カテゴリー別アーカイブ: コメントライナー

時事ドットコムに転載「管理職研修の盲点」

3月1日にコメントライナーとiJAMPに載った拙稿「管理職の必須知識」が、時事通信のニュースサイト「時事ドットコム」に転載されました。
企業も役所も大変!今どきの管理職研修に大きな盲点」です。無料閲覧可能なので、ご覧ください。なお、3月7日の『地方行政』にも載せてもらいました。

表題が、分かりやすいものに変わっています。なるほど、専門家は違いますね。
一般ニュースに取り上げられるとは、私の指摘が良い点をついていたということでしょうか。
「明るい公務員講座」3部作を書いたときに考えましたが、職員養成の重要性が叫ばれる割には、官民とも力を入れてこなかったように思います。「職員研修は充実している」と、関係者からは反論がおきるでしょうが。
1 職員養成とそのための手法(研修だけでなく)の、全体像や系統的な教科書がないこと。
2 職員養成の専門家が、企業や役所にいないこと。各分野の専門家はおられるのですが、全体を分かる人です。

今、勉強中です。この1と2について、良い教科書と専門家がおられれば、教えてください。お教えを乞いに行きます。

コメントライナー寄稿第2回

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第2回が配信されました。今回は「管理職の必須知識」について書きました。同時に、iJAMPでも配信されました(それぞれ有料で登録会員だけです)。

企業も役所も、管理職の育成に悩んでいます。職員を使って業務を達成するという任務は変わらないのですが、社会の変化や従業員の意識の変化に対応する能力が必要となりました。
これとは別に、管理職に必要な知識が増えました。情報通信技術とサイバーセキュリティ、コンプライアンス、不祥事が起きた際の広報対応、災害時の業務継続、仕事と生活の調和、セクハラやパワハラの防止、心の不調を抱える職員への対応などなど。
担当している業務の専門知識の前に、このような共通知識が必要になりました。これは意外と気がつかれていません。
これらの項目それぞれに、専門書や研修はあります。ところが、これらの一覧、「管理職ならこれだけは覚えておこう」という教科書がないのです。

で、市町村アカデミーで、研修を作りました。
一つは、上に述べたような内容の「管理職の必須知識講座」です。
もう一つは、「政策の最先端」です。デジタル化や感染症対策など専門性の高い科目は既にあるのですが、それとは別に管理職や企画担当職員に最先端の政策課題とその動向を学んでもらいます。「最先端政策のデパート」を目指します。内閣官房や総務省などの専門部局の協力を得て、内容を練り上げました。

コメントライナー前回は、1月6日「若手官僚の不安と不満」でした。

時事通信社コメントライナー寄稿

時事通信社の「コメントライナー」1月6日号に、寄稿しました。コメントライナーは、時事通信社が契約購読者に毎朝配信する、署名入り解説記事です。

今回の私の記事は、「若手官僚の不安と不満」です。
内閣人事局の依頼を受け、若手国家公務員の研修講師を務めました。幹部候補育成課程中央研修の係長級と課長補佐級の2課程で、どちらも録画です。
幹部候補研修と言えば、事務次官など先輩が経験談と心構えを話すことが定番ですが、主催者の要望は若手職員の不安と不満に答えてほしいとのことです。
内閣人事局の担当者たちと3カ月にわたり議論して、話の重点を決めました。若手官僚の悩みは、「どのようにしたら良い仕事ができるか」「どのようにしたら官僚としての能力が身に付くか」といったことよりも、次の三つのようです。
・生活と両立しない長時間労働がいつまで続くのか。
・従事している仕事が国家国民の役に立っているのか。
・この仕事で世間に通用する技能が身に付くのか。
優秀な学生が官僚を志望しなくなったことや、若手官僚が次々と辞めていくことが報道されています。その原因には、このような不満と不安もあるのでしょう。そこで、仕事の技術のほかに、三つの不安と不満について、その原因と対応策を述べることにしました。

座学の研修は、しばしば「聞いて終わり」となります。そこで宿題も付けました。「配布した講義骨子を上司に読んでもらい、あなたの意見を述べて、上司と30分間意見交換すること」です。若手官僚たちの悩みは、彼らが努力しただけでは解消されません。上司たちが職場の仕事のやり方を変える必要があるのです。それで、このような仕掛けを組み込みました。
研修録画は今年1月から、係長級と課長補佐級それぞれ約700人ずつが受講します。彼らとともに彼らの上司からどのような反応があるか、心配とともに楽しみです。

コメントライナー目次

2022年1月から、時事通信社の「コメントライナー」に寄稿しています。コメントライナーは、時事通信社が契約購読者に毎朝配信する、署名入り解説記事です。官僚の経験を生かして、報道では見過ごされている事実や、報道とは少し違った分析を書くようにしています。

2022年
1月6日「若手官僚の不安と不満
3月1日「管理職の必須知識
4月19日「『コロナ禍』を『コロナ成果』に
6月7日「憲法改正は地方自治の規定から
7月29日「小さな政府論の罪
9月16日「最低賃金決定に見る政治の役割
11月7日「社風をつくる、社風を変える
12月27日「それは首相に質問すること?

2023年
2月13日「人事評価、職場と職員を変える手法
3月24日「首相秘書官の現実と課題
5月11日「「行政文書」は正確か
7月10日「一身にして二生を過ごす
8月10日「マイナカード問題と組織管理
10月12日「役所にも人工知能がやってくる
12月14日「日本型職場の功と罪

2024年
2月22日「工程表のない政治
4月26日「管理職を育てる組織へ