事業者育成から消費者保護へ

月刊「国民生活」6月号(国民生活センター)は、「自治体における消費者行政の新たな動き」です。その中の、池本誠司弁護士の「自治体における悪質事業者排除への規制強化-消費生活条例等の活用と課題」から。
特定商品取引法に基づく処分件数は、2001年度に20件であったのが、06年度には84件に増加しています。経済産業省や都道府県では、従来から非公表の行政指導は多数行われてきましたが、近年は違法行為を行う事業者に対し、改善指示・業務停止命令を積極的に行い公表することによって違法行為を排除する、という手法に転換しています。
こうした政策手法の転換は、わが国の消費者政策が、行政が事業者を保護育成することの反映として消費者を保護する手法から、事業者の自主的法令順守行動を基礎に据えて行政は違法行為を排除する手法へと転換したことの現れであり、今後もいっそうその方向で推進されるであろう。
もっとも、都道府県の行政処分が増えたとはいえ、悪質事業者排除の体制整備は、まだまだこれからの段階である・・