地域での住民のつながり、居場所作りを考えているので、勉強になりました。
この項続く

日本地方財政学会研究叢書

日本地方財政学会の年報「研究叢書」第28号が届きました。私も学会員なのですが、最近は会費を納めるだけの怠け者です。

巻頭論文は、林宏昭・理事長(関西大学教授)の「地方財政学会と地方財政研究」です。学会設立(1992年)以来の研究の動向が、整理されています。
この学会誌では、設立時、10年目、20年目にも、まとめられています。その分野の研究動向をまとめて、整理することは良いですね。
研究者は、それぞれが自らの関心で研究をしています。しかし、現在どのような研究が行われているか、対象や方法を共有することは意義があります。特に初心者は、知らないことでしょう。

政策研究大学院大学で講演

今日4月12日は、政策研究大学院大学で講演をしました。GRIPSフォーラム 『東日本大震災からの復興―強い街づくりと生活の再建』です。
コロナウイルスの影響で、オンラインによる講演です。大学の学生だけでなく、部外者で登録した人も含め、合計140人余りが参加してくれました。

外国人が多いので、また同時通訳なので、その点を考慮してお話ししました。
質疑応答が、充実していました。皆さん、適確な質問です。ふだん話していないような項目もあり、考えを整理しながら答えました。

インターネットで、見ることができます。