19日の読売新聞解説欄で、青山編集委員が「曲がり角の全国知事会」を書いておられました。・・「分権改革の本当の担い手は地方だ。新しい国のかたちをつくるという強い意志を結集する場が、全国知事会ではないのか」。初日の議論の途中、政府の地方分権改革推進委員会から丹羽宇一郎委員長が駆けつけ、こう呼びかけた・・
要約は、地方財政に重点の置かれた議論は、改革推進を訴えたかつての姿からほど遠い。大胆なメッセージの発信こそ、国民に直接選ばれた政治家集団の使命だ、です。
月別アーカイブ: 2008年7月
増税についての世論調査
21日の東京新聞が、時事通信社の世論調査結果を載せています。消費税引き上げについて、賛成が42%、反対が54%です。2006年調査では、賛成31%、反対65%でしたから、かなり差が縮小しています。
しかし、「あなたは増税に賛成ですか」と聞かれれば、大概の人は「反対です」と答えるでしょう。「増税しないと、大きな借金を毎年、子や孫に残しています」という説明付きで、「それでもあなたは、増税に反対ですか」と聞いて欲しいです。
22日の朝日新聞は、「にっぽんの争点」で、「一からわかる消費税」を特集していました。わかりやすい解説ですが、ここでも、現在の財政が大幅な赤字で、将来世代に大きな負担を残していることを書いていませんでした。
暑い3連休
多くの人は、3連休だったと思います。梅雨が明け、本格的な夏になりました。連日30度を超えています。暑いですね。水のシャワーが気持ちよいです。
私は、1日はキョーコさんのお供で外出、1日は持ち帰った本業の勉強(とほほ・・)、1日は資料整理や原稿書きでした。朝はアサガオに水をやり、昼は暑いので昼寝が気持ちよくと、小学生の夏休みのような3連休でした。
日本の売り込み
19日の朝日新聞に、アメリカの編集者であるステーリさんが、「日本の小説、海外に売り込む仕掛け必要。作品には世界に訴える力」を書いていました。日本の小説が英語に翻訳されて海外の書店に並ぶ機会は、とても少ないのだそうです。
・・日本の出版業界に欠けているのは、積極的なプロモーションだ。日本文学の英文情報を充実させ、海外の出版社に売り込めばいい。日本のアニメーションや漫画が欧米で受け入れられた結果、「日本の小説も若者に売れるのではないか」「村上春樹に続く大物を探そう」という考えが海外の出版社に潜在的にある。
・・ソニーやトヨタという工業製品に続き、和食や漫画が国際化した。次は日本文学の番だ。小説という日本の精神文化の世界に、海外の文学ファンを呼び込もうではないか・・
工業製品はモノであって、言葉がいらないから、性能で売れた。ポケモンは、暴力場面がないとともに、「ピカー」としか言わないから(日本語をしゃべらないから)海外で売れた、という説があります。もっとも、ピカチュウ以外の登場人物は、しゃべってますが。アニメや漫画は、絵とストーリーで理解でき、「深い言葉」がいらないので、日本語でも翻訳が簡単なのでしょう。
海外で闘わない「業界」に共通するのは、国内で一定の市場があり経営が成り立つこと、そしてそれに安住していることです。
連載・厚労省
日経新聞が、連載「ザ厚労省」を始めました。第1回は「羅針盤なき巨大組織、思考停止に膨らむ不信」です。
・・・人が生きるための制度をつかさどる。老後の安心、働く環境、医療の再生、子供の未来・・。頼るべき組織と人に、頼りないことばかり起きている。古びた制度や体質が、この国の行く先をさびつかせる。
・・・座標さえ見失った老朽船。厚労行政は、今も古い時代を生きる「戦時下の落とし子」だ。・・戦後は成長のレールの上で国富が膨らみ、人口も増えた。社会保障という「成長の果実の分配」に大きな苦労はなかった。そして急成長の時代が過ぎ、少子・高齢・人口減の時代が来た。過去の延長線では、日本の社会保障は崩壊する。価値軸が「負担の調整」へと変わっているのに、それを説明するすべを持たず、行き先を示せず、制度の手直しにきゅうきゅうとする。それが10万人を超す大所帯に膨れあがった今の厚労行政だ。
・・・「すべてを自分たちが扱っているようで、実は何も扱えていない」。昨年まで厚労相だった柳沢伯夫はそう思う・・
日々の事件報道だけでなく、このような構造的な分析記事は、重要です。連載に期待しましょう。そこには、厚労省に限らず官僚機構に共通する問題、日本の政治の問題、そして厚労省に特有の問題が含まれています。それらを腑分けして、論じてもらいたいです。