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行政-再チャレンジ

先進地の試み

今日は、「暮らしの複線化」研究会の、第2回を開催しました。資料は、再チャレンジのHPに載っています。興味深い事例報告が、たくさんありました。
北海道の発表は、大山慎介さんです。大山さんは、交付税課の元部下ですが、今やすっかり「北海道の民間人」(失礼)になっています。こんな仕事は、これまでの公務員ではできないでしょう。何せ、公費を使わずに、結果を出しているのですから。
その点では、一緒に仕事をしているJTBも、なるほどと思います。もう、従来型の国内旅行は、頭打ち(資料p13)なのですね。目を海外に転じると、滞在型が多いです。ところが、日本では滞在型の施設やサービスになっていません。アンケートで、「豪華な食事より、ふだんのものが良い」という回答(p3)が多いのには、納得します。昔なら、ホテルの食事や旅館の会席はうれしかったですが・・。
「補助金行政では本当ではない」という指摘をする人がいます。そうですね。補助金付きのモデル事業は、補助金がなくなったら終わりです。いかに民間ビジネスに載せるかです。民間企業は儲かる仕事しかしませんから。JTBが参加するということは、心強いです。もっとも、まだ軌道に乗っていない部分もあるようです。
ふるさと回帰センターの高橋公さんは、この会で久しぶりに再開しました。かつての自治労の好敵手です(ばらしても良いですかね)。和歌山県と島根県江津市も、工夫しておられます。皆さん、ありがとうございました。今日も、2時間取ってあったのですが、とても時間内に収まりませんでした。私の持論ですが、霞ヶ関が、国外でなく国内に学ぶ時期が来たという、良い事例でした。これからの政策は、海外からの輸入でなく、地域から出てくるのでしょう。海外視察や海外留学でなく、国内先進地視察を、お勧めします。

地域若者サポートステーション

先日、ニート・フリーター対策の第一線を、視察しました。「地域若者サポートステーション」といいます。私がおじゃましたのは、東京都足立区にある、あだち若者サポートステーションです。
これは、働く意欲や自信に欠けている若者を、応援する仕組みです。厚生労働省が応援し、地方自治体がNPOなどと協力して、実施しています。詳しくは、HPを見てください。「仕組み」と言ったのは、場所や施設は大がかりなものは不要です。相談する人が必要なのです。人材とノウハウです。まだまだ、世間では知られていないと思います。
本人以上に、親御さんが悩んでおられます。日本の教育は、学校に来た人だけを相手にします。そこから漏れ落ちた若者は、相談するところがありません。ご両親もそうです。企業に入れば良いですが、そこから漏れ落ちると、これまた行くところがありません。行政が次に関わるのは、生活保護か警察になるのです。
この施策の元祖は、イギリスにある「コネクションズ」です。イギリスは、若者の失業率も高く、妊娠や非行も多いです。そこで、このような施策が考えられたようです。あちらでは、警察や教育委員会も参加していますが、日本では、まだそこまでいっていません。また、向こうでは、ある年齢の若者を全員登録して対象としていますが、日本では、訪れた人を対象としています。
ここに、これまでの行政と、これからの行政の違いが、見えてきます。
まず、学校を作れば若者対策は終わり、という時代ではなくなりました。学校は、勝ち組を相手にしていたのです。ドロップアウトした若者を、行政は相手にしませんでした。見たくないものを見ない、これがこれまでの行政です。
次に、学校や企業といった「機関」「組織」ではなく、個人を相手にする必要があります。個人を把握できるのは、地域でしょう。ただし、現在は個人情報保護の問題があり、知っていても他人に教えられないこともあるようです。
次に、行政の縦割りは、ここでは大きな欠点になります。一人の人が悩んでいるのに、各機関が「私の仕事ではない」と言い出すと、たらい回し・漏れ落ちが出てきます。連携が必要なのです。イギリスでは、一人の若者にはある一人の相談員がつくそうです。
また、来る人を待っている「受付窓口型行政」では、だめなのです。出かけていく「出前型行政」が、必要になります。
「怠け者だから」とか「親の教育が悪い」と批判する人もいますが、それだけでは事態は解決しません。親も悩んでいるのです。また、問題ある家庭に若者を置いておく、あるいは帰すと、事態は悪化します。
まだ、このようなステーションは、全国で50か所しかありません。各地域でも、困っておられると思います。地域の若者を健全に育てることは、地方行政の大きな仕事です。もちろん、行政だけではできません。地域の人たち、NPO、そして最後はその若者たちを雇ってくれる企業の協力が必要です。しかし、それらの連携の場を提供できるのは、市町村役場だと思います。(5月1日)
国家公務員再チャレンジ試験受験案内が発表されました。新聞で「150人に」と報道されていたものです。p4に、採用予定者数が出ています。区分が細かいですが、これを足し上げると、150人を超えます。

企業の外の複線化と内での複線化

27日の朝日新聞生活欄「働く」に、興味深い記事が載っていました。「降格されても再挑戦」という題で、営業成績が低いと、店長から平社員に降格される会社の話です。ただし、半年過ぎると、いくらでも再チャレンジできるのです。私がこの記事を読んで興味深いと言ったのは、次のようなことを考えたからです。
私は、再チャレンジというと、一度会社を辞めても、もう一度勤めることができる場合を、典型例と考えていました。それはそれで、正しいと思います。しかし、このように会社を移るような複線型社会と同様に、会社内でも「複線型人事昇進」が必要なのではないか、ということです。一度課長になったら補佐には戻らないといった仕組みだと、期待されただけの仕事ができない人は、本人も困るし、会社の方も困ります。閑職で「処遇」するか、辞めてもらうかです。皆さんの職場にも、そのような例があるのではありませんか。
相撲では、成績によって地位が上下します。横綱になったら、辞めるしかありませんが。学校では、教頭・校長の降格制度ができています。職場でも、そういうことが珍しくなくならないと、社会全体の複線化は実現しないのかもしれません。

キッズルーム

官邸のHPキッズルームに「再チャレンジ」が載りました。小学生・中学生に分かるように、工夫されています。「やさしくわかる編」と「くわしくわかる編」に分かれていて、クイズもついています。なかなかの優れものです。結構楽しめますよ。ぜひご覧ください。
また、今日は、二地域居住研究会を開催しました。詳細は、追って載せます。(4月18日)
第1回「暮らしの複線化研究会」の資料を載せました。二地域居住について、各省が取り組んでいる資料が、ほぼ網羅されています。ご覧ください。

二地域居住研究会

13日の読売新聞に「U・Iターンで田舎暮らし、政府が本格支援へ研究会」という記事が出ました。1面真ん中だったので、かえって、私を始め再チャレンジ室もメンバーも、見落としてしまいました。
再チャレンジ支援策の一つとして、山本担当大臣の指示で、勉強を始めることにしました。二地域居住については、すでにいくつかの省で研究を進め、施策もはじめておられます。その協力をいただき、さらに進めるにはどうしたらいいか、勉強しようという趣旨です。詳しくは、おってHPに載せます。