カテゴリー別アーカイブ: 政治の役割

行政-政治の役割

リスクを取らずに成果を得る?

28日朝日新聞「加藤駐米大使、離任前に聞く」「リスク・ゼロ外交、転機」から。
「大使は日本が国際社会で役割を拡大するに伴い、もっとリスクを取るべきだと主張しています。具体策は」という問いに対して。
「日本のこれまでの外交は、最小のコストで最大の利益を上げたという意味で、まれにみる成功例だった。ただ、今後は日本として打開すべきものがあると思う。
軍事作戦に参加して死傷者を出せと言っているわけではない。が、国際的により高い評価を得るためには、これまでやらなかったことで少し踏み込むことがあってしかるべきではないか。国連平和維持活動(PKO)も含まれるだろうが、環境、経済協力の問題も、安全とは絶対に切り離せない時代になってきた。「リスク・ゼロ」も一つの選択肢だが、日本人はおそらく満足しないと思う。」
私は今、大連載で、戦後日本の成功の裏で、日本の政治が何をしなかったかを書いています。連載ではすでに書きましたが、日本の政治がしなかったことの代表例は、国際的には人的貢献で、国内では増税です。二つとも、負担を避けたのです。国際貢献は、徐々に方向転換しつつあります。詳しくは、連載の第3章三で述べます。
2日の日経新聞経済教室は、岩本康志教授の「ねじれ国会の政治経済学」でした。アメリカで大統領支持政党と議会多数派が一致しない場合が多いことを取り上げて、分析しておられます。

佐々木先生・ポスト資本主義社会

20日から、日経新聞「やさしい経済学ー21世紀と文明」で、佐々木毅教授が「ポスト資本主義社会の構図」を始めておられます。いつものように、広い視野での鋭い分析に期待しています。(5月21日)
22日は、次のような記述でした。
経済活動は政治や政策によって管理可能なものである、という前提に立つシステム間の合意は、外部からの衝撃に対してもろさを露呈した。石油危機以降、政府の経済に対する管理能力は、赤裸々な挑戦を受ける一方、これまでと同様、政府の施策に期待する国民に満足感を与えることが難しくなった・・
福祉国家はなくなったわけではないが、サービス水準が上昇する期待は持てなくなった。かくして利益政治がかつての精彩を失い、政治の基盤の流動化が始まる。かつて世界に冠たる利益政治政党であった自民党の政治的基盤の脆弱化は、この大きな流れの一環である。

介護保険10年、利用は2倍に

介護保険ができて10年になります。14日の朝日新聞オピニオン欄は、この間の事業量の変化をグラフにしていました。65歳以上の被保険者数は1.3倍に、要介護認定者数は2.2倍に、施設利用者数は1.6倍に、居宅サービスの利用者数はなんと3倍になっています。それに従い、費用総額は2.2倍の8兆円になりました。これだけ需要があるということです。必要な制度なのですね。もちろん、改善すべき点もあります。

介護保険10年、利用は2倍に

介護保険ができて10年になります。14日の朝日新聞オピニオン欄は、この間の事業量の変化をグラフにしていました。65歳以上の被保険者数は1.3倍に、要介護認定者数は2.2倍に、施設利用者数は1.6倍に、居宅サービスの利用者数はなんと3倍になっています。それに従い、費用総額は2.2倍の8兆円になりました。これだけ需要があるということです。必要な制度なのですね。もちろん、改善すべき点もあります。

道路公団民営化

10日の朝日新聞変転経済は、「道路公団民営化」でした。小泉総理がつくった民営化推進委員会が、議論半ばで内部分裂を起こしました。意見が一致せず、委員長が辞任するという事態になったのです。その結論でも大きな改革だという人と、それでは改革にならないという人とです。
それぞれの立場で、本を出しておられますが、私もどちらが正しかったのか、判断が付きかねています。この記事では、国交省が権益を維持拡大し、完勝だった=改革ではなく改悪だったと評価しています。