次の教えを、それぞれ職場での具体的場面を使って、解説せよ。そして、二つの教えの関係について述べよ。
A 今、目の前にある仕事に、全力を挙げて取り組め。
B 中長期的な視点で、広い視野で仕事に取り組め。
カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座
生き様-明るい課長講座
図る?
私の嫌いな言葉に、「図る」があります。「2006年4月22日の記事」にも書きました。
今朝、18日の朝日新聞1面トップ記事「予算関連法、成立困難」に次のような文章があります。
・・その国会戦略の根幹が揺らぎ、特例公債法案の年度内成立が図れなければ、92.4兆円の新年度予算案のうち4割強の40.7兆円の財源は賄えなくなる。4月以降は毎月入ってくる税収などで乗り切らねばならないという異例の事態になる・・
う~ん、この文にある「成立が図れなければ」は、どういう意味でしょうか。「成立しなければ」ならば、意味が通じます。しかし、「図れなければ」とは、どういう事態なのでしょうか。「意図する」「計画する」の意味だとすると、文章が通じなくなりますよね。
明るい課長講座2
次の教えを、それぞれ職場での具体的場面を使って、解説せよ。そして、二つの教えの関係について述べよ。
A 部下には、具体的に指示を出さないと、仕事は進まない。例えば、山本五十六元帥の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」が良いお手本だ。
B 部下に仕事をさせる時には、自由にさせ、自分で考えるようにさせなければいけない。そうでないと、部下は成長しない。
明るい課長講座1
次の格言を、それぞれ職場での具体的場面を使って、解説せよ。そして、二つの格言の関係について述べよ。
A 君子危うきに近寄らず
B 虎穴に入らずんば虎児を得ず
私の嫌いな言葉
参考文献
このページには、少し「毛色の変わった」本が並んでいます。
【生き方】
桑子敏雄著「理想と決断」2003年、日本放送出版協会(今を生きる哲学、自己と他者との配置、もう1枚の名刺)
ミヒャエル・エンデ著「モモ」邦訳1976年、岩波書店(豊かさを求めて時間を節約すると、人間らしさを失うこと)
【環境と人間】
桑子敏雄著「環境の哲学」1999年、講談社学術文庫(環境の豊かさ、空間の履歴)
西垣通著「基礎情報学-生命から社会へ」2004年、NTT出版(情報の意味と価値、生命と環境、実体ではなく関係)
【リーダー】
黒野耐著「参謀本部と陸軍大学校」2004年、講談社現代新書(リーダーとマネジャーの違い、指揮官と参謀の育成、指揮官育成をしていない日本の組織、指導者に要求されること)
奥村宏「判断力」2004年、岩波新書(判断をしないから責任が問われない、判断を先送りにする責任者)
【社会】
佐藤俊樹著「ノイマンの夢・近代の欲望」1996年、講談社選書メチエ(技術は人間や社会の仕組みを変えない、近代産業社会の2つの装置=産業資本主義という経済制度と民主主義による社会制御という政治制度)
(私の嫌いな言葉)
総務課長は文書課長としての仕事もあるので、総務省の法令をはじめ、大臣の挨拶文や国会答弁など、いろんな文章に目を通します。時々、いやになることがあります。いわゆる役人言葉です。最近、私が職場で「征伐する」と宣言している言葉をいくつか紹介します。
「適切に対処する」:何をするのかだけでなく、進めるのか、やらないのか方向すらわからない。多くは、何もしないで様子を見る場合に使われるようです。
「所要の措置」:究極の役人言葉です。中身は不明。
「図る」「講じる」:たいがいの文章では、この言葉はなくても通じます。図らなくても、実行すればいいのです。
「体制整備」:便利な言葉です。でも、具体的に何をするのか不明です。消防の体制整備と、不祥事防止の体制整備では、かなり内容が違うと思います。
「高度化」:これも内容が不明です。
これについては、「明るい係長講座」初級編p48にも書きました。
これらの言葉の特徴は2つあります。まず、日常会話では使いません。よって、私が起案者につける注文は、「あんた、こんな言葉使って、あんたの夫(妻)が分かるか。あんたのお父さんに通じるか?」です。
もう一つ、これらの言葉は、内容が不明確なのです。こんな言葉を使うのは、自分でもよく分かっていないか、あるいは真実を隠そうとしてでしょう。少なくとも、相手に分かってもらおうとはしていませんね。いずれにしても、ずるいです。私は時々、起案者に「これって、英語ではどう言うんや?」と質問します。
だから、このような表現は、新聞などでも使われません。新聞が使っている場合は、記者が不勉強で、役所の文章をそのまま使った場合です。そんな記事は、内容も要注意です。(2006年4月22日)
前回に引き続き、私の嫌いな言葉です。今回は、カタカナ英語です。ここで「カタカナ英語」というのは、一見英語に見えるカタカナ日本語です。実際は、発音も意味も元の言葉からは、ずれているのが多いようです。
役人って、本当にカタカナ英語が好きですね。インセンティブ、グローバリゼーション、スキーム、バリアフリー、フォロー、リーズナブル、××センター・・・。
根底には、その方がハイカラに聞こえるから、すなわち舶来信仰があると思います。自分は知っているぞという、エリート意識があるのでしょう。説明相手である国民のことは、考えていません。また、自分は分かったつもりになり、十分に理解できてないこともあります。
国立国語研究所が、「外来語」言い換え提案-分かりにくい外来語を分かりやすくするための言葉遣いの工夫-を発表しています。新聞でご覧になった方も多いでしょう。住民に分かってもらうためには、気をつけなければなりませんね。私も、ついつい使ってしまいます(反省)。
かつて、ロシアに出張したとき、同行した職員がロシアの友人への土産に「外来語辞典」を持って行きました。彼はロシアで暮らしたことがあり、日本語を勉強している友人への土産だというのです。私は、最初その意味が分かりませんでした。
「何で、そんなの持って行くんや」
彼曰く、「ロシア人にとって、日本語を勉強するとき、カタカナ英語は分かりにくいものなのです」。
そうなんです、英語圏以外の人にとって、英語は通じません。もちろん、怪しい発音のカタカナ英語が、英語圏の人に通じるか怪しいですが。ロシア人・韓国人・中国人らにとって、カタカナ英語は国語辞典にも載っておらず、日本語を学ぶ際の障害なのです。英語をしゃべれば国際人と思うことが、間違いですよね。(2006年4月26日)
昨日に書き忘れた言葉がありました。「ベース」です。例えば「18年度予算ベース」とかって、使いますよね。この言葉の意味もよく分かりません。ほとんどの場合、なくても通じるようです。(2006年4月27日)