日曜日の日経新聞に佐藤賢一さんが「王の綽名」を連載しておられます。ヨーロッパの王様のあだなの由来を説明しています。変な(?)あだ名もあって、興味深いです。
4月16日は「青歯王 デンマーク王ハーラル1世」でした。
詳しくは原文をお読みいただくとして。英語では、ブルートゥースになります。そうです、パソコンなどで使う無線通信の規格です。
この王様が、デンマーク王でありつつ、ノルウェー王の地位を手に入れるのです。海に隔てられた二つの国を治める。そこから名づけられたそうです。なるほど。
日曜日の日経新聞に佐藤賢一さんが「王の綽名」を連載しておられます。ヨーロッパの王様のあだなの由来を説明しています。変な(?)あだ名もあって、興味深いです。
4月16日は「青歯王 デンマーク王ハーラル1世」でした。
詳しくは原文をお読みいただくとして。英語では、ブルートゥースになります。そうです、パソコンなどで使う無線通信の規格です。
この王様が、デンマーク王でありつつ、ノルウェー王の地位を手に入れるのです。海に隔てられた二つの国を治める。そこから名づけられたそうです。なるほど。
伊藤俊一著『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』(2021年、中公新書)が、勉強になりました。
荘園は、学校で習いました。律令制の公地公民が、荘園によって浸食され、公家や寺社の経済・権力基盤になったこと。武士がそれを奪ったことなど。
本書では、そのような歴史的変化とともに、なぜ支配者が変わったか、現場ではどのような実態になっていたかを説明します。
京都や地方での権力争いだけを見ていては分からないこと、中央政界と地方の経済とが連動していることが分かります。面白いです。
これまで主流だった(中央)政治史は、つまらないです。この本は、中央政治との関係も抑えつつ、地域経済、暮らしなどの歴史と変化を説明してくれます。お勧めです。
3月28日の朝日新聞オピニオン欄「記者解説」、三浦俊章・編集委員の「危機の30年とロシアの侵攻 冷戦後の失敗教訓に、秩序再構築を」から。
・・・政治と外交を取材してきた過去30年を振り返ると、行き先不明のジェットコースターに乗り続けてきたような気がする。
1989年にベルリンの壁が崩壊した後に東ドイツに入った。歓喜と未来への楽観があふれていた。西側は冷戦の「勝利」に酔い、市場経済と民主主義が世界を覆うと信じた。しかし、グローバル化は貧富の差を広げ、国家間対立は深まり、専制主義とポピュリズムが台頭した。そのあげくのウクライナ侵攻である。プーチン大統領は核の使用をちらつかせる。米ロの全面対決になりかねない。
20世紀には二つの世界大戦があった。両者の間はわずか20年。当初は平和な世界をつくろうと理想主義が盛り上がったが、経済恐慌を機に暗転、破局へと落ちていった。この時代は歴史家E・H・カーの名著にちなんで「危機の20年」と呼ばれる。我々もまた、冷戦終結以来の歩みを「危機の30年」としてとらえ直す必要がある・・・
・・・今日に至る「危機の30年」は三つの時期に分けられるだろう。
第1は、壁崩壊から世紀の変わり目までの「おごりと油断の時代」である。唯一の超大国となった米国の関心は経済に集中し、市場万能の新自由主義が全盛となった。第2次大戦の敗戦国ドイツ(西独)と日本は、米国の手厚い援助を得て、経済復興と民主化を実現した。しかしソ連の共産党体制が崩れたとき、民主化は既定路線だと米国は安心した。ロシアは過酷な市場原理に委ねられ、富が新興財閥に集中し、経済は崩壊した。民主化にも失敗し、旧ソ連の保安機関KGB出身のプーチン氏の体制が生まれた。
第2の時期への転機には、ワシントン特派員として遭遇した。2001年の同時多発テロで、米外交の優先課題は一変した。だがそれは「一極崩壊の時代」の始まりだった。力で世界をつくりかえられると過信したブッシュ政権は、アフガニスタン、イラクへの戦争を始め、泥沼に陥った。市場原理万能の経済は08年のリーマン危機を引き起こし、こちらも壁にぶつかった。
第3の時期は、10年代以降の「専制と分断の時代」である。米国の混迷とグローバル化の失敗を見たロシアと中国の指導者は、専制的支配を強めた。西側民主主義国でも、移民への敵意や格差の拡大から、ポピュリズムが広まった。英国は欧州連合(EU)離脱を決め、米国には社会の分断をあおるトランプ大統領が生まれた・・・
角川書店のソフィア文庫が、日中古典地図を作って配っています。本屋でもらえるそうですが、二枚ともホームページから印刷できます。
日本と中国の古典を取り上げ、分野別に時代別に並べて、そのつながりを図示したものです。これは優れものです。ある本がどのような位置にあるか分かると、読む際に参考になります。中学生や高校生には、役に立つと思います。私も、もっと早くにほしかった。
欲を言えば、中国古典地図には、通俗小説(西遊記、三国志演義、水滸伝、金瓶梅など)が入っていないのです。
哲学や経済学、政治学でも、このような地図がほしいです。
1972年3月21日に高松塚古墳の極彩色壁画が発見されて、50年になります。「朝日新聞の特集」
そのとき私は、高校の修学旅行で南九州に行っていました。ニュースを旅先で聞いて興奮しました。その頃は古墳が好きで、村内の古墳はたくさん見ていました。今は入ることができない古墳も、当時は自由に立ち入ることができました。でも、高松塚古墳なんて聞いたことがなかったので、どこかなと思いました。
旅行から帰ると、伯父が実物を見ることができたとのことで、残念な思いをしたことを覚えています。古墳は、わが家からは3キロほど離れた、小山が続く畑の中にあります。ふだん、行くことがない場所です。
昨日20日に、有楽町朝日ホールで「高松塚古墳壁画発見50周年記念シンポジウム 高松塚が目覚めた日―極彩色壁画の発見」が開かれたので、行ってきました。内容の濃い催し物でした。
陶板で複製された壁画が展示され、間近に見ることも、触ることもできました。漆喰がはげ落ちている状況も、再現されています。これは優れものでした。
次は、はげ落ちた部分や雨水で汚れた部分を(一部想像して)補って、1300年前の状態を再現してほしいです。
1300年間(途中盗掘にあいましたが)、ほぼそのままの状態の鮮やかさを保っていたことは驚きです。でも、突然起こされて、あっという間にカビが生えて、絵が劣化しました。文化財保護の大失態でした。
保護しようとして大失敗したもう一つの代表例は、法隆寺金堂壁画模写です。模写作業中に、これまた1300年間保たれていた壁画を焼いてしまいました。