3月6日の読売新聞別刷り「皇室ダイアリー」から。
・・・(エリザベス)女王陛下の戴冠式に出席するため、陛下が初訪英した1953年当時、現地の対日感情は厳しかったが、〈チャーチル首相はじめ、知日英国人の尽力により、あからさまに感じることはなかった〉とつづられていた。
チャーチルは、陛下を歓迎する昼食会に新聞界の代表も招いた。「殿下は非常に幸福な青年だ。過去に生きず、明るい前途がある」と演説し、新時代の到来を印象づけ、かつての敵国への悪感情をあおる論調を巧みに抑えたという・・・
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戦後イタリア政治
伊藤武著『イタリア現代史』(2016年、中公新書)が、勉強になりました。第2次大戦後のイタリア政治を、紹介した本です。日本と同じように、イタリアも第2次大戦で大きな被害を受け、ともに戦後復興に成功します。同じように、代議制民主主義でありながら、日本と似た点と、大きく違う点があります。内閣は短期間で交代を繰り返します。同じ首相が、何度も登板します。また、既成政党に反抗して、極右と極左がテロを繰り返します。代議政治が、国民の不満を吸収しきれないのです。
右のキリスト教民主党と左の共産党が2大勢力でしたが、ほかにも小党が乱立し、離合集散を繰り返します。社会の背景が違うと、政党や議会の機能が違うことが、よくわかります。制度を輸入しても、社会が違うと機能が違うのです。
奇跡とも言われる復興を成し遂げ、さらにファッションを中心としたブランドで繁栄します。しかし、マフィアとのつながり、南北問題(豊かな北部と貧しい南部)、腐敗した政党への批判が高まり、政治が大混乱します。その結果、キリスト教民主党と共産党が消滅します。選挙制度も変わり、1994年からは、第二共和政と呼ばれる時代に入ります。相変わらず、政権争いが続きます。政党の組み合わせだけでなく、政党内での主導権争いです。このあたりは、私たちにはわかりにくいところがあります。それでも、ベルルスコーニ首相は、通算10年も政権の座につきます。
イギリスやドイツが議院内閣制で日本に似ている、お手本だとも言われますが、案外似ているのは、イタリアです。たくさんの政治家が出てきて、日本人にはなじみのない名前も多く、その点を別にしても、参考になる本です。新書版の長所は、短い分量で、どれだけわかりやすく解説するかです。分厚い本を書くより、難しいのです。著者の力量が、問われます。
京極純一先生
京極純一先生がお亡くなりになりました。大学に入って受けた、先生の日本政治の授業は、驚きと目から鱗の連続でした。まだ、著書の『日本の政治』は刊行されておらず、その内容を授業で教えてもらっていたのです。「タテマエとホンネ」「へべれけ共同体」といった日本の政治文化は、わかりやすかったです。組織への過同調を「びっくり狸の芋姉ちゃん」を使って説明されたのを、覚えています。今なら、お叱りを受けるでしょうか。ご冥福をお祈りします。
異質な者を包み込む
朝日新聞オピニオン欄、1月13日、マーク・マゾワー(アメリカ・コロンビア大学教授)の発言「異なるものを包む欧州社会の強み、排外主義が脅かす」から。
「20世紀の欧州の歴史から、何を学ぶべきですか」という問に対して。
・・・民主主義のすばらしさよりも、その脆弱さでしょう。民主主義がもろくも崩壊し、独裁政治を許したのが、欧州の20世紀でした。だからナチス・ドイツが敗れた1945年以降、民主的な欧州をとても注意深く再建してきました。人権や自由を価値として強く意識し、人種差別をタブー視した・・
詳しくは、原文をお読みください。
地方活性化、政治の役割
日経新聞、経済教室面「やさしい経済学」は、1月7日から、砂原庸介・大阪大学准教授の「地方再生の行方、政治が担う機能」が始まっています。