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行政-災害復興

「基本方針骨子」

今日21日夕刻、総理官邸で、復興本部会合が開かれ、「基本方針の骨子」がおおむね了承されました。「骨子」は、7月中にも作る「基本方針」の骨組みです。今後、これを基に、各府省、地方自治体、与野党の意見を頂き、肉付けします。
本文の最初にあるように、「基本方針は、東日本大震災からの復興に向けた国による復興のための取組みの基本方針であり、また、被災地域の復興計画等の策定に資するため、国の取組みの全体像を明らかにするもの」です。
「復興を担う行政主体は、住民に最も身近で地域の特性を理解した市町村が基本。国は、復興の基本方針を示しつつ、市町村が能力を最大限発揮できるよう、現場の意向を踏まえ、人材、ノウハウ、財政等の面から必要な制度設計や適切な支援を実施」します。
復興には国を挙げて取り組みますが、官だけでなく、民の力も期待しています。知恵、お金、人です。4(2)。
復興に際しては、「インフラの復興」だけでなく、「暮らしの再生」とそれを支える「雇用・企業の再生」を柱にしています。

避難所にいる人の数

2週間に1度の、全国の避難者数調査がまとまりました。それによると、7月14日現在、いわゆる避難所(体育館など)におられる方は1万8千人。2週間前と比べて、6千人減っています。6月2日の数字が4万1千人でしたから、順調に減っています。親戚や知人宅に、身を寄せている人も、減りました。
その分、住宅(民間住宅や仮設住宅)に入る人が、増えています。東北3県で6万8千戸(人数は分かりません。1戸当たり2~4人というところでしょうか)、その他の県で3万3千人です。
仮設住宅は、お盆にはおおむね希望数は完成するので、ほとんどの人はそこに入居できる予定です。避難所は、暑くてプライバシーもなく、生活環境が良くないので、早く住宅に移ってもらうことが重要です。

今日は仙台

今日は仙台で、「基本方針」に盛り込む内容について、市町村長の意見を聞く会でした。3県で、現地対策本部に主催してもらったのですが、東京からも手分けして、参加しました。
調査票は既に送り、回答をもらっています。生の声を聞くことも重要なので、このような会を3県で開催しています。復旧・復興の主役は市町村ですから、その方たちが使い勝手の良いように制度を仕込む必要があります。すべての意見を採用するわけには、いかないでしょうが。これまでにない、地方自治体重視の手順を取っているつもりです。
これで私は、今月7往復目の東北新幹線でした。

19日の日経新聞は、「新しい日本へ」として、復興に向けての動きを、8ページにわたって特集していました。インターネットの機能、新幹線の予想より早い復旧作業、部品の供給網の素早い復旧、効果を発揮した事前の訓練、節電対策、ボランティア活動、コンビニや宅配便の機能など。役所では把握しにくい項目も、取り上げています。参考になります。

今日も福島往復

3連休。皆さんは、楽しんでおられるでしょうか。深夜・早朝に、なでしこジャパンの活躍をご覧になった方も、多いでしょうね。
私は、今日は、平野復興担当大臣のお供をして、福島県庁に、知事との面談に行ってきました。一昨日も、郡山に行ったばかりですが。 これで、今月は、東北新幹線で6往復しました。明日も、仙台での意見交換会が入っています。
今の仕事は、地方自治体を支援することなので、声を聞くために、現地へ出かけることが多くなります。他方、私の調整相手は各省ですから、東京が基地になります。「東京に戻らず、向こうで泊まったらよいのに」という声もあります。私も、その方が楽なのでしょうが。仕事の関係で、そうもいきません。
今日は、夕方に東京に戻り、大臣にそのまま職場に登庁してもらい、明日以降の打ち合わせをしました。昨日、資料を作り、職員に指示を出してあったので、円滑に打ち合わせが進みました。3連休に仕事をさせて、申し訳ありません。さらに、職員を増やすので、職場は机やパソコンを増やす作業をしてもらっています。
暑い日が続きますが、頑張って乗り切りましょう。

復旧・復興にかかる経費

復旧・復興にかかる経費について、整理しておきましょう。
時間の経過で分けると、応急・救助の段階、復旧の段階、復興の段階の3つに分けることができます。第1段階の応急・救助は、発災直後からの経費で、救急や避難所の運営などです。これについては、現時点までに多くの仕事が進み、支出もされています。第2段階の復旧は、現在進行形です。元の状態に戻すにはいくらかかるかという観点から、ストックについて「被害額」が推計されています(内閣府防災統括官6月24日)。これによると、16.9兆円です。さらに第3段階として、復興経費が必要です。高台に移転するとか、堤防などをかさ上げするとか。道路や鉄道を付け替えると、復旧以上の経費がかかります。これは、現時点では、見込みが立たないので、確実な推計はできません。
次に推計手法に、いくつかの方法があります。正確なのは、市町村の各事業を積み上げてくることです。しかし、これは事業の計画が立たない自治体が多いので、だいぶ先になります。現時点では、過去の災害(阪神淡路大震災など)を参考に、マクロで推計するしかありません。もちろん、これにも、どの程度の区分で推計するかによって、いくつかの数字があり得ます。
そして、これらの事業が、これから何年にわたって行われるか。年割り額があります。
次に、これらの事業費のうち、どこまでが民間の負担で、どこまでが公費(国と地方自治体の負担)かが、別れます。道路や学校の復旧は、ほぼすべてが公費です。民間の建物や施設は、基本的にはその所有者の負担です。救助経費でも、ボランティア活動や民間の寄付によるものがあります。
復旧事業は、現場で、どんどん進められています。財政負担の枠組み(国費と自治体の負担割合など)が、できているからです。総事業費は、事業や計画を進めながら、確実なものになるのでしょう。それまでは、一定の推計で進めるしかありません。