カテゴリー別アーカイブ: 社会と政治

社会と政治

NPO法成立過程

9日の朝日新聞変転経済は、NPO法案でした。民間非営利組織NPOに法人格を与える法律が、1998年に成立しました。その政治過程です。この法案は当初「市民活動促進法案」という名前でした。最終的に「特定非営利活動促進法」として成立し、しゃべりにくい名前になりました。私は、なかなかこの正式名称が覚えられず、「NPO法」と呼んでいます。
ただし、この記事は、行政と国会での法案成立過程についてです。社会において、この法律が持つ意味や背景の解説も欲しいですね。期待しています、辻記者。

資本と国家の離婚

4日の朝日新聞「きょうの予習・2月9日東京でG7」、水野和夫三菱UFJ証券チーフエコノミストの発言から。
・・グローバリズムとは、資本と国家が「離婚」して国際競争を展開することだが、マネーの力が国家をねじ伏せてしまった事態をどうするかだ。国・地域単位での対応の限界を認識して腰をすえて考えるべきだ。
これまで日本人の国民性や平等意識といった共同体感覚が競争に優位に働いてきたが、報われない人々の出現は、そうした均一国家を解体の方向に導くかもしれない。分断された中産階級が希望を持てるような仕組みが必要だ。

企業の事件史

2日の朝日新聞の連載「変転経済」は、「企業と闇社会」です。総会屋や暴力団と企業との癒着が、明るみに出た事例です。記事につけられている年表を見ると、日本を代表する企業が並んでいること、またその事例の多さに改めて驚きます。健全な市場経済をつくるためにも、このような事案は厳しく罰せられるべきです。
教科書では出てこない、また学校でも教えられないことですが、このような歴史を勉強することは重要です。良い企画記事だと思います。

日本人の国家意識

25日の読売新聞が、国家意識に関する世論調査を載せていました。それによると、日本国民であることを誇りに思う人は、93%に上ります。思わない人は、6%です。もう一度日本人に生まれ変わりたい人が85%で、そう思わない人が10%です。
日本をどのような国だと感じているかについては、平和国家が60%、経済大国36%、文化国家27%、民主的な国25%です。閉鎖的な国と考えている人も、10%います。このうち、経済大国というイメージは、1986年の調査では61%で第1位だったのですが、大きく減りました。
国の役に立ちたいと考える人が、73%です。これまでの調査に比べ、増えています。
政府の規制を少なくして、民間が自由競争できるようにすべきが59%、そう思わないが31%。国民の経済的格差の解消に、政府は積極的に取り組むべきが84%、そう思わないが12%。小さな政府を望む人が38%、大きな政府が33%です。ただし小さな政府派は、2000年の47%から減っています。社会保障のために税負担が増えても良いという人が45%、反対が47%です。

個人番号

21日の産経新聞正論は、加藤秀俊先生の「国民ひとり「一生一番号」に。国の情報管理の稚拙さがはがゆい」でした。
アメリカの社会保険番号が、自動車免許番号や医療保険証番号、銀行口座などの本人確認に利用されていることを紹介した後、次のように書いておられます。
・・だが、こんなふうにひとつの番号で個人を識別するというきわめて明快な制度にたいして、日本の世論はけっして好意的ではない。いや否定的である。これまでなんべんも、政府はこうした方法の導入を提案してきたが、国家が個人に番号をつけるのは「国民総背番号制」だといってみんなが反対する。なによりもマスコミが反対する。「個人情報」や「プライバシー」を国家が管理するのは怪しからぬというわけ。
その結果、われら日本人はそれぞれに年金、健康保険、運転免許証などいくつもの番号をバラバラに持たなければならなくなっている。まことにめんどうである。
さらに数字のケタ数もわけがわからない。アメリカの9ケタは理論上、10億人まで管理することができる。さしあたりアメリカ人や在留者すべてに番号をつけるのには9ケタあればじゅうぶんだ。それなのにわたしの日本の国民年金番号は10ケタである。これは100億人までを想定している。もっと滑稽なのは免許証の12ケタである。これだと1兆人まで管理できるが、どうしてそんなケタ数が必要なのであろうか。こういう珍妙な番号をたくさん持っていてまちがわないほうがオカシイ・・