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生き様-生き方

鎌田浩毅先生の新著

鎌田浩毅先生が、新著『日本の地下で何が起きているのか』(2017年、岩波書店)を出版されました。「はじめに」と「おわりに」で、次のようなことが書かれています。
先生が、通産省の研究所から京都大学に移られて、20年になります。専門分野の火山活動についての説明が、一般の人に通じないことを痛感して、市民に分かる説明を目指されました。「科学の伝道師」です。
・・・私は大学の講義でもパワーポイントを使うのを一切やめ、話術と黒板だけで教育を始めた・・
・・・実は、研究を市民に伝えるアウトリーチの場面では、専門家に必ずといってよいほど生じる「心の葛藤」がある。たとえば、同僚専門家たちの目が気になり、「後ろ指を指されない」ように説明する気持ちが働く。こうして自分たちのコミュニティーを向いた「守りの姿勢」で語る結果、市民にはさっぱり腑に落ちない解説となる・・・20年近く試行錯誤を繰り返してきた経験から、ようやく私も覚悟が決まってきた・・・
・・・私が啓発書で伝えたいことは、至ってシンプルである。自然の一部である人間は、とうてい自然をコントロールすることはできない。一方、知恵をしぼれば災害を減らすことは可能で、そのために地球科学の「出番」がある・・

昨年出版された『地球の歴史上・中・下』(中公新書)なども、売れ行きは好調のようです。伝道師は、完全に成功されましたね。

私が先生と知り合ったのも、この伝道師活動でです。当時私は、交付税課長で、地方財政の伝道師を目指し、実践していました。
先日、書類片付けをしていたら、2002年の活動実績が出てきました。4月から12月までの9か月間に、東大で講座を持っていてそこに23回、その他の講演・講義に45回行っています。まあ、よく行っていたものですね。上司から、「頼もうとしたら、いつもいないじゃないか」と、笑いながらしかられました。地方分権や税源移譲などで、話題になっていた時期でもあったのです。
ホームページを作って、「地方財政の伝道師」を名乗っていました。それを見た先生が、訪ねてきてくださったのです。

適量は1合

新聞各紙が取り上げていたので、読まれた方も多いと思います。そして、ぎくっとした人も。
・・・お酒を飲む65歳以上の男性の半数、女性の4分の1が健康を保つための「節度ある適度な飲酒(適正量)」の目安とされる「1日当たり日本酒1合」以上のアルコールを摂取していることが、厚生労働省研究班(代表、田宮菜奈子筑波大教授)の分析で1日、分かった。このうち適正量の3倍を日常的に飲む「多量飲酒」は高齢男性の約5%に達し、適正量が十分に知られていないことが浮き彫りになった・・・日経新聞10月1日「高齢男性の半数が飲み過ぎ、女性も25%」。

え~、適量って1日1合だったのですか。最近、外ではビールの後は日本酒2合までにして、節酒を心がけているのですが。全く駄目ですね。本日も・・・。
でも、少々お酒を飲む人で、懇親会で1合で終える人って、どれくらいいるのでしょうか。

性格の違い、人生への影響

鈴木信行著『宝くじで1億円当たった人の末路』(2017年、日経BP)がおもしろかったです。
本屋で見たときは、表紙を見て「雑学」「とんでも本」の一種かと思って、手に取りませんでした。書評で取り上げられていて、買って読みました。
表題になっている、1億円当たった人の末路は、想像がつきました。勉強になったのは、ほかの人たちです。
子どもにキラキラネームをつける親は、とんでもない人でなく、中流以上で真面目な人が多いこと。自分は没個性的な人生を余儀なくされたが、子どもには個性的な人生を送って欲しいと思って、そのような名前をつけます。ところが、子どもには「周囲にあわせて生きよ」と抑圧してしまうのだそうです。子どもは、あまり幸せではないようです。ところが、最近はそのような名前が多くなって、目立たないとか。
友達がいない人は、不幸な人生だと思われます。ところが、一人で生きていける力のある人は問題なく、「友達を作らなければいけない」と思い込んで群れようとしている人の方が問題だとか。へえ!と思う事例がたくさん載っています。
取り上げられているのは、何かに遭遇した人(宝くじにあった人)の将来がどうなったかというより、「このような性格の人はこうなる」という性格による人生の違いが多いようです。

「おわりに」に書かれていますが、この本のもう一つのテーマは、社会や世間にうまく同調できずに悩んでいる人へのエールです。
同調圧力が強い日本で、周りにあわさなければいけないと思って悩んでいる人が多いのです。それにあわせようとする人が、友達を作らなければいけないと思い、自分はそうだったけど子どもにはそうなって欲しくない親が、子どもにキラキラネームをつけるのでしょう。
日本社会論として勉強になる本です。

休日の苦しみと喜びと

かつて、わが家の子供が、「金曜日↑、土曜日↑、日曜日→、月曜日↓」と、イントネーションを利かして歌っていました。笑って聞いていましたが、確かに金曜日と土曜日は、「明日は休み」と思うと気分も楽しいです。日曜日になると「明日から働くのか」と少し落ち込み、月曜日にはさらに・・・。

私も、金曜夜が、気分が一番ゆっくりします。しかし、締めきりが来た原稿を抱えた身では、そうも言っておられず。
金曜夜(飲んでから)、土曜日と日曜日は早起きをして(こちらは冴えた頭で)、一気に書き上げました。すっとしました。
書いてしまえば、「何で、こんなことに悩んでいたんだろう」と思うのですが。まとまった時間がとれないのです。昼はキョーコさんのお供と孫の相手をしなければならないし。

まだ、今週の講義の準備と、17日締めきりの原稿がもう一つあります。常に締めきりに追われる人生は、健康によくないです。
でも、一つ書き上げたので、気持ちよくこの文章を書いています。

今日は母校で講演

今日29日は、母校・奈良女子大学付属高校の同窓会で、講演をしました。今年は、私たち昭和48年卒業生が幹事で、私と小吹君が「出し物」です。
私の役割は、官僚としてのやりがいを話すこと。小吹君が、NGOとしての活躍を話すことでしょう。で、私は、東日本大震災の対応と復興をお話ししました。割り当てられた時間は30分でしたが、実際は20分あまり。

このような場では、話より写真が効果があります。用意した写真は、半分だけを使いました。
いつものことですが、発災直後を思い出すと、大変だったときのことが頭をよぎります。「これを、若い人たちにも伝えておきたいなあ」と思い、ついついエピソードに脱線します。
皆さん、興味を持って聞いてもらえたようです。ありがとうございました。