カテゴリーアーカイブ:人生の達人

資料を作って説明するのか、説明するために資料を作るのか。その2

2012年5月29日   岡本全勝

昨日の記事を読んで、質問がありました。「そんなええ加減な資料で、良いのですか?」と。
答は、「それで良いのです」。

だって、あなたがそのまま作業を続けても、それが上司の考えていることと合致しているかどうか、わかりません。違っていたら、無駄な作業です。早く案を見せて、上司と頭揃えをしましょう。
私としては、部下がどのような作業をしているか、早く知りたいのです。私の意図と違っていたら、早く修正しなければなりません。
上司の意図と違っていたら、それは多くの場合、上司の指示が不明瞭だったか、適切でなかったかです。もし部下に能力が足らなかったら、それは能力の足らない部下に、過大な指示を出した上司が悪いのです。

ここで、脱線します。
時には、「まだ、ここまでしか、できていないのか」とか、「こんなことを指示したのではない」と怒る上司が、いるかもしれません。そんなときは、「はい」と殊勝な面持ちで頭を下げつつ、早く上司の前を逃げ出しましょう。
たぶんその時、あなたは腹の中で「そんなに言うのなら、あなたが書けばよいでしょ」と思っているでしょう。そうです。ほとんどの場合、その上司は、自分も良くわからないのに、部下に「できていない」と叱って、照れ隠ししているのです。

もし、あなたに勇気があるなら、上司に赤鉛筆を渡して、「では、書いてください」と言ってみてください。もっとも、その後のことは、私は責任を持ちません(笑い)。
私は、上司に黙ってペンを差しだしたことが、何度かあります。最初から、赤鉛筆(その方の場合はBの鉛筆)を書類に添えて出した上司もいます。その方は、2Bや4B の鉛筆が好きでした。
これは、相手がそれを許す上司でないと、通じません。誰彼なしに行うことは、お勧めではありません。そもそも、それを許す上司は、部下を怒りませんわね。
いずれにしろ、部下をしかる上司は、上司としては不適格です(我が身を省みて、反省)。そもそも、上司が部下と同じ土俵で勝負していては、ダメです。部下とは違った角度から、抜けている点を加筆したり、次の段取りを指示すべきです。職場は、予備校の赤ペン添削教室ではありません。千本ノックは、別のヒマなときに行いましょう。

資料を作って説明するのか、説明するために資料を作るのか

2012年5月28日   岡本全勝

今の職場での仕事は、前例がなく、前年通りというわけにも、いきません。毎日のように、初めての課題について、どのように対応するかを、考えなければなりません。その前に、誰が対応するかも、考えなければなりません。
職員が、知恵を絞って考えて、資料を作ってくれます。その際に、私と、スピード感がずれる場合があります。職員は一生懸命、完璧な資料を作ろうと努力します。一方、私は、なるべく早く、あるいは一定の期日までに、大臣や地元に対し答を示さなければなりません。しかし、難しい課題であると、いくら時間をかけても、完璧なものはできません。

「資料を作って説明する」では、間に合わないのです。「説明するために、資料を作る」=不完全でも説明してしまうことが、重要です。
私がするのは、指示を出す際に、「○月○日に、地元に説明するとしよう。そのために、そこから逆算して、×日前に大臣に説明する。その案を、今日から△日後に作って議論しよう」と、後ろを決めて段取りを示すことです。このような「工程表」では、決められた日までに、満足できる内容の説明資料ができない場合もあります。それは、仕方ありません。「完成度60%を目標に」とか、時には「完成度30%で良いわ」と指示します。
相手がある仕事ですから、時間も重要な要素です。「拙速をもって良しとする」。もちろん、課題の内容にもよりますが。

家族に捧げる

2012年5月17日   岡本全勝

三浦展さんの著作に触発され、いつか読みたいと思っていたので、藤岡和賀夫著『ディスカバー・ジャパン』(1987年、PHP研究所)を読みました。インターネットで中古品を探してもありませんが、区立図書館を調べたらありました。ありがたいですね。
藤岡さんは、電通の有名な広告プロデューサーで、「ディスカバー・ジャパン」「モーレツからビューティフルへ」「いい日旅立ち」などで有名です。1970年、80年代のことなので、若い人たちは、ご存じないかもしれません。
さて、今日紹介するのは、その内容ではなく、本の最初に書いてある「献辞」です。広告を志す人たちといった後輩にこの本を捧げると書いた後に、次のような言葉が並んでいます。

・・妻 奈美子へ
君が一人の子を家におき
一人を背負い一人の手をひき
一人を幼稚園に迎えに行った頃
私はこんな仕事をしていた・・

この本は、藤岡さんの仕事を振り返るものです。60歳になられて、ご自身の仕事を集大成されました。その時の、ご家族への感謝のお気持ちだと思います。私の場合は、家族へのお詫びになります。

心を病む人

2012年5月13日   岡本全勝

職場に、心を病む人がおられます。国家公務員に関する資料を、教えてもらいました。総務省が、平成22年6月にまとめた「福利厚生施策の在り方に関する研究会」の「報告書」です。
それによると、国民での精神・行動の障害者数は、15歳~59歳で、平成11年には1.37%であったものが、20年には2.25%になっています(報告書p9)。40歳代が多いです。
国家公務員にあっては、精神・行動の障害者は全職員のうち、平成8年には0.21%(1,050人)だったものが、平成20年には1.39%(3,922人)に急増しています。これは、一般職非現業国家公務員の70人に1人の割合になります(報告書p10)。年齢別では、30歳代が多いです。また、自殺者は、平成11年では138人、(10万人に対し17.1人)、平成19年では62人(同じく20.3人)です(母数になる国家公務員数が、民営化や独法化などで減っているので、このような比率になります)。
その原因が、仕事によるものか、家庭の事情か、それ以外の事由なのか、わかりません。いずれにしろ、大きな問題です。また、病気とまではいかないまでも、職場不適応の職員もいます。ご本人もつらいでしょうが、役所に限らず、管理職の人は悩んでおられると思います。

スーパーで考える、哲学と接客

2012年5月5日   岡本全勝

今日の東京は、良い天気でした。近所のスーパーマーケットに、「お客様の声」という掲示板があります。買い物客が投書した「意見書」と、それに対する「店の回答」が貼ってあります。キョーコさんが「勉強になるわよ」と言っていたので、見てきました。
一つ目の投書は、「福島県産の卵ばかり置いてあります。被災地を応援しようということは理解できますが、そうでない人もいます。前のように西日本の卵も置いてください」でした。店の答は「福島県産の他に、××県(西日本の県)の卵も置いてあります」でした。
もう一つの投書は、「近くの別のスーパーでは、同じ品がより安いです。レシートを貼っておきます(実際に、レシートが貼ってあります)。お宅の従業員もあの店で買っているのを、よく見かけます」という趣旨でした。どう答えるのかなと見たら、「仕入部に伝えます。一度、お目にかかってお話を聞かせてください」でした。